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インフィニティ・ワールド  作者: Yamato
God Breaker
71/79

堕ちる。

『はい、ご苦労様』


 ムゲン邸の屋根上にて。


 ルスガはほぼ全身を鉱石へと変換されていた。


『さて、そろそろ頃合いだと思うんだけどね、ムゲン・シン』


 そんなオブジェ染みたルスガから目をそらし、ムゲンへと向き直る神。


「ふ、ざけんな……!」


『無限の魔力』を剣に宿し、半ば体ごとぶつける様にして斬りかかる。


『そうじゃないよ……』


 心底呆れたように言い放ち、ムゲンを蹴りの一撃で屋根から叩き落した。


 血反吐を吐いて地に這いつくばるムゲン。


 その様を見ながら、


『もっと追い込んだ方がいいか』


 と、呟き。


 いや呟き終わったかも怪しいタイミングで。


 ぶしゃあ、と。


 酷く間の抜けたように聞こえる、音がした。


 滝のようにムゲンの頭に深紅の液体が叩きつけられる。


「ッ!」


 咄嗟に顔を上に向ける。


 やけに鉄臭いそれが目に入って、歪んだ鏡のように視覚を妨げる。


 眼を擦り、それを拭い去ると。


 逆光ながらも見えたものは。


『こういうの、ダルマっていうんだよ。覚えておくといい』


 屋根の淵で首を捕まれ、四肢の代わりに鮮血の滝を纏う常盤色の少女の姿。


「デ、メェ、ッ!」


 潰れかけたのどから声を絞り出す。


『そこからはよく見えないだろうね。ほら』


 奴がパッと手を放す。


 重力に従い、熟れた果実か、はたまた処刑台から落下する首に縄をくくられた死刑囚の如く、地に向けて墜落してゆく。


「!!」


 咄嗟に体を滑り込ませ、クッション代わりに差し出す。


「ゥッ!」


 あまりの衝撃に声にならない声が出た。

 流石に運動エネルギーを殺しきれず、ゴム毬のように跳ねて床に滑り落ちた。


「マク……ナ!」


 這いずり、彼女に近づく。


「……ごめんね」


 弱弱しい声で、かすかに微笑んで彼女は──。

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