リンゲル森にて
リンゲル森に到着し、私は識別スキルのレベル上げをするために下を向いて歩き始める。大体が『微癒草』としか出ない。......これどうなんだろ?たまーに微毒草とか微麻痺草とか癒し茸に麻痺茸、毒茸なんかもあるけど。名前しか見えないっていやぁ、鑑定もこれとおんなじ感じなのかな?
私が森の中をウロチョロうろちょろしていると当然ウルフたちの時間がやってくる。日がオレンジから紺色へなると森の中からウルフたちの遠吠えが聞こえる。ふぅむ......ここはわんわんたちの出番かな。でもここで大きいテウスを出すわけにもいかないからドゥーザかな。
ドゥーザを召喚し、存分にモフモフを堪能しドゥーザには周りの警戒を頼み私は採取を中心にリンゲル森を進む。途中ウルフリーダーがウルフを引き連れやってきたが私のそばにいたドゥーザが駆け出し、何か話していたようで襲われずに済んだ。もちろんめちゃくちゃ褒めた、それはもうドゥーザの息が上がるほど褒めた。......毛皮が気持ちよかった。
存分にもふm......じゃない。褒めに褒めてその場から動けなくなったドゥーザの息が整うまでその場で休憩していようか。ドゥーザをソファーにして頭や身体を撫でながら休憩する。上を向いても木の葉っぱが邪魔で夜空は見えない。けれどもそんな木の葉の隙間を縫って月明りが差し込んでくる。ここに湖があればそれはそれは幻想的な景色にはなることだろうなぁ。
風が吹くと『ザザザザ』と木の葉が揺れそれに合わせて月明りの場所が変わる。木の幹や他の木の葉に光が当たり中々に明るい。......なんか落ち着く。風が吹いて草が揺れる。木の葉が揺れる。私の顔や身体にやさしく触れていく。
ついつい目を閉じてドゥーザに身体を預けてしまう。......モンスターが近づかない。プレイヤーも来ない。ゆったりと休憩できる。やってしまうのは仕方ないと思う。数分ほどここでぼーっとしていると足に何かが当たった感覚がした気がして目を開けて足元を見てみるも何もない。あれ?気のせいだったかな。
また目を閉じてここの自然を堪能しているとまた足に『ぺしっ』と何かが当たったんだけど?改めて目を開けて足元を確認するけどやっぱり何もない。草はもともとあったし誰かがいたとしたらドゥーザが反応するだろうし、あれ?
今度は目を開けて足元に注目しながら休憩する。......ドゥーザが反応してないしなぁ。何だろう?そう思いながら観察していると足元にある草の1本?1束?がぴょこぴょこ動いているのが分かった。......なんだろうなんて言えばいいんだろ?ほうれん草の葉みたいな葉っぱが不自然に動いている。
しばらく待っているとその葉っぱが私の足をぺしぺし叩いた。......ドゥーザの方を見てみると嫌な顔をしていた。しかも器用に前足で耳を折りたたんでいるし.......じゃあうん、引っこ抜くのは止めておこう。けど水なんて持ってないしなぁ。葉っぱを撫でるくらいで止めとこ。
識別をしてみると【ミニマンドラゴラ】の表示が。......これは引っこ抜いちゃダメな奴だな?絶対抜かないからね?......さて、どうしようかなぁ。どうしようか迷っているとウルフたちがまたやってきた。徘徊してるのか。敵意は無いようだしいいかな。
さて、どうしようかなぁ......なんかもういいかなって。リンゲル森に来ていろいろ採取しようと思ったけど休んでたらなんか......もういいかなって。ラビちゃん召喚してモフモフしてればいいんじゃないかな?帰りたくなれば帰れるしもういいかぁ。
背中にドゥーザ、前に寝てるラビちゃん。足にミニマンドラゴラという意味の分からない布陣でもう動きたくない。いや、なんかもうミニマンドラゴラもゆっさゆっさ揺れてるだけで害がないものでもう気にもならない。ウルフたちは既に徘徊に戻った。
......串焼きを二本出してその一本をドゥーザに差し出す。嬉しそうに前足で抑えて食べるのはかわいい。私も一本食べる。うんやっぱり美味しいなぁ。さぁてどうしようかなぁ。まだ時間あるんだよなぁ。ん~~まぁ何もしなくていいか。採取しても結構すぐに復活するし、そこらへん採ればいいでしょ。
そうして私は偶に採取それ以外はモフモフを楽しんでいた。よし、戻ろう。ラビちゃんを送還しいつのまにか寝ていたドゥーザも送還し、ミニマンドラゴラを撫でて帰路につく。
自分のAGIに物を言わせて猛ダッシュで走っているとすぐに門が見え始める。図書館行ってログアウトするかぁ。そうして私は門番さんに止められることなく街に入り図書館に入り、司書さんに仮眠室を借りてログアウトをするのだった。あ~そうだ、あれしようあれ、調合しよう。携帯用の物も貰ったし作って売るかな。
ログアウトするといつも通りにアイさんがいる。
「こんにちはミーノさん」
「こんにちは、何かありますか?」
「いえ、ありませんでしたよ」
「そうでしたか......じゃあログアウトで」
「はい。お疲れさまでした。」
現実に戻ってきた私は頭から機体を外し、身体を伸ばした後に洗濯物を畳むために部屋の外に出る。夜は何をしようかなぁ。




