風の決意
「また例の盗賊が…」
「やだねぇ…なんとかしてほしいねぇ…」
あの頃、俺らの里にはよく盗賊が現れては物をとっていってた。
別にこの地域ではよくあることだった。
「なんとかしてほしいなら自分で戦えば良いのに」
彼女、リュナはいつものようにそんなことを言っていた。
「それが出来ないから文句を言うことくらいしかできねぇのさ」
「じゃあ私たちで倒しちゃう?」
「村長の娘にあるまじき発言だね…」
今日もこんな軽口を言いながら。
組み手したり。勉強したり。
こんな日々がずっと続くって。
思ってたのに。
「分かっておる…その分魔物は」
「安心しなぁ…分かってるよ」
夜中。村長の家には山賊の長。
そして。
燃やされる村。
引き連れられた魔物。
伸びる触手と──
*
「カイザ!」
誰の声かもわからない声で意識が戻った。
身体が軋んでいる。
いいぜ。
目をちゃんと開いて、目の前を眺める。
少し血を流したムゲンはこちらに一瞬、
「テメェが決めろ」
といった感じの視線を投げかけて、そのまま黒い風に突っ込んでいく。
ルスガは、明日も書類仕事とかあるだろうに、双剣を自らの両手よりも両手らしく振り回しながら触手を捌いている。
アザイはそんなルスガのバックアップをすべく、捌ききれてない触手を雷を纏った剣で弾く。
あの兄弟とマクナも似たような感じだ。
(カイザ!要点だけ今から言うし聴くわ)
頭の中にマクナの声が響く。
(貴方は彼女をどうしたい?)
そんなの。
決まってるぜ。
「全力で、救う!」





