㊾ 最後の手段
君は本当に嘲笑が似合うね
いつも、不意に、場違いなくらいに
けたけたと笑い出す
君のそれは思い出し笑いに酷似していて
【何を】
思い出したかは知らないけれど
それはきっと君にとって、やましいことなんだろうね
その笑顔は
まるで表情筋が使えていない
とりわけ君がよく行う「嘲笑」は
目の前で手にしている「幸せ」なはずのものを見つめて
それがあまりに君自身と不釣り合いなことに
ついつい笑うそれだね
君がどこまで、君自身のことを
大好きかなんて、考えたくもないけれど
そんな君には嘲笑しか似合わないし
【似あえない】
むしろ君ごときに
決して、できないとは思うけれど
幸せそうな、微笑みなんて
絶対に許さない