表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
インフィニティ・ワールド  作者: Yamato
R/awakening
48/79

お前の血は何色だ

モチベの事しか書けなさそうなので以下略

「死ぬかと思ったぜッッッッ!!!!!」


 ムゲンが看護室に担ぎ込まれてから半日後、盗賊兄弟が率いる特攻隊…もとい最前線に出ていた脳筋連中が戻ってきた。


「よく戻った。被害は?」


 ソルガがその一報を受け、タクウ達に声を掛けに来た。


「魔術師組はほぼ全滅。それ以外の連中も瀕死だったりしてるから…」


 ガンバが状況報告をしながら気まずげに後ろの隊員達に目をやる。

 数百名いた最前線組達は一気に数を減らされ、僅かに100数名といったところだった。

 さらに言えばそれもけが人を含めての人数である。

 無論、タクウとガンバも生傷と鮮血に塗れていた。

 しかしそれでもここまで気力を持って帰ってこれたのは、ひたすらに今までのサバイバル生活での経験が活きたと言えよう。


「了解。迅速に治療させよう。君たちも休むといい」

「あざーっす!ムゲンに会いに行こうぜガンバ!」

「ちょ、兄さん手当てしてからだよ!!」


 ドタバタと砦の中へと駆け込んでいくタクウ達の後ろ姿を微笑ましく見守った後、視線を砦の門の上へとやる。


「ルスガ。どうする?」

「…どうするも何も『彼』が再起出来るかにこの戦争の勝敗はかかっているでしょう。それほどまでに全体での状況自体は拮抗している」


 苦笑いしながらソルガはルスガに手招きをして、門から降りさせ自らの近くに座らせた。


「全く、お前は拾ってやった時から変わらんなぁ」

「そうでもしないと、生きていけないので」


 表情を変えずに即答した少年に、男は憐みと慈しみが混ざった顔を向けることしか出来なかった。


 ✳︎


 石造りの救護室のベッドの一つにムゲンは横たわっていた。


(いや、まぁ、人間は初めてだけど、これでも天使殺した男だろ?俺)


 だと言うのに、何故か連中を殺した時の手触りが忘れられない。

 ついでに言うと、なんてあの時自分は意識を失ったのかも分からない。

 幻惑が解けた影響か、あの時の感覚も本来の手触りと近いものになっていっていた。


(…ま、やることは変わらねーよ)


 ため息を一つつくと、ベッドから身体を半ば強引に引きずり起こし、手早く着替えると剣を手に取り、戦場へと再び歩み出した。


 ✳︎


 戦場は変わらなく、夜も昼も朝も常に地獄絵図であった。

 そして昨日のムゲンの一件を振り返り、ルスガは指示を部下に下しながら考察する。


(情報が余りにも向こうに漏れている)


 切り札(ムゲン)も、その切り札の運用も、さらにその妨害方法もバレている。


(…やはり「アイツ」はこの戦争に関わらせるべきではなかったか)


 結団式の刹那、ムゲンとともにいた銀髪の少女。

 露骨にこちらから視線を逸らしていた彼女。


(生きて、いたのか)


 どうしようもなく、記憶の奔流が溢れ出る。


 燃える村、黒い空、響く絶叫。

 あの地獄から生還したものは、まだ残っていた。


(…あぁ、分かっているとも)


 そう、生き残りはいる。

 彼女と自分「以外」にも。


(もしアイツ…アザイが敵の長を知らないのなら…)


 それはそれで幸せなのかも知れない。


(今は祈ることしか出来ない、か)


 敵の長こそ、もう一人の「生き残り」であったことを知らないでい続けることを。


 ✳︎


 …ルスガ、お前は知っていたのだろうか。

 聡明だったお前は。


「よぉ、久しぶりだなアザイ」


 怒り、喜び、悲しみ。

 止め処なく感情が溢れる。


「…何故…何故だ…!」

「そんなの決まってんだろ〜?俺の性格は『昔から』知ってんだろ?」


 あぁ。その笑顔も久しぶりに見た。

 心の底から愉快そうな笑顔を。


「この俺『カイザ・クーダ』は、八つ当たりと暴力が大好きな村一番のクソガキだってなぁ!」


 血の様に赤い瞳に、夜空の様に黒い髪。

 残虐と闇の塊の様な男がそこにいた。


 ✳︎


「っダラァァァァァァァァァ!!!!!!!」


 もっと殺させろ。


「ひ、ひいっ」


 非戦闘員か。まぁいいや殺そう。


「ど、うして…」


 いやまぁ、なんとなく?

 てか「どうして」ってそれ俺のセリフだし。


「どうして…こんなに…ッッッッ!!!!!」


 斬り殺せば殺すほど頭の中にクエスチョンマークが飛び交う。


 …あっやべ、血で滑って剣落とした。


「この化け物がァァァァ」


 まぁいい、マクナの身体強化魔法がまだ効いてるから心臓目掛けてぶん殴ってやれば──。


「ガハァッ」


 うるせぇ、黙って死ね。


 脳天に魔力を流し込んて爆破。

 まるで西瓜の奴に赤いアレとかコレとか撒き散らして敵は死んだ。


「ったく…」


 剣を拾い、敵陣に目をやる。


 恐怖と怒りと…もう数えるのもめんどくさくなるレベルのネガティブな感情が渦巻いてる。


(原因は俺だけどな)


 さて、取り敢えず雑にインフィニティ・スラッシュ辺りぶちかまして一掃するか。


 手に力をこめ『無限の魔力』を錬成…ありゃ?


(……出来ない)


 ふざけんなッッッッ!!!!!!!!クソが!!!!!!!!!!!!!


 八つ当たり気味に敵陣に雷を纏わせた剣を投擲する。

 耐え切れなかった連中が空に打ち上げられる。


 その時俺はなぜか唐突に嘔吐したが、そんなことどうでもいいので、拭わずに前に怒号をあげながら突撃。


 拳と脚で敵を引き裂き、千切り、砕き、絞める。


 タクウとガンバがこの光景を見たら何と言うだろ『知ったことかそんなクソどうでもいいこと!!!!!!!!!!!』



 ムゲンは最早怒号ではなく、悲鳴を上げながら敵を屠っていた。


 きっと、眼前に真紅しか無ければ、他の考えたくない事を考えずに済むのだろう。

血と言えばですけど、うなぎの血に毒があるって知ってる人意外と少ないですよね…目に入ったら失明不可避だから気を付けようね!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ