素晴らしき援軍
援軍って、いいよね。
「チッ!さすがは天使サマだぜ!!」
ムゲン邸、その屋根。
タクウ達と対峙する(堕)天使。
「前回と同じように易々と私を倒せると思うなよ」
いうや否や、空に光がほとばしり、数多の隕石がムゲン邸めがけて降り注ぐ。
「隕石魔法か!」
「私が全部斬る!」
空へ飛び立とうとする二人が口走った、と同時に。
「……お返しするわね」
10~20メートル級の隕石数十個が、進行方向を変え、速度を跳ね上げたうえで堕天使に激突した。
「流石はマクナさんだ!でも!」
無論、隕石如きでは天使は健在である。
「ふむ、魔力量の上昇幅が凄まじいな。天性の才能というやつか」
「どこかの誰かさんほどじゃ、ないけどね」
マクナが闘志を秘めた笑顔で言い切ると、天使の体が爆発した。
「みんなは近隣の皆様の救助をお願い。ここは私だけでなんとかなる……ッ!?」
言い終える前に、血を吐いて倒れるマクナ。
(してやられた!魔力の流入パターン的に呪術系の身体共有の一種ね)
「マクナさん!」
「大丈夫!『援軍』も来るから!!」
*
「うおおお風圧やべぇ」
「変に話すな!ベロ噛むっ、ぐえぇッ!!」
『敵影が見えた!』
「だからどうした!!」
「このまま突貫あるのみだろ!!」
『成程な!覚悟するがいい!』
「おいおいおいおいおいおい!?!?」
雲を裂き、爆炎で立ちふさがる魔獣を焼き尽くしながら、まっすぐに天使へと向かう巨影。
その様は凶悪でもあり、清々しいまでに、誇り高く見えた。
『さぁ、地に這え!天使よ!!』
「何ッ!?」
盛大な衝突音、否最早それは衝撃波となって周囲の低級魔獣たちを吹き飛ばした。
「おわぁっ!?」
「ぐおっ!!」
空中に投げ出される主人公と前章ボス。
ばっこーん、という音と共にムゲン邸の屋根に突き刺さった。
「えーっと……」
目の前で繰り広げられた寸劇の情報量の多さにさすがのマクナも苦笑い。
まあ、なにはともあれ。
「えんぐんでーす」
「やねからひきぬいてくれよ」
ここからが本番である。
いいよね、援軍。





