私と彼の出会った日
1話短めです。お仕事優先のため、不定期更新になります。思い付いた時に思いついただけあげていきます。ご迷惑をおかけいたします。申し訳ありません。
読んでる方にしか分かりませんが、雨の日請け合いますの彼女の行き先です。読んでくれた友達から彼女行き先は?と聞かれたので書いてみました。
「ねぇ、人に必要にされるためには……何が必要なの?」
打ち付ける雨の中、少女は“ソラ”に問いかけた。音をたてて地面を打ち付ける雨が豪雨と言っても過言ではない強さで彼女も打ち据える。それでも彼女は諦めなかった。まだあどけない顔に精一杯の強さをのせて問いかける。
「ねぇ、教えてよ!一体、何があれば、人は私を愛してくれるの!」
それは……
ー人に愛されることを知らない子供が最初に抱く疑問ー
「もう何もかもが嫌なの!」
人の言葉から自分を守る術さえ、教えてもらえずに生きる子供達が最期に抱く希望…………。
ー自分さえ、変われば愛されるのだと……ー
土砂降りの雨の中で、セーラ服を身に付けたまだ幼き少女は慟哭する。手足に出来たあざも、歪に切られた髪も全てが少女が異質なものだから与えられるもの。
ー人は異質なものを受け入れがたいのだー
一人、喚き続ける少女の前に立つ青年はただ無感動に少女を見下ろす。虚と名付けられた名前のそのままに……。
これは……まだ“ソラ”を創る事が出来なかった時の私の記憶。
ーそしてー
これはまだ私が私でなかった時の最後の記憶だ。