【海賊の宝島】3
ライムだけ異様にリラックスしている中、此方からも近付いているため段々と話し声が近付いてくる。聞こえてくる声は聞き覚えのある特徴のある声と聞いたことのない男性と女性の声。......ジェミニさんっぽいなぁ。
それでも警戒を緩めずに近づいていく。向こうもこっちの出している音に気づいたようで警戒しているような感じがする。これはこっちから動いた方がいいかもしれない。
......さらに近付いて木の影から顔を出す。まぁその前にテウスたちの身体が出てるからわかるとは思うんだけどその間、攻撃を仕掛けられなくて助かった。テウスたちが攻撃されるのは避けたかったからね。
「ジェミニさん。お久しぶりです」
「あら、やっぱりミーノじゃない」
顔を確認するとやっぱりジェミニさんで少しホッとする。ジェミニさんたちはこれからどうするんだろ?拠点に戻るのかな。それともこれから狩り?
そう考えているとテウスがこっちに来て頭を押し付けてくる。それを見て他の2体も押し付けてくる。嬉しいけどここはセーフティではない。
「テウスたちまだだよ。ここってセーフティじゃないからさ」
「「「......うぅ」」」
「ちゃんと構うって、もう」
「あら、今から拠点へ?」
「はい。さっきまで海岸にいたのでユーカと合流するために向かっているんです。」
「あら、そうなの。あたしたちはこれから探索に行くのよ」
「そうだったんですか。なんかすみません」
「うんん。いいのよ。拠点は私たちとは反対方向のあっちだから」
「はい。ありがとうございます。」
拠点の場所を教えてもらってから私はお礼を言ってからジェミニさんの指し示した方向へと歩く。あっちに行けばプレイヤーが拠点をちょっと作っているみたい。
テウスとドゥーザが私より前を歩き、ドゥーザの上にラビちゃんが座り警戒している。その後ろに私がいて最後尾にチューンとその上で溶けてるライム。この陣形に戻り私たちはさらに奥へと進んでいく。
奥に進むと少しずつ人の声が聞こえ始める。つまり、プレイヤーの拠点に近づいているということである。段々と木の数が減り始めて視界を確保でき始める。隙間からはちょっとした拠点が出来ているように見えた。
「お、着いたかな?」
「「「わんっ」」」
「よっし、ようやく着いたぁ!」
歩いてようやくプレイヤーの拠点へと到着した。プレイヤーは忙しそうにあっちいったりこっちいったりしつつもなんだか笑顔の絶えない柔らかい雰囲気が漂っていた。
さて、ユーカたちはどこにいるんだろうなぁ。何となく歩いてみれば分かるかな。でも先ずはちょっとした料理を作りたいし簡易料理台を出せる場所に移動しようかな。あ、でもその前に
「ライム、ラビちゃん、テウス、ドゥーザ、チューンありがとね。よーしよし」
存分にもふってあげねば!このもふもふ行為は皆を労うためにも必須!そしてこの後もよろしくという意味合いも込める。とりあえずはご飯にしておきたいけども場所探しからかぁ。
この後のちょっとした苦労を思い浮かべつつその思いを払拭するくらい存分にもふもふを楽しんだ。楽しみすぎた結果いつの間にかユーカが背後にいてそれに気づくのが皆を満足させた後だった。
「ミーノ、終わった?」
「ん?あれ、ユーカなんでここに?」
「なんでって、掲示板に書かれてたからよ。それで迎えに来たって訳」
「なるほどなるほど」
チラッと皆を見てみるともう少しかかる気がするな。うん。やり過ぎたかも。
「......この子達が落ち着くまで待っててもらってもいい?」
「いいわよそのくらいならね」
「ありがと」
そこから10分ほど経って皆は起き上がり私たちはユーカに連れられさらに中央へと歩きだした。歩いている間に色々話してもらった。ここのセーフティが一部プレイヤーの拠点として色々作っていること。ここ以外にも山、森、海岸等にセーフティがありそこが拠点として使われていること。料理がなくて困っていること、ポーションもないようだし鍛冶師もいない。
つまりここの拠点に生産の出来るプレイヤーが少ないらしい。その時に私が料理が出来ることを話したりモンスターの方も色々話した。そして話しているといつもの間にか周りよりもちょっとだけ立派な建物に到着しその建物に入っていく。
入る前にテウスたちは各々の判断で勝手に送還していった。気遣ってくれたのかもしれない。
そして、その建物に入ってみると中身がなくて驚いた。比喩ではなく本当にない。あるのは円卓と椅子くらいで無駄にこの建物でかいという感想が出てきたくらい。
「ただいま戻ったわ」
「おかえり、で、そちらが」
「えぇ、私のフレンドのミーノよ」
入ると数人の男女がいて円卓にある椅子に座っていた。その内の一人、上座の方に座っている男性がこちらに話しかけてきた。こちらというかユーカにだが。
「ミーノです。よろしくお願いします。」
「あぁ、話は破壊姫から聞いている。調合師で間違いないか?」
「はい。合ってます」
「ふむ」
私に話を振ってきたのは20代前半くらいの若い人でここを仕切っているようにも感じられるような人だった。




