救い
夏休みですかいつも通りモチベと文章力が無いので短文投稿です
「よぉ、どうだい?初めて負けた気分は」
意識が回復して早々、神経を逆撫でする声がムゲンの耳に飛び込む。
「……じぶんがよわくていやになった」
半ば夢見心地、現実を受け入れ切れずにいながらも、ポツリとそう呟くほかなかった。
未だに脳天から流れ出る鮮血が何よりもその事実を語っていたから。
周囲の大人達が騒ついている。
医者を呼べ、だとか。
いや回復魔法が先だろ、だとか。
あの男を取り押さえろ、だとか。
でも、それより、そんなことより。
俺の心の中には恐怖が、巣食っていた。
自らより強い者への恐怖。
戦うことへの恐怖。
つまり、敗北と、その先にある避けられない死への恐怖を。
✳︎
「……ふむ」
時は再び現在、昼下がり、ミッドガルド島の荒野、革命軍対王国軍の戦場に戻る。
「確かにお前はその時に敗北を知った訳だ」
読心魔法か、それともいつの間にか口走ってたいたのか、ムゲンの召喚獣を名乗る巨龍は彼の思考に介入してきた。
「だがお前は決定的な部分が常人と異なりすぎる」
そのことを些事と言わんばかりに、俺の事を相変わらず見下ろしながらそんな事を宣う。
けれど、次の質問はある意味、決定的なものであった。
「何故、周囲への助けを求めない?」
刹那、頭が空白に満たされた。
だが自然と次の瞬間には答えは浮かんでいた
「俺は弱い、けど、誰かに助けを求められるような、存在じゃ、ない」
人の姿をした人外である故に。
詰まるところ、自分の事しか見えてない。
見ざるを得ない。
だから、それで、故に。
「……それが何よ」
ポツリと、誰かが何かを言った。
そして、爆ぜた。
「そんなの、そんなことは、『私だって同じだった』のに!!!」
嗚呼、そこに居たのは、かつて自分が救われた、否、救ったのか?
どちらにせよ、腐れ縁のある少女が吠える姿であった。
✳︎
彼女も、ある種の人でありながら人でなしであった。
人外ではないレベルに踏みとどまっただけである。
その生まれついて持つ魔力量、それは最早観測不可能な天文学的数字。
そんな彼女とムゲンとの違いとは何か。
親?性別?性格?
否。それらは副次的な要素でしかない。
もっと根本的な、決定的な違いがあったのだ。
それは、
「でも、私はムゲンに救われたんだよ……」
救われたか、救われなかったか。ということだった。
✳︎
血の繋がりなき父と母、兄、弟、妹たち。
つまり、家族。
それらはマクナにとって拘束具のようなものであった。
どうあがいても逃れられない。
いかなる魔法を行使しようとも。
そもそも魔法を仮にも私を養ってくれている彼らに使うなど持っての他。
自分から人外になりにいくようなもの。
いや、元から人外のようなものなのだから。
もう、そんなことは気にせずに。
いっそのこと。
そんなことを考えていたいつかの夜。
「マクナっておまえ?」
「あなた、だれ?」
「おれは、ムゲン!」
あの出会いは確かに私にとっての救いであったのだ。
個人的に欲しい救いは金銭面での救いです。ヘルプミー!!!





