屋敷まで
先日、マリアンを送り届けた後セバスの迎えに乗り先に自分の屋敷へ戻った。
部屋に戻り、服を脱ぎ捨てシャワーを浴び頭を冷やし、余計なことを考えないように俺は寝た。
朝方父が俺の部屋に訪問してきた。
…なんでこんなやたらと俺の部屋に来たがるんだ…。
頭を抑えながら深いため息を付き扉を開けると、満足げな嫌な顔をしながら紙…多量の手紙を渡してきた。
「何だこれは」
「いや、別に、昨日お前達を帰した後、色々な方から声がかかってね。リオンの婚約者候補にと、沢山の手紙…縁談が来たよ。」
「はぁ…。馬鹿なのか?俺がマリアンと婚約者になったと決まったことを大々的に発表したのにか?」
「まあ、今現在まだ完全な婚約者ではないからね。」
「だとしてもだ、なぜ今頃になって申し込んで来るのか分からん」
「うーん、それはきっと昨日のお前が原因な気もするが…。」
「何が言いたい。」
意味深にニヤニヤしながら言う父を睨むと
「なんでもないよ。それより、マリアン嬢が今日休むはずだった授業をリオンとセバスがいいのならお願いしたいと言っていたと連絡が来たぞ。」
「……。分かった。セバス」
俺が声を出すと、すぐ後ろに現れ(畏まりました)と頭を下げ消えた。
「いつ見てもセバスチャンは良いね。リオン、父さんととこの執事と交換しないか?」
「断る。あいつは俺が見つけてきた奴だ」
「そうだよなぁ…。仕方ない。暗くなる前に帰ってこいよ」
父は手をヒラヒラさせながら俺に背を向け歩いていった。
(あ、そういえば、さっきラルフエルトス家の令嬢がリオンに合わせてほしいと来たが…。まあ、伝えなくとももう帰っただろうしいいか。)
父がそんな事を思ってるとはリオンは微塵も知らず
「…はぁ…。支度するか」
手紙は近くのゴミ箱に全て捨て…。
マリアンのもとへ行くための支度をする。
ーーーーーーー
馬車に揺られながら、不機嫌に外を睨むリオン。
馬車の中には、フィール・ラルフエルトスが目の前に座っているからだ。
何故女がここにいる…。
苛立ちながら隣にいるセバスを睨むと
「フィール嬢は何故この馬車におられるのでしょうか?」
セバスが聞くとニコニコしながら、
「それはリオン様に会いに来たのですわ、だってわたくし、リオン様の婚約者候補ですもの♡」
とか言い出した。
その言葉に俺は怒りと嫌悪が全身に回る。
俺は氷のような冷たい視線で睨みつけ…
その睨みに彼女はビクッと体を震わせ青い顔をしだしたが…
「に、睨まれても怖くなんかありませんわ!あんな小娘でも婚約者になれるのでしたら、同じ年のわたくしでも慣れますわ!ですからあんな娘は……っ!」
反論してくる。
だが言葉の途中であんな小娘とマリアンを貶す言葉が出た瞬間。
俺は更に睨みつけ相手を黙らせる。
「セバスチャンこの女をここに捨てていけ。」
「それはできかねます。」
「捨てていけ」
「彼女はラルフエルトス家のご令嬢です。下手に傷をつけるようなことをすれば、めんど…いえ、大変な事になります」
「ならここで、お前とともに降りて送っていけ。」
「それは無理でしょう。マリアン様の授業はどうするおつもりですか?それにもう少しでカーリヒルト家の屋敷に着きます。」
「………。」
俺は苛つき続けながらセバスを睨み続け深いため息をついた。




