表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
インフィニティ・ワールド  作者: Yamato
R/awakening
43/79

目覚めの時は未だ遠く

新章、お待たせいたしました!!!さぁ!!!読め!!!!

命の重さ。

命の価値。

言い方は数あれど、人は人の命に対して価値というものを感じている。

しかし、日常生活の中においてそれを実感するのは難しいだろう。

そう。日常の中において、ならば。


己が業から。

己が魂から。

目を背けるな!!!!


インフィニティ・ワールド第3章


  ←→

〜R/awakening〜



✳︎


ミッドガル王国はさながら平安京の様に道が縦と横に交差しまくっている。

そして王宮へと繋がる中心部の道は大通りと呼ばれ、人々が常に行き交っている、


そんな大通りをすこし歩き、南西方向の小道に入り、ひたすら歩いて行くと、やや急な坂がある。そしてそこの坂を登りきった小高い丘の上には、ザ・御屋敷といった感じの分かりやすい洋風(この世界においては異なる単語を用いて表すが、読者への説明としてはこの表し方が一番分かりやすく手っ取り早いのでこれを用いる)の三回建ての屋敷が存在している。


話の流れで察したと思うが、これが先のメツ盗賊団壊滅とアザイの確保で得たムゲン達のこの王国における家である。


✳︎


「……えー『ミッドガル王国はミズガルズ大陸中心部に位置する、巨大な結界による城壁で守られた魔力技術大国。30年ほど前に堕天使による襲撃を受け、国ごと占拠され一時は国家の存続が危ぶまれたが、約3年前、なんと当時12歳の少年少女によって撃退された』と」


ムゲン・シンはウスイ・ベム村より転送されてきた大量の学校の課題をキリュー、マクナと共に処理しながらやや薄暗い部屋で、朝食後の平和を謳歌していた。


ちなみに課題内容は主にミズガルズ大陸の現状のレポートである。

つまるところ、読者への設定解説のチャンスなのでここからは暫くお付き合い願おう。


「そう。そして『その12歳だったの少年少女は二年後、14歳の時に当時ミッドガルから出発する商隊を震撼させた、銀髪の少女剣士を確保、そして彼女の私情に付き合う形で巨大な犯罪シンジゲートたる『メツ盗賊団』のリーダー『メツ・ダッ』を討伐』」


マクナ・メリッツ(メガネ装備)。淡々と自らの課題を片付けながら、ムゲンの課題も手伝っている。その圧倒的優等生ムーブ、マクナちゃんマジマクナちゃん。


「続きは『その後、盗賊団の残党はミッドガル軍により大方が確保されたが、一部のメンバーは最近ミズガルズ大陸各地にて破壊活動を繰り返し、世界王家討伐を目標とするテロリスト集団『革命軍』へと引き抜かれた模様。現在ミッドガル軍が対応中』みたいナ感じでいいと思うゾ」


竜の精霊、キリュー。最早便利なマスコットキャラみたいな感じの立ち位置だが未だにムゲンにつきまとっている。曰く、「いつかオレに感謝することになるゼ」とのこと。

ちなみに彼らが作業しているのは、二階の中サイズのリビング。いやリビングにサイズの概念があるのが少々おかしい気もするが、この屋敷にはいかんせんリビングに相当する空間が多過ぎるためこう呼称せざるを得ない。


「そういや他の連中どうしたんだ?」

「タクウ君とガンバ君はいつも通り庭で組手。アザイちゃんは」

「いつもみてーに散歩に行ってるのか」

「そ。だから私たちもいつも通り課題やっちゃいましょ」


そう、いつも通り。これがムゲン達の新たな日常。


「なにもかもがいつも通り、か」


ポツリと呟いてみたが、マクナは再び課題に集中しているし、キリューはどさくさ紛れに何処からか引っ張りだしたスナック菓子(最近巷で流行り。穀物類を潰して固めたモノ。恐らくムゲンが自分で食べるために買ってきた)を食い散らかしている。


うん、後でキリューパシらせよう。


そんな事を考えた後、再び課題用紙との睨めっこに戻ったムゲンであった。



「ん?アザイちゃん、どうしたの?」


夕食時、中リビングに集った仲間達に、アザイはいつも通り表情一つ変えずにムゲン達に一枚の紙……この世界における新聞を突き出した。

ちなみに食事を作っているのは専らガンバとマクナである。趣味も兼ねているので不満はないのだとか。


「『革命軍とミッドガル軍、いよいよ激突か』ねぇ」

「あぁ。革命軍はかなり戦力を掻き集めているらしい。流石に見て見ぬフリをし続けるのは無理があるのだろう」


ムゲンは嫌なモノを見たと言わんばかりに顔をしかめて、テーブルの上のパスタと肉料理を自分の皿にとって食べ始める。

そんなムゲンに習うように各々が席について食卓を囲む。


「私なりに考えた結果、だが」


ムゲンが取ろうとしたサラダを横から掠め取りながらアザイがポツリと話す。

ムゲンは軽く舌打ちをしたあとに手元のスープを飲み干す。


「これは私たちの力を見せつけるチャンスだと思う」

「はぁ?」


ムゲンは思わず飛龍肉のサイコロステーキを取り落とした。

それはタクウが素晴らしい反射神経でテーブルに落ちる前にフォークに貫き、あっという間に口の中。


「うっめ!」

「兄さん少し黙ってて」


アザイはいつもの事だと言わんばかりにスルーしながら話を続ける。


「ムゲンの持つ『無限の魔力』はこの上ないミッドガル王国における最強の兵器だ」

「兵器って……」


マクナが複雑な顔をして黙り込む。アザイの言い方も強ち間違いではない事に聡明な彼女は気付いている。

アザイは淡々と話を続ける。


「革命軍を手っ取り早く抑え込むには丁度いいし、何より最近は他の国も堕天使の襲来以降浮き足立っている」

「他の国へ対しての戦力の誇示になるってことか……」


堕天使の一件はムゲン達のあずかり知らぬところで大事になっていっていた。

ムゲンたちの世界ではエルフやドラゴンといった存在は認知されているものの、天使は伝説上の存在としか考えられていなかった。

そして天使の存在が確認された事でさまざまな架空の存在とされていた幻獣等の存在が改めて考えられる事となったのだ。

下手をすれば「人類 vs 神話級の存在」という構図すらあり得る事態になってきていた。


「そして今回の一件で他の国々を抑え込んでいる世界王家に何かあればコトだろう」

「簡単に言ってくれるなぁオイ」


げんなりした顔でコップの中の水を飲み干すムゲン。


「奴らの狙いは世界王家の住まう島に向かうことの出来る『グランドゲート』だろう。連中の狙いは王家の討伐らしいからな」

「オイ、スルーかよお前」


ミッドガル大陸から少し離れた孤島、そこに世界王家は住んでいる。だがそこには強固な結界が張られており、普通の侵入手段はとうてい効かない。

が、ミッドガル城にはそこへと至る為の魔法のゲート…『グランドゲート』が存在している。


「この連中による進撃を長引かせても被害が増えるだけだ」

「かといって、俺たちがわざわざ出張る必要性ないだろ」


ムゲンを射抜く──どころか剣で貫くかの如く見つめるアザイ。

ムゲンは嫌な顔一つ、というか嫌な顔しかしないで話を有耶無耶にしようとして──この前の出来事を思い返す。


(またコイツ一人で突っ走りかねないな)


この思考に至った瞬間『一人で突っ走って勝手にくたばってくださるのは別に構いはしないが、それでまたマクナやその他etcに非難の目を向けられるのは正直面倒臭い』という、極めて独善的かつ自己中心的な理由が出来上がってしまった。


つまり、だ。


「……わーかーりーまーしーたー」


そしてムゲンが了承した事により、他のメンバーが了承するのは最早時間の問題でしかなかったので省略。食後のデザートである柑橘系の果物を全員食し終える頃には全員参戦が確定したという事は記しておく。


✳︎


その日の深夜。3階の寝室前廊下にて。


「でも意外だよね、アザイちゃんがあんなこと言い出すなんて」

「意外も何もあるか。どうせこれから大量に出てくる戦争孤児と自分の境遇重ね合わせてるだけだろ」


吐き捨てるように言い放つムゲンにムッとしながらもマクナは「それもあるのかも」とぼやく。


「それにしても革命軍、かぁ」


突如として現れた世界王家打倒を掲げる過激派集団、革命軍。それは瞬く間に数々の世界王家関連国に攻撃を仕掛け、より多くの人員を掻き集めて巨大組織と化していた。

彼らは世界王家を倒し、何処を目指しているのだろうか。


「全く、そんな連中ほっといてもどうとでもなるだろ」

「……とことんムゲンは意地悪だよね」


ジト目で睨みつけられたムゲンは肩をすくめ、何も答えずに手をひらひらさせて寝室に入っていく。


その背中をマクナはただ見つめるだけだった。

学校とバイトとゲームが忙し過ぎてモチベがマイナス振り切れてます。たすけて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ