はじめてのおつかい
「あーあ……」
ここは村の門から出て約3時間の所。ムゲンの目の前には見渡す限りの平原。太陽はカンカン照り。
そして何よりも
「イラつく程蒼い空だぜ!コンチクショー!!」
澄み渡る青空。偶に飛竜かそれとも魔物かが横切っていく。
(この大声に反応して、魔物でも襲ってくりゃ暇つぶしになるんだけどな)
中々に物騒な考えを持つムゲンだった。
そして数時間後。
(確か、こっちか)
おもむろにムゲンは磁石を取り出した。
「本当にこっちで合ってるよな?」
今ムゲンは、マクナが行った村の方向へ歩いて行っている。しかし、その途中にムゲンが「いつか一人で行きたい」と思っていた場所があるのだ。
(焦ってもいいことねーからなー)
彼がその場所に一人で行きたいと思っている理由、それは前から流れていたある噂が理由だった。
それは盗賊の兄弟。
4〜5年前あたりから村の北西にある森に現れるようになった兄弟の盗賊だ。
しかし、たかがお世辞にも大きいとはいえない森の盗賊が何故ここまで話題にあがるのか?
その理由は彼らの「強さ」にあった。最初の方は「たかが盗賊程度」だと思われていたものの、
名だたる隊商の用心棒が次々と倒されてからは一変。「あの島といえばあの盗賊の兄弟」というのが挨拶のようになっていた。
(さーて、と)
そして、ついにムゲンの目の前に暗い緑をした森が現れたのだった。