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インフィニティ・ワールド  作者: Yamato
R/awakening
46/79

魔法戦争

トリックオアインフィニティ・ワールドということで、なんとかならんだろうか。ならんよね、うん。

「ここは今後も狙われるだろう。なので俺が独断で警護しに来た」


正確に、的確に結界を強化しながらルスガは淡々とムゲンに自らがここに赴いた理由を告げた。


「いやアンタ単機でバカ強かっただろ、先陣を切れよ」

「今回はあの堕天使を倒した強者がムゲンを含めて計4名いる。ならば一人抜けても問題はない」


その話を聞いたムゲンは、


「あっそ」


酷く冷めた目でそう言い放った。


✳︎


一方アザイ。彼女は敵の居城にワープと気配遮断を駆使する事により潜入する事に成功していた。今までの彼女の経験が活きたと言える。

肝心の城の内部はいかにも古代中世的な外観とは違い、内部は機械的な回路や歯車がひしめく仰々しい構造となっていた。


(兎にも角にも他人と合わなければ話が進まない)


暫くは道なりに歩いていたが、


「おい」


声。背後。男性。中年。

ここで戦うのは出来れば避けたい。

振り向きながら、懐に忍ばせておいた短刀の柄に手を掛ける。


「お前、新人か?なんでこんな所にいる??」


武器、簡素な両刃剣。

体格、やや大柄。

顔つき、敵意なし。


「ごめんなさい。迷ってしまって」


声音を少し高め、気弱そうな表情に切り替える。

下手に身構えれば不信感を煽る。

最小限の動きで手を短剣の柄から離す。


「ったく、新人教育が雑過ぎるぞアイツら…お前、此処がどんなところか分かってるのか」


こちらに歩み寄ってくる。


「此処はなぁ、ウチらの総大将のいる総司令室の近くのーー」


無鉄砲になるべく城の中心部よりにワープしたかいがあったらしい。

それだけ聞ければ十分。


「『お前は何も見なかった』」


アザイが呟くと、前方の男はふらりと立ちくらんだ。


「んぉぉぅ…?んあ???」


男が正気を取り戻した時、そこには誰も居なかった。


✳︎


「僕たち、本格的に敵陣に入ったみたいだね…」

「こっからが本番か!いいぜ!!やってやらぁ!!!」


ガンバとタクウは最前線にて道を切り拓いていた。

現状タクウとガンバの周囲では数百人の猛者達が陣形を保ちながら敵の本陣へと突っ走っていた。


「あの城、想像以上にデカいし、高度も高い…侵入するのにも一苦労だな」

「口より手ェ動かせ!敵にドラゴンライダーまで沸き始めたぞ!!!!ふざけてんのかあの革命軍!!!」

「取り敢えず中衛以降はまだ無事だ!!このまま突っ走ろう!!」


怒号が飛び交う中、ガンバはある事に気づく。


「…敵に勢いが無い…?」


たしかにドラゴンライダーや調教された魔物といった大物もちらほら沸き始めたが、攻撃を仕掛けるというよりかは牽制の動きの方が多い。


本陣に近づいているのにも関わらず、である。

しかし、敵の魔力反応はしっかりと前方にーー


『!?』


その場にいる全員が感じ取った。

敵の本陣、空に浮かぶ城の中から一気に反応が消えた。

まるでその場から飛び出したの様にーー!


「マッッッズイ!!!!!!!!」

「奴ら、『裏』に回ったのか!!!」


そう、敵の魔力反応は遥か後方、ムゲン達のいる本陣の背後へとごっそり移動していた。

慌ててタクウの近くの若い魔術師がワープを発動させようとしたが


「うごっっっ…」


ムゲン達がメツ盗賊団のアジトで掛かったのと同じ、妨害結界が既に張り巡らされていた。

しかも、


「おい!…畜生ッ!!」

「即死か…!」


脳幹破壊による即死トラップのおまけ付き。


「魔術師を先に潰しに来たのか…!?」


戦争において、それもこと白兵戦に於いて真っ先に重要視されるのは「いかに奇襲できるか」

奇襲の成功とは、即ちローリスクハイリターンな勝利に繋がるからである。

そして魔法、特にワープという格好の奇襲手段が存在するこの世界において、それをいかに潰し、いかに成功させるかに戦争の全てが掛かっていると言っても過言ではない!!


「チッ、しゃーない身体強化を使ってなるべく早く戻るぞ!!」

「でもこの敵陣から…?」


敵が牽制を中心とした動きをしているとはいえ、此処は敵陣のど真ん中。さらに言うと、此処まで駆けて来るまでに多くの魔力を消費していた。


「しかもこの結界…少しずつ強まってる」

「今度は念話魔法使おうとしたヤツがやられたぞ!!!!」

「僕たちを、確実に潰しに来てるね…!」


しかも牽制攻撃の飛び交う中でのこの状況である。


「うごっっ…」


ある者は結界の解析中に敵兵の魔術で肺を撃ち抜かれ、


「く…ぁ」


ある魔物遣いは敵の魔獣に首を掻き切られた。


「…兄さん!!!!」

「……ウラァッ!!!!!!!!」


タクウとガンバも背中合わせで敵を始末していたが、帰還と通信の手段、仲間達を失ったことで気力に限界が見え始めていた。


✳︎


「後方に魔力反応…ねぇ」


後衛から中衛へと移動していたマクナは、敵の大量ワープを少し妙だと考えていた。


(こんな大規模なワープ、しかも魔力反応を遮断してない…)


魔力反応は遮断できる。魔物を狩って生計を立てるモンスターハ「それモロ版権ワードだから控えて」

…もとい、魔獣ハンターなどが使う魔法の一つだ。

しかし、それをしないで後衛にワープしてきたのは何故か。


(陽動…?)


しかしそれにしては今ひとつ掴めない。

このタイミングで陽動をする意味とは。


(直接確認するしかないか…)


脳内で術式を構築すると、マクナは後衛へと自らの片目の視線のみを後方へと飛ばした。


✳︎


その最後衛。王国城壁間近の所にいたムゲン。


「なぁるほどね…」


突如後方から聞こえた轟音に振り返ってみれば、そこにいたのは…


「あれが…ムゲン・シン…?」

「どうしよう…」

「迷ってる場合かよ!あいつを殺さないと私たちが…」


前方のムゲン。

後方の城砦。

そして挟まれたのは、数百名の革命軍の志願兵達だった。

志願兵。つまるところ闘いの素人達。

おそらくは大半が少し訓練を受けただけの元農民、元学生、元役人その他etc...で構成されているのであろう。


「えー、取り敢えずお前ら、何???」


騒つく彼らに小学校の遠足の引率の教師の如く声を掛けるムゲン。


「お、俺たちはか、かっ、革命軍のぉ…」


一人の若者が声を上げたが、ムゲンのどこはかとない威圧感に気押されたのか押し黙ってしまった。


「はぁ…」


ムゲンはため息を漏らすしかなかった。

久々のムゲンのなろう主人公ムーブが書けて楽しかったです(小並感)

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