決別と始まり
この章もこれにて終幕。ルスガとムゲン、そしてアザイ。まだまだ理解には及ばず……
ミッドガル王国、ムゲン宅の客間。
あの革命軍の鎮圧から数週間が経った頃、ルスガが訪ねてきた。
「で、何の要件だよルスガ」
「ああ。単刀直入に言わせてもらう。ムゲン・シン」
そう言うと、一枚の紙をムゲン達の前に差し出した。
「えっと、これは……?」
ルスガの来訪という意外な出来事に(呼ばれてもないのに)揃いも揃っていた連中のうち、真っ先にそれに反応したのはガンバだった。
「お前たちを王国軍にスカウトしたいという──」
「断る」
ムゲン、即答。
「……何故?」
「しゃらくせぇからに決まってんだろ」
ムゲンはそれだけ吐き捨てると
「帰れ」
そういうや否や席を立ち、部屋を後にしてしまった。
それを見届けたルスガは視線を他のメンバーに移し、
「……一応聞かせてもらうが」
ムゲンがダメならばせめて──
「俺も性に合わねーからパス!」
「そもそも僕たち元々犯罪者だしね……」
レブ兄弟、ムゲンに続き拒否。
「私も、ムゲン達どうこう以前にそういうのはちょっと……ね」
困ったような、寂しそうな笑みを浮かべたマクナも部屋を出ていった。
「……アザイ」
最後に部屋に残ったのはアザイとルスガの二人のみであった。
「私、は」
言葉に詰まる。
詰まってしまった。
ムゲン達と歩むか、ルスガと歩むか。
「少し、時間をくれ」
「そうか」
今はそう答えるのが、精いっぱいであった。
*
「ふむ、そろそろ頃合いかもしれないね」
時空の最果てにして、中心。
何物にも認識できるはずのない無と有が混ざり合いながらも、交じり合わぬ、矛盾と混沌、そして秩序によって構成された空間。
すなわち神域。
「頃合い、とは」
かつてムゲンが屠ったはずの天使が、「その者」に今の呟きの意を問う。
「彼が私の意に沿う者になるための、テストといったところだ」
神域の主、神王はそう言うと、爽やかに、厭らしく笑った。
大分不穏な、今一つスカッとしない終わり方になったこの章。だからこそ次の章はきっと……





