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インフィニティ・ワールド  作者: Yamato
R/awakening
53/79

真なる強者

生活リズムが昼夜逆転してます。助けて


「マク…ナ…ッ!」


剣を振り上げるムゲン。


しかし、それを振り下ろすことはかなわない。


「……クソッ」


マクナは、彼女こそは、ムゲンの唯一の。




「全く、聞いて呆れるわ」




どこからともなく響く、聞きなれぬ声。


と、次の刹那。


爆音と熱風、閃光が周囲を蹂躙した。


✳︎


「何が起きたァ!?」

「分からない、けど!!」


真っ先に行動したのは、これまた先のムゲンの攻撃に巻き込まれたタクウとガンバだった。


砂埃立ち込める爆発の中心部に迷いなく飛び込み、


「破ァ!」

「『旋風魔法(ウィンド)』!」


それを吹き飛ばす。


その眼前に映ったものは。




「ふむ、流石に庇ったか」



天を貫くが如き角。


如何なる愚者であろうど知性を感じざるを得ぬ瞳。


穢れを一切知らぬ白き鱗。


天を抱えるが如き両翼。 


そして、体長は僅か10m程だと言うのに、この世界すべてを見下ろさんが如き威圧感。



「ワ、ワイバーン……!?」

「今こいつ人の言葉で話したぞ……?」


威風堂々。


大胆不敵。


それら言葉すらも霞むが如き『圧倒的な強者』



「──ここまでこの大バカ者について来た敬意を評し、我に名は無いが、せめて『我が在り方』を名乗ろう」



そう呟くと、大きく息を吸い込む。


「オイオイオイ!」


「ちょっ……!?」




『我こそは』

 



再び暴風、否、巨龍が発した音圧波が周囲の雑兵を吹き飛ばす。




『ムゲン・シンが召喚獣、即ち──』




「ぐぎぎぎぎぎ」

「うぉぉぉぉぉ」

「ッッ!!」




必死に耐えるムゲン達、及びその周囲の一部の猛者達を脇目もふらず、咆哮する。




『始祖の巨龍である!』



✳︎


ムゲンの前に仁王立ちする始祖の巨龍、もとい召喚獣。


「召喚獣、です、って?」


それを見据え、息も絶え絶えにマクナが呟く。


召喚獣。召喚魔法を行使する事で現れる使い魔とは一線を画す高位の存在。

各地に召喚獣に関するさまざまな伝説、伝承があるが、それらには共通する点がある。


曰く『それを呼び出した者は世界の変革者である』と。


しかし。


「……ふざけんな」


一言呟いたと同時にムゲンは巨龍、己が召喚獣に斬りかかる、が。


『戯け』


巨龍の背後から暴風が吹き荒れ、即座に地に叩きつけられる。


『貴様如きが我に敵うと思うたか?』


「黙れ!」


「ムゲン落ち着いて!アレは君の」


ガンバの言葉すら無視して再び巨龍に飛びかかる。


『他愛もない』


今度は巨龍の拳が一瞬にしてムゲンを遥かに彼方へ殴り飛ばした。


ムゲンは転移魔法で再び巨龍の眼前に。


それを再びねじ伏せる巨龍。


ムゲンが絶叫しながら襲いかかる。


それを巨龍がいなす。


斬ろうとする。


蹴り飛ばす。


爆破しようとする。


ブレスで吹き飛ばす。


殴りかかろうとする。


尻尾で滅多打ちにされる。



その様はまさに、児戯に等しかった。



「あ…っ、アァッ」


瞬く間に蹂躙されたムゲンの声はかすれ、もはや無様な吐息を漏らすのみ。


それに対して巨龍は心底つまらなさそうに、溜息混じりにムゲンを見下ろす。


『全く、お前とその仲間達の今までの旅は何だったのだ』


愚痴のようにこぼす巨龍を、睨むことしかできないムゲン。


「テメェにムゲンの何が分かるってんだ!」


皆ムゲンと巨龍の間に入らなかったにも関わらず、空気を読まずに外野から飛んだタクウの言葉と鉄拳。


『分からない、わけではない。何故なら』


その言葉と共に巨体は消え、タクウの拳は宙を切る。


そして、全員が呆気に取られた。



「ショウカンジュウってオレのことだからナ」



先程まで巨龍がいた場所には一匹の珍妙な生物……キリューがおり、とんでもねぇ事を口走りやがったからだ。

ドラゴンってやっぱいいよね……

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