お師匠様ウィズ
お師匠様になってくれたウィズは私を家に入れてくれた。家の中は外と見たときと広さが違うので「あ、なるほど」とつい言ってしまった。図書館と同じような魔法がかかっているのだろうということがすぐにわかった。そして部屋はきれいになっていて生活しやすそうな感じがした。
しかし部屋の隅には調合用の道具だろうか、色々と置いてある。私が道具屋で使ったちょっとした釜や瓶など様々なものが置いてあった。ウィズさんは私に座るように言い部屋に置いてあるソファーに座ったので私も失礼して座ることにした。ソファーは案外ふわふわで座り心地が良かった。
「さて、小娘、ポーションは作れるか?」
「はい。少し前に道具屋でお手伝いしましたから作れます」
「道具屋?......あぁ、死にそうではなかったか?」
「死んだような顔でしたよ。......流石に手伝いましたね。アハハ」
私もかなり頑張って作ったなぁ。......朝日が眩しかった。ふと遠い目をしてしまった。あれは大変だった。
「ならポーションは大丈夫そうかの。ま、それ以外の物はまだ作れていなじゃろ」
「はい」
「そうじゃな。ま、道具はそこにある。一回作ってみるんじゃな」
「はいっ」
そして私は師匠の目の前でポーションを作ることに。まずは水を入れる。沸騰させる。そこに微癒草を入れる。水の色が濃い緑になったら微癒草を引き上げて、瓶に詰める。これで完成。......あれ?なんかウィズ師匠の顔がおかしいぞ?んんん?仕舞には天を仰いでるぞ?
「あの、作りましたが」
「あ~そうか......う~む、調合レシピだとどう書かれていた?」
「えっと微癒草を最初に摩り下ろす。そのあと沸騰したお湯に溶かして瓶に詰めると」
「そうじゃ、それで正しいのじゃ。......まぁそうか微回復ポーションで足りるのじゃな」
「微回復ポーション?」
「そうじゃ調合レシピには書かれていないレシピじゃからな。」
「え?」
「そんな簡単なものは調合を持ってなくても作れるんじゃよ」
「え、そうなんですか」
「まぁそれでも調合士としての腕は上がるがの。」
色々と驚きましたよ。......確かに本に書かれていたのとは全然違うしこれであってるのかなって不安にはなったけどそれしか出来そうにないからやったんだだけど、レシピにない調合かぁそういうのもあるのかぁ。
「ま、儂としてはそのやり方はお勧めできんからな。まぁ手本を見せてやろう」
「お願いします」
私は場所を退いてウィズ師匠に場所を譲り、横からその光景を見ることになった。そしてその手際がかなり良かった、すり鉢で微癒草をゴリゴリと擦り、沸騰している水に入れる。少しかき混ぜた後に火を止め、瓶に移す。やり慣れているような手さばきで作っていくその様はかなり手慣れていた。
ん~やっぱり微癒草そのまんまとは違うのね。回復量としてはもちろんこっちのほうが高いんだろうなぁ。でも今だと回復量が過剰なのかな?いや、あって損はないよね?う~ん。まぁ効率としては茹でたほうがいいんだろうけど、う~ん。どうなんだろうね?
「ま、あの道具屋も量産しないと手が足りないということなんだろう。仕方ないさね」
「あれ?私、声に出していましたっけ?」
「ひっひっひ、まぁ気になさんなね。さて、やってみんしゃい」
「は、はい」
ま、まさか思考を読まれていたとは。ま、まぁいいか。私もやってみればいいのかな?ウィズ師匠に場所を代わってもらってやってみよう。手渡された微癒草をゴリゴリと......うん?これ難しいな。力加減が難しい。むむむ、葉っぱが完全に潰しきれない。茎も微妙に残る。む~~、これはう~ん。
「ひっひっひ、難しいじゃろ?」
「う、はい」
「ま、そんな簡単に出来たら調合士がいらなくなってしまうからのぉ」
「ですよね.......精進します!」
「ま、そうじゃな。コツならいくらでも教えたるから心配するな」
「はい」
そうして私はウィズ師匠にコツを教わりながら必死に回復ポーションを作った。時にはボフンと言って失敗することもあった。けど私は鑑定のスキルを持っていないためよく分からない。が、なんとなく失敗作だということが分かった。数時間が経って
「よし、今日はここまでにしようかの。」
「は、はい。ありがとうございました」
「なに気にするでない。また来なされ」
「はい。......今度は材料持ってきます」
「弟子が気にすることではないがのぉ。ま、ええわい」
「それじゃあ失礼します」
「そうじゃな」
私は挨拶をしたのちにウィズ師匠の家から出ていつもの図書館の仮眠室を借りる。いい加減宿屋を取れと言われそうだけど。まぁ、うん、ごめんね?あそこ誰も使わないからね~あはは。現実で0時に近づいてきたからね。そろそろ落ちておかないと。
そして私は図書館までこの前インベントリに入れた串焼きを食べ歩いていった。そしてインベントリの仕様は嬉しい時間停止付き。ありがたやありがたや。何回食べてもこの串焼きは美味しい!あっと、そろそろ到着する。食べ終えた串は勝手に消えるので楽ちん楽ちん。そして図書館に入り、司書さんに仮眠室を借りることを言ったら司書さんが
「調合の練習ですか?」
と話しかけてきた。もちろん小声で。
「はい。ウィズさんが師匠になってくれたので」
「ウィズさんが?へぇ、珍しいですね」
「そうなんですか?」
「えぇ、ウィズさんが「自由人は信用ならん!」とか愚痴をこぼしていたそうですから」
「え、そうなんですか?」
「ふふ、ウィズさんは色々特殊ですからね。あっとごめんなさい引き留めちゃって」
「いえいえ、気になる話も聞くことが出来たので大丈夫です。」
「ふふ、では」
「はい。また」
司書さんと離れて、さっきの言葉を思い出す。「自由人は信用ならん」かぁ。やっぱり何かあったんだろうなぁ。そう考えながら私は仮眠室へ。ベッドに寝転がってログアウトの操作を行う。フワッと身体が浮かぶ感じがする。そしていつもの部屋に戻ってくる。
まだ白い部屋のようで、こちらに気づいたアイさんが話しかけてくる。私は手でも振っておこう。あ、顔逸らされた。なんでだろ。まぁ日常的に起こるし気にしない気にしない
「んん、ミーノさんログアウトですね?」
「はい。ログアウトで。何かあります?」
「ん~~.....いえ、特にないですね。」
「分かりました。ではログアウトで」
「分かりました。ではまたのご利用をお待ちしています。」
またもフワッとした感覚が来て、私は現実へと戻ってくる。......ふぅ、結構遊んだ遊んだ。さて、寝よう寝よう。そして私はエアコンの設定を変えて寝始めた。
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