過去の白と黒
久々に。今年最後の投稿かも…
「もう、全くあんたらは」
彼女。
黒髪の、風が似合っていた彼女。
そして、
「────あ」
燃える村。
逃亡。
刹那。
黒い手に引き摺り込まれて──
*
「カイザ!」
ハッとした時には、眼前に黒い触腕が迫っていた。
「ッ!」
咄嗟に屈んで回避しようとして、頭皮の一部ごと髪の毛を持ってかれた。
焼き削られるような痛み。
そして魔物の背後からはムゲンが。
「ぜぇぇやぁぁっ!」
巨大な鎌に変形させた剣を奴に振り下ろす。
「待…て…!」
無理な体制ながら咄嗟に叫んでいた。
彼の眉間に皺がより、腕の速度が鈍る。
が、それも束の間。
魔物がうずくまった、と認識した直後、
黒い風が周囲を蹂躙していった。
*
「ハァッ!」
「はい、私の勝ち〜!」
懐かしき、今は無き故郷の記憶。
「なんでカイザっていつもそれなの〜?」
「うるせぇ」
あぁ、村外れの原っぱでいつもこうやって、組手のような、じゃれあいのようなことをしてた、な。
「絶対大剣とか今時はやらないよ」
「流行りどうこうじゃねぇよ、好きだから使ってんだ」
「好みじゃなくて勝てるかどうかで使うべきじゃ…」
「んだよ、アザイもいたのかよ」
あの頃のアザイ、今とは大分違うな。いや、変わったというか、変わらざるを得なかったんだろう、というか。
「まだ俺の双剣の方が実用性はあるだろ」
「手数しか取り柄ないだろ!てかお前らまた一緒かよ!ルスガ!」
ルスガも、まぁ、変わったな。
そう、みんな変わった。
あの夜のせいで。
ルスガとカイザとアザイと…?





