不満
起動すると、ログハウス風に変わった部屋に着く。この部屋は暖炉まで完備されていてパチパチという燃える音まで再現されている。しかもしかも、壁にあるガラス窓から外をのぞくと雪がチラチラと降っていたりする。しかし外に行くための扉はついていないので出れないのが少々残念ではある。
部屋を色々見て回っていてログインを忘れていた私。それを見かねたアイさんが
「ログインしないんですか?」
と言ってくれたのでログインをすることに。......しかし、今回も調合漬けになるのかな?楽しいけど飽きてくるなぁ。あ、しかも採取のスキル生えてくるかの検証忘れてたし、あ~師匠に聞いてみようっと。えっとログインが午後10時だから12時になったら教えてほしいと伝えると快く了承してくれた。
ゲーム内だと。何時だっけ?え~、午後6時?あ~フィールドには出れないなぁ。ウルフが大量に湧きそうで出たくないや。そう考えながら私はゲームに沈むのだった。目を覚ますとそこは師匠の家で、ソファーに寝っ転がってた。ソファーから身体を起き上がらせ、周りを見渡す。道具屋のお姉さんはもう帰ったみたいだけど、師匠は調合台で何か作ってる。邪魔するのも悪いとは思いながら話しかける。
「おはようございます、ししょー」
「む、起きたか。ふぅ、なら代わってくれんか?疲れたわい」
「えっとポーションでいいんですか?」
「あぁ、そうじゃよ。道具屋の娘は帰ったんだが心配での?」
「まぁ確かにそうですね」
私は師匠のいた調合台の前に座り、そこにある材料でポーションを作りながら話を続ける。少し前ではできなかったが少しなら話しながらでも作業が出来るようになった。成長だね
「じゃろう?......ところで小娘」
「はい」
作業を続けながら師匠に顔を向けると少し困ったような顔をしていた。一体どうしたんだろうか?そう思っていると師匠が隣に来て話し始めた。......何故か頭を撫でているけど気にしません。いつもの事です。
「今な?自由人の一部の奴らがイライラしていてな?様々な店に迷惑をかけているそうだ」
うっわぁ......何をどうしたらそうなるのか、もしかして攻略がうまく行っていないのかな?だとしても八つ当たりするなんて......あ~だからポーション類がなくなってるのかな?う~ん。PSが無い人たちがやってるのは確かだし、多分疑似攻略組なんじゃないかな?ユーカとハイドに確認してもらおう。ハイドは攻略組じゃないとは言うけど、実際は分からないし。けどいい話じゃないなぁ
「もちろん一部の奴らということは分かっているのだがな?」
「ギルドで一騒ぎした話は聞きましたが.....まだまだあるものですね。」
「あれが大きく騒がれたからのぉ」
私は調合台でポーションを作りながら師匠と話をする。しかし、ノートのスキルは欲しいし鑑定スキルも欲しいし、採集スキルも欲しい。う~色々欲しいなぁ
「はぁ、それでの?儂の家にな」
「はい」
「自由人をあまり良く思ってない奴が来てな?」
「はい.....はい?」
いるとは思ってたけど。ゲームとしているだろうなぁとは心の隅で思ってたけど、いるんだ。むぅ
「ま、そ奴も素行はあまりよくないがの」
「えぇ。」
「まったく、自由人が来て数日と言うのにこの騒ぎはのぉ」
「確かにそうですね」
「ま、一応気を付けるんじゃぞ?」
「はい!」
「うむ、いい返事じゃ......あ、そこをもう少し摩り下ろしたほうがいい」
「はい」
そこから2時間ほど、ポーションを作り続けていた。出来た数は180本ほど、そこで師匠は今日はもう終わりだという。もっとやりたい気はするが、無茶しちゃダメとも言われたので大人しく止めることに。しかし、師匠に
「ま、出来たのは道具屋に持って行くのが良いじゃろう」
と言われたので私は師匠に挨拶をして出て行こうとしたのだが引き留められた。一体何だろう?
「ほれ、これでいつでもおぬしを呼べるわい」
〈NPC:ウィズよりフレンド申請が来ました。了承しますか?Y/N〉
「......分かりました。では今日は失礼しますね」
「あぁ、気を付けるんじゃぞ」
「はい」
まさかのフレンド申請でした。もちろん了承しておきました。そして私は師匠の家から出て大通りに向かい歩き出した。歩いている最中はユーカとハイドにメッセージを飛ばしておいた。そして今は午後8時過ぎ、あのおっちゃんはいるだろうか?一応師匠以外からも話を聞きたい。
大通りに出た私は、なんとなく首を傾げたというか不快感を感じた。むぅ、なんか嫌な感じがする。緊張感が高まっている気がする。むぅ、何かなぁ。嫌な感じ。いつもの場所に行ってみよう。もう店じまいしてるかもだけど。
いつもおっちゃんがいる場所にやってくると、あれま、先客がいるようですね。ついでです。串焼きの補充もしなきゃいけないし並ぼうっと。そう思い、近づくと話声が嫌でも聞こえるわけで
「だから!」
「はぁ......商売の邪魔だ。はよ退け」
「んな!」
「よう、嬢ちゃん」
こっちに急に話振るのな~。まぁいいけど。そしてこっち見た男性。にらみつけるなよなぁ。
「どうも、おっちゃん。とりあえず7本頂戴」
「くそがっ!」
あ、どっかいった。まぁいいか。負け犬みたいに走っていった。あ、ぶつかった。あ~見えなくなった。
「はぁ、まったくだな」
「ね~......正直関係ない人にまで飛び火してくると厄介」
「だよなぁ......ほれ、35ゴン」
「ん~、はい。」
「あいよ。ありがとな~」
「ん~」
少し話したくらいでおっちゃんと別れた。話聞けそうな感じでもなかったのでしょうがないかな。さて、道具屋行ってこようっと。一本だけ取り出して他はインベントリに入れる。そして私は道具屋までテクテクと歩いて行った。周りの視線がやっぱり痛くなってる気はするけど、ん~気にしても仕方ないのかな。
微妙に居心地が悪い中を歩く。何故か人が増えている気がする。.....ん~?なんだか嫌な予感がするなぁ。いざとなったらGMに任せるかなぁ。えっとGMコールを表示させてっと。なんとなく不安な気持ちになりながら私は道具屋に近づく。
道具屋の近くまで来た時、やはりというか何というか。う~ん。プレイヤーが多い気がするし、何かしら騒いでいるのか、声が聞こえる。う~ん。人が多いなぁ。そう思いながら少しづつ近づいていくと
「開けろ!」
だの
「くそが」
など、あとはもうひどい罵詈雑言が聞こえてくる。流石にこれはダメだと思い私は用意してあったGMコールの欄を押す。するとすぐさま天から光が降り注ぐ。うん、夜ってこともあるけど良く目立つ。そしてその光が消えるとスーツを着たおじさんが来た。しかも周りから、『あれ?社長じゃね?』という声が聞こえてくる。......わぁお。社長なの?へぇ
「さて、と。うんうん。これはGM案件だな。少々待ってな」
と言ってあの人混みを歩いて行った。え~何も聞かなかったけど大丈夫なの?そう思っていると何か後ろから視線を強く感じる。気になって振り向いてみるとそこにいたのは。あれ?喫茶店のマスターだ。あ、副社長、何してるの?
「どうも」
「今晩は、マスターさん。どうしたんですか?」
「騒がしくてな。流石に煩いのでな」
「あぁ、なるほどです」
それからしばらく喫茶店のマスターと話をしていた。喫茶店のお客は増えて繁盛しているそうです。けど回転率が悪いようで、頭を悩ませているとかなんとか。そして一通り話したところで帰って行った。周りはあの声に魅了されているようだった。
あっと、そうだった。ポーションを卸しに来たんだった。この人混みで忘れかけてた。けど、まだまだ人が多く進めそうにないのでインベントリから串焼きを一本取り出し待つことにした。ん~うっまい!でもそろそろ他の食べ物屋台を探さなきゃなぁ。
モグモグと焼き串を食べていると人混みの方からさっき呼び出したGM(社長?)が来て
「そろそろ、この騒ぎは収まると思うぞ?」
「お、そうですか。では、これどうぞ」
と買っておいた串焼きの一本を差し出す。キョトンとしていたけど素直に受け取ってもらえた。まぁそろそろ騒ぎが収まるって言うならしばらく待つことにした。何故か隣にGMがいるけどまぁいいかぁ。......親子かな?はっと頭に浮かんだ。が、まぁ違うので気にせずに待ってた。確かに人がいなくなってたのでお礼を言ってから届けて、ログアウトしよう。
「GMさんありがとうございました」
「ん?あぁ、気にしなくてもいいぞ。串焼きありがとな。それじゃあ」
そういうと、まぁた光が差し込んで消えていった。......目立ち過ぎじゃないかな?ま、いっかな。さてさてと、私はお届け物~っと
道具屋に来ると、人は完全にいなくなっていた。扉開くかな?と思い扉を開けようとすると、あっさり空いた。......あれ?と思ったけど中に入る。そこには道具屋のお姉さんとウィズ師匠がいた。あれ~?なんでいるんだろう?
「あれ、ししょー。なんでここに?」
「あ、この前の」
「なんでって、使いが来ないと言っていたから来たんじゃよ。何かあったか?」
扉を閉めて私はお姉さんの方へ。しかし、師匠?呼ぶならチャットなり通話なりあったでしょうに
「自由人の人が店の前を占領していたんですよ~......はいお届け物です」
ちょっとした事情を言いながら目的を言う。そうするとお姉さんは驚いているようだった。何か変な事言ったかな?さて、どこに出せばいいんだろう?キョロキョロと店内を見渡す。......品薄のようですね。
「どこにポーション卸しますか?」
「あ、店の裏にお願いします」
「はーい、失礼します」
店の奥へ進んだところでフレンドメッセージに着信が来る。まぁあの2人だろう。今は放置で、とりあえずインベントリからポーションを出す。ポーション12本で一纏めになっているようで、ありがたかった。ポーションをすべて置いたところで店先に戻る。まだ師匠と話していたようだ。
「はい、終わりましたよ」
「ありがとうございますぅ.......ふぁ」
「まったく、しっかり寝ろ。」
「ふぁい.....今回はありがとうございました。」
「じゃあ、師匠、私は図書館にいますので」
「あい、分かった。」
「では」
道具屋を出て、図書館へと向かう.....あ、そうだ。メッセージ来てたな。何だろう?......あ、うん。後で小言とか言われるなぁ。ま、私は落ちると書いて送っておしまい!よし、それで図書館に来て司書さんに仮眠室を借りて今回はログアウト。特にアイさんからも言われなかったので機体を頭から外し、メッセージが来てないかを確認し、今日は寝た。
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