こっちから森の熊さんに出会いに行く
リンゲル森のセーフティはちょっとした騒ぎになっていた。まずはウルフが三体現れたということに対して驚きながら戦闘体制をとりはじめる。が、ユーカを目にしてその混乱が大きくなりちょっとしたパニックになっていた。
その元凶は私のもとで寝そべりリラックスし始めユーカはちょっといじけていた。そんな様子を見たプレイヤーはユーカのイメージとこの姿にギャップを覚えその場から動かないものの脳内が大変なことになっていた。
「......決闘受けただけなのに、無差別じゃないのにぃ」
とちょっと泣きそうになりながら私の膝に寝転び、膝枕をしてあげている。そして家のワンコたちはテウスを残し自分で送還していた。......う~ん。謎だねぇ?
リラックスしているテウスを背もたれ代わりにしてユーカの頭を撫でつつ今の状況を見守っている。ハイド?ハイドは笑い転げて腹筋が痛そうだと思う。......ユーカから一発もらいそうだなぁ。さすがにユーカが可愛そうなので
「ハイド、笑いすぎだよ?ユーカに殴られるよ?」
「ハハハハ......そ、そうだな。っぷ、ダメだ!笑いが込み上げてくる。ハハハハっごっほごほ」
笑いすぎて噎せ始めたぞ。まったくハイドは、だから彼女が出来ないんだよ。回りの人も再起動がすんでいるようで遠目からチラチラとこちらを見つつ警戒しつつ休憩している。.......一体ユーカは何をしたのやら。ま、知ってる人から聞くのが早いかな。
「ハイド、何でこんなにユーカ恐れられてるの?この前までは普通だと思ったんだけど」
「あぁ、昨日だったかな。ユーカに喧嘩を売ってきたのがユーカの怒りに触れてドッゴーンよ。街中では無くてバルツ鉱山前でな。地面が凹んでな?それを見ものにしてた奴等が怖じ気ついてあることないこと吹き込んじゃってなぁ。」
ユーカの怒りに触れるってどうしたらそうなるんだか。その話に呆れつつユーカの頭を撫でるのは止めていない。めっちゃ拗ねてるんだもん。しばらく掛かるよぉ?これ
「ユーカとしては不愉快だろうけどその影響で掲示板を見てる奴と現物を見た奴が異常に怖がってるだけだな」
広場での騒ぎはそういう、以前から普通にそんな扱いだったけど悪化したのね。はぁ~、なるほどねぇ。
「ユーカ、大丈夫?」
「......だいじょばない」
「広場じゃ平気だったじゃん」
「そうだけどぉ」
「ボス戦はどうする?行く?」
「うぅぅぅ」
ボス戦の話をし始めると周りが少し騒がしくなり始めているけどどうかしたんだろうか?
「いくぅ......後で」
「そっか、じゃあしばらくは休憩だね。ハイドもいい?」
「いいぞ。誰かさんのお陰で戦闘はなかったがな」
そういう情報を出すとユーカに繋がりそうなものだけどなぁ。まったく
「そこはテウスの影響かな。」
「んふぅ♪」
テウスの頭を撫でると気持ち良さそうな声を出す。そうすると周りのプレイヤーがざわめくけど、こうなりゃ仕方ないね。実際テウスのお陰だと思うしね。採取するときもモンスターと会わないのはそういうことだろうし。でも戦闘訓練をするときはテウスたちには出てこないように言っておかないと勝手に出てきそうだなぁ。
「ま、そうだな。ウルフには驚かされた」
「さすがテウスだね」
特に気にしていなかったけどテウスたちってかなり強いよね。そんなに戦闘させていないんだけど大丈夫なのかな?ん~、送還している場所に何かあるのかな?
私も早めに魔術士を卒業したいんだよね。明日はテウスたちに相談してから北の方でレベルあげかな。北のゴーレムは魔法に弱いからね。フッフッフ乱獲じゃい!
明日の予定を決めたところでユーカがのそりと起き上がりちょっと顔が赤いんだけどそれだけ恥ずかしかったのかな?まぁ仕方ないね。
「あ、ありがとね。ミーノ」
「うんん、大丈夫だよ。それより行く?」
「行く」
「おっけ、ハイド行こう?」
「あいよ!」
「ンーー、クワッ」
「行こっかテウス」
「ワウッ!」
立ち上がってストレッチをする。テウスはあくびをして身体を伸ばして準備を整えたようだ。ユーカはガントレットを合わせて音をならす。あ~そんなことすると。......もう遅かった。すでにプレイヤーは下がってる。ハイドは軽く準備運動して準備が終わっている感じかな。
恐れられながらも私たちはセーフティを抜けてボスの所に向かって歩き始めた。ユーカが鬱憤を晴らすかのように木を殴り付けているとその木は折れて消えた。......こっわ
「ユーカ、そういうところだよ」
ハイドの呟いたその言葉は聞こえなかったようでユーカの気合いは十分に高まったようでした。ボス戦のエリアに入ると今回は右手側からのっそのそとやって来て1つ吠えた。
.......しかし、しかしだ。私のワンコたちが出てきて熊と会話し始めた。......これ、私がいるとダメなパターンだ。熊と話終わったのかテウスが私の方に近づき熊に向かって押し出してきた。その様子をポカーンと見ていた二人は悪くない。
「結局こうなるのね」
熊さんに抱っこされたり高い高いされたり、昼間とは違い中々にアグレッシブルだなこの熊さん。20分ほど遊ばれて熊さんはその場で丸まり始めた。......っふ、疲れた。そんな私と残りの二人はそのままヴェルディンへと到着してまた抱きつかれたのをバレてしまった。......八つ当たりに行くからなぁ?待ってろぉ!ゴーレムゥ!




