勝ち誇ると大体死亡フラグ
「ほえー、頑張ったなコレ」
ムゲンは自分のかかった罠を見てぼやく。
木に吊り上げられた網の中に、ムゲンは捕らわれていた。
仕掛けを見る限り、盗賊のお手製だろう。
盗賊兄弟はムゲンを見上げるような形になっているが、見下しているような視線を送る。
「おい、まずは武器をこっちに寄越せ」
「断るって言ったら?」
すると、背の若干低い盗賊が魔力の光を手に灯した。
「・・・うん、察したわ」
ムゲンは剣を背の低い盗賊に放った。
「・・・さァ、次は金目のものをーー」
爪使いの盗賊が声を放った瞬間だった。
「うわあああっっ!」
背の低い盗賊の悲鳴が田舎のヤンキーのようなセリフを遮った。
「?!・・・な、何が!?」
・・・其処には檻に閉じ込められている盗賊の姿があった!
「おい、何をしやがっ・・・って、アレ?」
ついでに網の中にいるはずのムゲンの姿は消えていた。
(ど、何処だッ?!)
全力で気配を探る盗賊。
彼等は森で育ってきた。それ故に気配を読むことは朝飯前だ。
しかしーー!
「おーい、何処見てるんだ?」
ムゲンは、盗賊の真後ろに立っていた。
「な、何故気配がーー」
「『上位雷撃魔法 【ライトニング】』!」
今回の盗賊の言葉をかき消したのは、上位雷撃魔法・・・まぁ、メ○ゾーマ位の威力と考えて貰って結構だ。
因みにムゲンが撃った方向は背の高い方の盗賊の・・・後ろにある、背の低い盗賊の囚われている檻だ。
「なっ・・・!」
「に、兄さん!」
・・・どうやら背の高い爪使いが兄の様だ。
「おーい、当たっちまうぞー?」
「クソっ!テメェェェ!」
檻の方向に、駈け出す盗賊。
その時、檻から突如巨大な『手』が生えた。
言うまでもないが『普通の』金属ならありえないことである。
「なぁぁっ?!」
そして、その手は盗賊に伸びてきた。
「・・・!」
あまりに突然の事が起こり過ぎて何も反応できない盗賊。
そして、ムゲンの魔法は巨大な手にぶつかり、消滅した。
ついでにその手で盗賊も捕らえた。
「ちっ、手間取らせやがってよ〜」
ムゲンは、足に絡み付いていた網の切れ端を転送魔法で、近くの木の枝に引っ掛けた。
そして、ムゲンは・・・
「さあ、レッツパーリィーだ☆」
ゲス顔でこう言い放ったのだった。
いや、お前その顔は12歳じゃねーだろ。
続く!