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インフィニティ・ワールド  作者: Yamato
God Breaker
64/79

幕開け

ルスガとムゲンは何を思っているのか。

「時空安定値、依然として低下中!」

「既に王国内部に多数の魔導生命体が出現とのこと!」


ミッドガル軍司令部本部に飛び交う報告と警告音。


「結界術式は!」

「ダメです!まるで効果がありません!」

「じゃあマニュアルに従って……」


軍本部の創設早々にして波乱の予感である。


同時刻、ムゲン邸。


「なんじゃありゃあ……」

「っ……」


ベランダから身を乗り出して王国を見渡すタクウとガンバ、そしてマクナ。


そこから見える風景は、凄まじいものであった。


空を飛び回る夥しい数の飛龍、巨鳥、巨獣の群れ。

物陰から溢れ出る形容しがたき、あやかしともののけ。

家屋を破壊して回る巨人やスライム。


そして何よりも。


「何か途轍もないことが起ころうとしてるのかもね……」


マクナが睨みつけた上空には。



「久しいな、人間」



あの(堕)天使と、他の天使たちが数多降臨していたのだった。


再び場所はミッドガル軍本部、最上階。


「ムゲン!どこに行く」

「あぁ?決まってんだろ、あいつら蹴散らしに行くんだよ」


さも当然と言わんばかりに即答すると、ムゲンはその場からワープしようとした、が。


僅かな閃光とともに、魔力が集まらずに霧散した。


「無駄だ。この部屋は私以外魔法を行使できない」

「……じゃあ、またあのエレベーターで」


ピシャリ。エレベーターの扉が閉まると操作盤はどこかに格納されてしまった。


「……」

「……」


沈黙。

が、それも僅かで終わり、


「何がしたいんだてめぇ」


ガンを飛ばしながら田舎のヤンキーのようにルスガに詰め寄る。


「お前は人類の切り札だと言ったはずだ」

「じゃあ暫くは犠牲が出てもお構いなしってか?」

「あぁ。その犠牲に比べれば──」


次の瞬間、ムゲンの蹴りがルスガの股間を捉えた。


「ッ!?」


飛びずさり、壁を背にしたルスガにさらに飛び掛かって距離を詰め、ショルダータックルが炸裂した。


「な、にを」


鳩尾を抑えながら地に伏すルスガにムゲンは剣を向ける。


「また俺を大量殺人者にしたいのか、テメェ」


心底呆れた目つきで見下ろすムゲン。


「お前は、」


何か言おうとしたルスガは拳骨を入れられ、再び地に伏した。


「俺は暫く他人を殺したい気分じゃねぇんだよ、見殺しも含めて」


「……」


うつ伏せから仰向けになり、ルスガはムゲンを見上げる。


(ムゲン・シンは、こういう人間なのか)


それは「やはり」とも思ったが、意外でもあった。


(人の心を知ったのか、それとも、知ってるように振舞っているだけなのか)


いや、そんなことはどうでもいい。いまするべき決断は


「まぁ、つまり、アレだ。人以外なら話は別だしな」


「勝手にしろ」


そこまで言ったタイミングで、ルスガはそう答えて立ち上がる。

ムゲンに、信頼のような、申し訳なさそうな視線を投げかけながら。


「冷徹なだけじゃねぇんだな、お前って」

「お互い様だろう」


そんなことを言いながら、ムゲンとルスガは最高指揮官室を後にした。


メンタル的に死にかけてるので投稿ぺ-ス遅れ気味です。許せ……

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