【海賊の宝島】6
ゲームのなかで睡眠をとるという珍しい行為を体験した私......しかし昨日どうやってここにきたんだろう?記憶にないんだけど。
朝のような日差しを受けて私は目を覚ました。キョロキョロと見回すといつもの私の部屋ではなく、かといって図書館の仮眠室でもないなんだろう宿屋?みたいな感じのする場所で寝ていた。隣にはユーカが寝ていた。......はて?
なんとなく昨日の仕返し(自業自得)に鼻を摘まんでやろう。寝ていると思われるユーカの顔に手を近づけ、現実とあまり変わらないそのパーツを摘まむ。「んがっ」という音がして手を離す。
そうするとユーカがのそりと起き上がり周りを見回している。ユーカは寝ぼけてるのか私のほっぺをむにむにと揉む。少しならいいんだけどそんなに力を入れられると痛いんですが。
「おひゃお」
「.....おはようミーノ。......ん?」
「ひゃなひへ」
「んぅ?なんでわたしはのぞのほっぺを?ん~?」
あ、まだ寝ぼけてますね。中学の修学旅行の時もこんなことがあったっけ。なんでか私のほっぺを揉み、真っ赤にさせられたっけ。......止める気ないな?ちょっと目覚ましをしてあげよう
「静電気」
「ん!......いた」
静電気を起こして強制的にでも目を覚まさせてもらったよ。そして手が離れたと同時に私はユーカから距離をとる。これが安全。
「ほら、朝御飯要らないの?」
「いる!食べる。......昨日はごめんね?」
「なにが?」
「あんなに盛況になるとは思わなくて」
「あぁうん。仕方ないよ。あれは私が悪かったし」
「ん、まぁそうだけど」
「とはいっても......食材もうないんだよね」
「えっ?!」
「昨日の夜に使いきっちゃった」
ストレージを確認してもなくなっている。......森と海岸に行って乱獲してくるかな。テウスたちはまだいいかな。寝てるかもしれないしね。
「じゃあ、わたしが狩ってくる!」
「あ、うん。分かった。あ、でも昨日さここにくるまで記憶ないんだけどなにか知ってる?」
「あ~うん。疲れてちょっと倒れちゃったみたいでテウス?だっけおっきい子が背中に乗せてここまで運んでたよ。」
「そうなの?後で誉めないとねっ!あとここどこ?」
「あ~、宿屋みたいなところかな。」
なんかユーカの顔が悩んでいるというよりなんと言うべきかを迷っている感じがする。本当にここどこなんだろ?セーフティエリアのなかっていうのは分かってるんだけども。
まぁ外に出てみれば分かることかな。思考顔しているユーカの服の袖を掴み部屋のドアを開ける。ドアを開けると廊下になっていて廊下を進み階段を降りる。
階段を降りるとそこは宿屋みたいになっていた。食堂がセットになっていていかにもな感じの場所。けど料理のいい匂いは漂ってこなくてちょっと混乱する。
「宿屋と食堂一体型なんだって。まぁ宿屋というより休憩所に近いけどね」
「へぇ......すごいね。たった数時間で建て終わるなんて」
「そうね。さて、じゃあ外に行きましょうか」
「うん。朝御飯狩ってこないとね」
外に出ると朝日がようやく昇り始めた感じでババントラの早朝を思い出す。違うのは町並みと人がいないこと。いや、いるにはいるんだけどぶっ倒れている人がたくさんいた。なにが起きたんだろうか?
「ねぇユーカなにこれ」
「イベントが始まる前にお酒を買っていたプレイヤーが大盤振る舞いした結果よ」
なるほど.......いやいや、おかしいでしょどんだけ持ち込んだんだよ!お金すっからかんだろうなぁ、そのプレイヤー。僅かに残るお酒の匂いがするなか私たちは東の森へと向かっていく。
......しかし、あれだね。戻したとしてもゲームの処理が働いているのか綺麗なのはいいことだね!うん!......そう言えばここに井戸ってあるのかな?あと二日酔いとか。......ありそうだけどもどうしようもないかなぁ。
「お酒臭いね」
「そうね......まったくよね」
「そうだね。......そうだ、ユーカは今回パーティメンバーの方とはやらないの?」
「あぁ、やるわよ。やるけど昨日はあんな感じでね。」
「はぇ~、お疲れさまです」
「ミーノの方が忙しくなるんじゃない?」
「調合?う~んどうだろう。瓶が無きゃ何もできないし」
瓶があれば出来ないことはない。でも出来れば井戸水なんかも欲しいんだよね。海水は無理だと思うからね。
ユーカと話ながら東の森までやって来た。さて、今回は何を狩ろうかなぁ。鹿鹿もいいんだけどシークラブでもいい気がするし、他のでもいいんだよねぇ。っとそうだユーカの服をずっと掴んでたっけ。そろそろ離さないと。
「ごめんユーカずっとつかんでた」
「そのくらい平気よ。さて、何を狩る?」
私とユーカは手当たり次第にモンスターを狩った。いやぁ魔法はいいね!威力が上がったし追加効果で相手の行動を麻痺にさせることもあるし!まぁでも昨日の亀みたいな奴が出てくると厄介だなぁ。
そして私たちは思う存分モンスターを狩った。これで今日の晩御飯まで持つと思うなぁ。




