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あ、これちょっとやべぇわ

気が付けばもう明日は遠征の日か。3週間ってけっこう早いな。結局俺はどこに遠征に行くんだろうか。

毎回聞こう聞こうと思いつつもいざその時になるとそのことをすっかり忘れているっていうね。


とりあえずやっとこの退屈な生活も終わりを告げる。毎日朝飯食って訓練してピアノ弾いて適当に暇つぶして

夜飯食って風呂入って寝るという退屈な生活を繰り返す必要がなくなる。もう少しで町のみんなのところに帰れるんだ。この一か月近くみんなには全く会っていない。みんな今頃どうしてんのかな。


明日に備えてもう寝るか。俺はベッドに入り目を閉じた。


え?訓練してた時の出来事は丸ごとカットなのかって?当たり前だろ‼あの日以降やってること毎回同じだもん!5日目くらいから「あれ、これ夢で見たな」と思いはじめ、その数日後には「あれ、俺の冒険ってループものなの?」とすら思い始めるくらい同じことが続いてたんだからそんなもんカットに決まってんだろ。


はいもう頭が痛いんで寝まーす。ぐんない。



そして朝いつもより少しだけ早い起床。いつもは静かな朝も今日は少し騒がしい。出発はまだ先のはずだったよな。今日はいつもみたいに走ったりはできないかな、みんなの邪魔になったら嫌だし。たとえ特別な日でも出来るだけ普段通りに過ごす、そうしないと人間いい結果が出ないとかなんとか。


軽い運動を終えて朝食に行くことにした。俺が間違ってなければ今日はすべての予定が1時間繰り上がっているはずだから多分やっている。


食堂に着くとそこはやっていないとは真逆、みんな飯食ってた。どこのテーブルもすでにいっぱいで

まさに「お前の席ねぇから!」と言わんばかりの状況だった。俺の席ねぇわ!


さてさてどうしたものか。


「おーいレイジこっちだ」


とどこかで聞いたことあるような声がする。

声の方を見てみるとそこには懐かしい顔があった。


「おーサディストじゃん」


「サディストじゃないサディスだ」

あれ?違ったか。

「お前も遠征行くんだろ。この遠征ってどこに行くんだ?」


「何も知らないで3週間も過ごしてたのか!?」


「本当に返す言葉もないっす」

サディスはやれやれとため息をすると今回の遠征についての説明を始めた。


「今回の遠征の目的はモンスターたちに乗っ取られた要塞の奪還と補強、周辺の調査だ」

マジかけっこう大ごとじゃねぇか。何でそんな大事なことを誰も説明してくれなかったの!?

ま、聞かなかった俺が悪いんだけどさ。


エリザベートが俺を呼んだのはこの要塞を取り返すためってことかな。きっとそれだけ重要で難しい作戦なんだろう。要塞を攻めるだけの戦力。それが軍団的な強さなのかそれとも単体の強さなのか知らないが

この世界に来て2か月にしてやっと『異世界転生チート主人公』なことができそうだ。


期待に胸を膨らませながら何もついていない目玉焼きを丸飲みにする。・・・俺、目玉焼きは醤油派なんだけどな。もう塩派に乗り換えようかな。




朝食を終えて部屋に戻ってきた。出発まではまだ微妙に時間がある。さて、この時間何しようか。

二度寝するには短すぎるしぼんやりするには長すぎる。みんなこんなに忙しいというのにベッドの中では未だエリアスがスヤーと寝ている。コイツついてくる気ないだろ。早くも相棒としても仕事を放棄しようとしている気がするんだが。


まあいいか連れて行ったところで面倒なことになるような気しかしないし。暇だし神器の様子でも見るか。ここしばらく使う機会がなかったからちゃんと扱えるか少し心配だ。今まで試した神器は4つか。名前がわからない剣(仮称 SF剣)、支配者の短剣そして大量のキャロリーメイトと水か。


まだ試していない神器が最低でも146はあるってことか。多いのは悪い事じゃないけど正直こんなにあっても使う機会は無いと思うんだ。アニメとかだってさ主人公が新しい技を手に入れたら古い技使わなくなるじゃん。


それってつまり1個強力な何かがあればもうそれで十分ってことだよな。これ残りの149個以上は宝の持ち腐れならぬ神器の持ち腐れになるような気しかしない。最悪の場合、神器そのものの存在価値がなくなるような気もする。


もういっそのこと剣を捨てて拳で戦う方向で行くか?

いや待て、でも神器を使わないと何故か嘘をついてしまったような罪悪感がある。俺は何もしていないはずなのに。


ハッ!メリケンとかグローブとか殴り系の神器ならいいのでは!?

それなら怒られないよね、それに神器使ってるから謎の罪悪感もないし。


「よーしもうメリケンで頑張ろう!」


「駄目に決まってるでしょう。そんなオモチャは」

ドアを開けてエリザベートが入って来た。すでに防具を装備しているのに何故かもう1セット銀色の防具を持っている。エリザベートは持っていた防具を投げてきた。


「あなたのよ。サイズは、多分大丈夫だと思うわ」

両腕両足と胸のところに銀色のアーマーをつけて感触を確かめる。少しだけ手足が重たいがまあ普段と変わんねえだろ。いいねぇ、ようやく冒険者っぽくなってきたんじゃないか?それっぽいアーマーつけて強い剣をもってモンスターたちを無双する。やっと主人公になれた。


「もうすぐ出発よ。準備して後で会いましょう」


「わかった」

さてさて主人公らしく旅に出ちゃおうかな。




えーと俺の配置は・・・けっこう真ん中のほうだな。今更知らされた隊列の配置を確認する。

よく見ると俺の配置の隣に1つだけ赤い点がある。おやおや~これダレナンダロウナー。

いや、言われなくても分かっている。この赤い点は絶対あの偉い人だろうね。


しかもよく見てみるとこの赤い点は白い点で囲まれている。そしてどういう嫌がらせなのかその白の中に1つだけ青い点が打たれている。この青い点が俺なわけだ。白っぽい点には白百合騎士団と書いてある。


「白百合騎士団?」


「ああ、エリザベート様直属の女騎士団だ。美人は多いが手厳しい奴らばかりのエリートさ」


あらやだ。これ女まみれの空間に1人置き去りにされてるってことじゃん。ナニコレ、嫌がらせかな。

今どきの若者はねぇ『女に囲まれてぇな』みたいなこと言ってるけどね、実際に囲まれたらもうそんな余裕ないから。寂しいし、マスカラの話とかされても男の俺にはわかんないから‼


てかマスカラってなんだよ!?振るとシャカシャカなる楽器だっけ?それとも緑色のブドウだっけ。

頑張っても「つけま」くらいしかわかんないよ‼

俺は一体何の話をしているんだろうか。・・・俺の頭の中ってけっこうカオスだな。

とりあえず決まってしまったものはしょうがない。孤独に耐えつつ頑張るしかない。




「それで、私の記憶が正しければ私が渡した防具はそんな見た目ではなかったはずだけど?」

少し苛ついた様子でエリザベートが言った。

俺が今つけている防具は一応さっきエリザベートにもらったものだ。ただ


「まあ、ちょっと魔改造を」


もらった防具はただの銀色の丸っぽい鉄製防具だったが、魔改造後は銀色に赤いラインが入り、形はちょっとごつくなったかな。素材も鉄よりも固い何かになった。これがたったの五分で簡単にできちゃうんです!

そう、この『ヘファイストスハンマー』ならね。


主な入手方法としては神に殺されて天使の愚痴聞かされて異世界転生すればおそらく手に入るから。

それがダメなら転生したときに「ヘファイストスハンマーくれ」って言えばたぶんくれる。

在庫があればだけど。


「エリザベート様、お時間です」

エリザベートはまだまだ言いたいことは沢山あっただろうが大きくため息をつくと表情を切り替えて言った。


「聞け皆の者‼我々はこれより怪物どもに乗っ取られた要塞を取り戻す‼行くぞ‼」


うぉぉおおおおお‼兵士たちが雄たけびを挙げる。そして行進が始まった。

城を出て、町の大通りを通って門の前まで来た。そして少しづつ門が開き、外の世界が見えてくる。


「レイジさーん」


呼ばれて声のほうを見てみるとそこには黄金の鹿のメンバーたちが手を振っていた。

懐かしい顔ぶれたちがいるせいで今すぐにでも帰りたくなるがその思いをグッと抑えて「じゃあ行ってくるわ」と手を振った。


遠征というのは大名行列みたいな堅苦しい行列ができると思っていたが意外とみんな気軽にしゃべっている。雰囲気的には学校の遠足に近いような気がする。そうなると女子に囲まれている俺はとっても気まずい状況ですねわかります。普通にしてればいいんだけど周りの人たち会話しているように見えてさっきから

俺のことチラチラ睨みつけてくるんだよな。


バレていないとでも思っているんだろうか。それとも気が付くようにわざとやっているのか。

どちらにしてもあまりいい印象を受けていないらしい。一体俺が何をしたというんだ畜生が。


そんな俺を睨みつけてくるエリート集団の中に1人だけナヨナヨした感じのメガネっ娘がいた。

他の奴らは俺を睨みつけてくるのに対してその娘だけはチラチラと俺を見てくるが睨んだりはしてこない。

そして俺と目が合うと「はわわわ!?」と目をそらして俯いてしまう。


他の奴らとは随分と雰囲気違うけどこの子は本当に白百合騎士団の1人なのか?


そう思ったとき行進が止まり前から兵士が走ってきた。

「エリザベート様、神の森に到着しました」


「よし、ロープの準備をしろ」


「はっ‼」

兵士はまた前列のほうに走っていった。そして俺は何が何だかわかんないうちにロープを受け取ってしまった。


「悲惨な死に方をしたくなかったら全員ロープをしっかりつかめ‼はぐれるなよ‼」

そう言ってうす暗い森の中へと入っていった。このロープはあくまで迷子にならないためのものらしい。

松明の明かりを絶やさないようにしながら森の中を進んでいく。


あたりを見た限り森の中には動物はいない。鳥の鳴き声もなければ風の吹く音すらしない。まるで防音室にでもいるような気分になる。パキッと枝が折れる音が聞こえて横を見ると奥のほうにぼんやりと何か見える。


猿?いや、なんだアレ。人間のような形をしているがそれにしては手足が異常に細く頭がピンボール並みに丸い。まるで棒人間みたいな見た目の生き物がカチカチと音を鳴らしながら四足歩行していたり二足歩行したりしている。




まあ、そんな感じよそ見していたらですね。


見事に迷子になりましたね、はい。それもさっきのメガネっ娘も一緒に。おかしいな俺確かにロープ掴んでたはずなんだけどいったいどうやってはぐれたんだろう。

このメガネっ娘も一体何故迷子になってしまったのか。


答えは簡単でした。

俺の持っているロープ、このメガネっ娘のと繋がってた。本来はみんなで長いロープを掴むことで仲間を見失わないようにするという簡単な工夫なのだが、どういうわけか俺のロープはみんなとはつながっておらず

このメガネっ娘と2人で50センチほどのロープの端を掴んでいた。


なにこれ恋愛漫画の表紙か何か?というかロープがつながってなかったとしても俺真ん中にいたんだから

迷子になるはずがないと思うんだけど。


ここでグダグダ言っていてもしょうがないので進むことにした。

「おい、お前大丈夫か」


「はっ!はい!大丈夫です‼」


「じゃあ行くぞ。ここにずっといたらやばそうだ」

っとその前に何かでお互いを見失わないようにしないと今度迷子になったら俺もこの娘もおしまいだ。


あんな行列でも迷子になったんだから

さっきのロープの両端を二人で持っていたら絶対に迷子になる。何か他の物は···無いな。

この娘も何も持ってなさそうだししょうがない。


「手、繋いで行こう」


「えぇ!?」


「あんなに人がいたのにも関わらず迷子になったんだから直接手繋いだ方が多分安全だ」


「うぅ、わかりました」

俺はメガネっ娘の手を取り歩き始めた。直接手と手が触れているわけではなく手甲同士で手を繋いでいるため少々変な感じがするがこうしていれば多分バラバラにならずに済むだろう。


松明の明かりを頼りにコンパスを見ながら進んで行く。


「これ本当に方向あってるんだよな?」


「正門が北の方角にあってそのまま真っ直ぐ進んでいたのであっているはずです」


メガネっ娘にコンパスを見てもらい、俺は松明で照らしながら前へと進む。片方がいなくなればその時点でもう生きる伸びることはできない。そんな危機的状況。


存在確認と不安を紛らわすために何か喋ったほうがいいのかもしれない。というよりそうしないと気まずさと沈黙に俺が耐えられない。


「そういえば自己紹介がまだだった。俺は」


「サカシタ·レイジさんですよね」


「何だ知ってたのか」


「白百合騎士団、というかお城の中では皆知ってます。『なんかすごい冒険者』だって」

自分でそう説明しておいて言うのもアレだけどフワフワした感じの存在でちょっと嫌だな。


「そっちは?」


「私はルイズ·クロード。白百合騎士団の1人です。以後お見知りおきを」


「ルイズか。しばらくの間よろしく」

そしてまた沈黙が訪れた。聞こえるのは自分達の足音と時折遠くで何かが枝を折るような音だけ。かなり歩いているはずだが未だ出口らしきものは見えない。


そろそろ松明も限界だな。確かランタンか何かがあるはず。

ランタンに火をつけて役目を終えた松明を捨てた。


「あの、レイジさん。聞いてもいいですか?」


「何だ?」


「レイジさんはどうして冒険者になったんですか?王国騎士どころか帝国騎士にすらなれそうなのに」

どうしてと聞かれると答えづらいな。


「うーん。成り行きかな。それに王国騎士とかになりたいなんて思ったこともないし」

というより今こうして言われるまで騎士という職業のことをすっかり忘れていた。

「成り行き、ですか」


「ある日、いろいろあって冒険者になって何気なくお姫様助けて、訓練に付き合わされて今に至る。って感じかな。普段は落ち着きを装ってるけど、いろんなことがありすぎて実は結構心配事も多いんだ」


「レイジさんにも心配事があるんですか?」


「ああ、母親と妹に何も言わずにここまで来たことがちょっとな」


「そうなんですか···」


「まあまあ俺のことはいいじゃないか。ルイズはどうして騎士団に?」


このか弱そうな娘が一体どうして、そしてどうやってこんなエリート騎士団に入団できたのだろうか。外見からすれば騎士というより村娘と言われた方がしっくりくる。とても剣を振るって戦うようには見えないが。


「私は父が元騎士だったんです。普通は長男があとを継ぐんですけど産まれてきたのは私で、私も父に言われるがまま騎士に」


「嫌じゃなかったのか?」


「わかりません。父の言うとおりにするくらいしか私にはできませんでした」


「そうか」


俺は何も言えない。「本当にそれで良いのか」と問うことも、「エリートになるなんてスゴイじゃん」と賞賛することも何も言う事はできない。それはきっと余計な事だから。ただ黙ることしかできない。


どこかモヤモヤしたところでようやく出口が見えた。

「やっと出口だー!」

ルイズと茂みから飛び出した。だが外はすでに月が登っている。


「あるぇ!?」

おかしいな俺らがここに来た時は朝だったはずなのに昼を飛び越して夜になってんぞ!?


「神の森は他とは時間の流れが違うらしいですよ」


「なにぃ!?」

近くに遠征隊はいない。どうやら俺らはかなり遅れているようだ。夜も遅いし早く合流しないと危険だ。


「今夜の野営地はこの森のちょっと先です。行きましょう」


今森抜けたばっかりなのにまた森はいるんですか!?

さっきよりは木と木の隙間が大きいから月明かりが入ってくるとはいえ暗いことには変わらない。


ルイズが「そんなに深くありませんから」

と一歩踏み出したとき見えた。月の光に照らされて光る銀色の矢が。


咄嗟にルイズを抱えて矢を避ける。地面に刺さった矢を見ると俺の靴底を少し削っていた。こえー。


撃ってきた場所はおそらく向かいに見える大きな木の上から。

またキラリと光った矢を今度は剣で叩き落とした。


「逃げるぞ!」

森の中に走って行った。この時は早く森を抜けて仲間と合流しようと思った。だが冷静に考えればわかることだ。森の中での戦いというのは普通とは違うことに。


何もない平原での戦いは平面上での殴り合い。将棋や囲碁みたいなものだ。だが森などの遮蔽物や大きな構造物があって、それを利用する奴がいたとすると戦いは平面上から立体上になる。


ようは高低差が出てきて面倒なことになる。矢を叩き落としながら進んで行く俺の横を何かが走って行く。

まずいな確実に追い込まれてる。これが俺だけなら無茶してでもコイツらを倒すだろうけど。今はそうもいかない。


走り続けるうちに完全に追い込まれた。囲まれていて逃げるにはちょっと無理がある。

木の葉の天井にポッカリと空いた大穴から月明かりが照らしている。俺らを追い込んでいたのはゲームとかでよく見るザコ敵の部類に入るモンスター。ゴブリンだった。


「ルイズ戦えるか?」


「私も白百合騎士団の1人、このくらいで屈したりしません!!」

ルイズはそう言うと剣を構えた。


「じゃ、やるとするか」

そして俺もいつもどおり剣を構えた。いつもより数が多いがただそれだけだ。


血しぶきが舞って緑色だった地面はあっという間に赤黒く染まった。地上にいるゴブリンとオークは剣で切りつけて、木の上にいる奴らは魔法で倒す。


いける、このペースなら全滅までいかなくても逃げ切れるくらいまで減らせる。


だがそこでゴブリン達の動きが変わった。今まで何も考えずに突っ込んできていたと思ったら俺の方に突っ込んでくるのがオークばかりになり、逆にルイズの方にゴブリン達が突っ込み始めた。


おかしい。前にオークやゴブリンと戦ったことがあるが強いオークを強い俺に、そして弱いゴブリンを()()()弱いルイズに

ぶつけて数で潰すという戦略を立てられるほど賢くはなかった。


「邪魔だぁぁああ!!!」

叫びながらオーク達を蹴散らす。俺のことはいい。問題はルイスが耐えられなくなることだ。ルイズのところに行きたいがオーク達が邪魔する。


数多すぎませんかね!?これ思ってたよりいるぞ。もう俺血まみれなんだけど!?ようやっとオークを全部倒し、ルイズの方を見ると

ゴブリンが1匹背後に回り込んでいた。


くそ!間に合うか!?


ルイズも背後の存在に気が付いて体をひねったが間に合わない。

ゴブリンの振り下ろした剣ががルイスに当たり血が噴き出した。



と思ったが倒れたのはルイスではなくゴブリンの方だった。


「レイジさんさっき私は『父の言うとおりにするくらいしかできない』と言いましたがもう1つできることがあるのを忘れていました」

ルイズはかけていた眼鏡を外すと続けて言った。


「私は···戦えるんですよ。あなたのように」

その眼は月明かりに照らされ紅く光っていた。































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