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インフィニティ・ワールド  作者: Yamato
疾駆する銀光と鳴り響く剣戟〜雷の彼方に〜
36/79

再びのヒロイン

「おー」

「『おー』じゃないっつーの!!!!」

スダボロの宿屋前に包帯ぐるぐる巻きのムゲン。

海よりも青い顔で頭を抱えたガンバ。

どっから買ってきたのか、下等龍肉の串焼きをムカつくほど美味そうにパクつくタクウ。

そしてーー鬼の形相のマクナ。

「勝手にミッドガルに来たと思ったら、勝手に大騒ぎ起こして…!!ほんっっと…!!」

マクナは手を空にかざし、複雑な文様を描く。

次の瞬間、そこには巨大な火炎球がーー

「落ち着いてぇぇぇぇ????!!!!!!」

「マクナさん!!せめてせつめ、弁明だけでも!!」

「っ!んまいなぁ!!これ!!!」


『ぎゃあああああああああああ………』


レッツ、エンチャントファイアー。


「さて、どうしましましょうか…」

包帯に加えて身体中に真っ黒に焦げ目がついたムゲンは最早新手のクリーチャーの如き姿であった。

それを横目に見ながらマクナは今後の身の振り方を考える。

「?どうするも何も、ムゲンはウスイ・ベム村に戻るだけじゃあ?」

「うん、そうしたいのは山々なんだけどねガンバ君。貴方達、ここで銀髪の女の子と戦ったでしょ?」

「おう!すんげー強かったぞ!!」

満面の笑みを浮かべながら答えるタクウに冷たい視線を送りながらマクナはこう続けた。

「その時にアンタ達、とんでもない被害出してる上に、元々指名手配扱いだったあの子逃してるじゃない?」

『あー…』

そう、アザイは一応指名手配犯という扱いになっている。しかも、あの後死体や魔力の痕跡等も見つからなかった。

つまり、彼女はムゲン達から結局逃げおおせたのだ。

「さすがに王様はあの性格だから貴方達を咎めなかったけど、他の大臣がうるさかったらしくて…」

「…嫌な予感が」

そう、こういう時にこの手の王様が下す判断といえばただ一つ。

「『ムゲン・シンとその仲間がユラワ・アザイを捕らえられば、今回の件ば不問にする』って、城の前の掲示板に出されてたわ」


情報収集の為にムゲン達が赴いたのはこの前の不法傭兵酒場。

しかし、そこでムゲン達に周りから向けられる視線は明らかに変わっていた。

「おい!勇者様一行のご来店だぞぉ!」

「あの銀髪のメスガキとやりあって生きてんだろ!?!」

「あ!テメェ女作りやがったのか!!?ガキのくせして羨ましい奴だぜェ!」

周囲から飛んでくる賞賛の大声はさながら津波の様。

「うっわぁ…なんでブレイドさんこんな所知ってたんだろ…」

引いてるマクナを余所目にムゲン達はそそくさと酒場の主の元へ向かう。

「おやっさーん!いるかぁ!!」

カウンターの奥からのそのそと出てきた主はニヤリと笑いながら、一枚の紙を差し出した。

そこには大量の写真と地図が書き込まれていた。

呆気に取られるムゲン達。

それを確認するかの様に見つめたあと主は。

「取り敢えずこの『メツ盗賊団』を追ってけば多分、ユラワ・アザイの目的からにして出会えると思うぞ」

とムゲン達が知りたかった事を言ってのけた。

「えっ、あっ、はい…?」

「おおー、耳が早い」

「流石おやっさん!」

裏の世界は表よりも情報の行き交いが早い。格式張った手続きや面倒な規則が無いからである。これがブレイドの重宝していた理由の一つであろう。

「いやいやいや、なんでアイツの目的とか、その他諸々知ってるんですかおやっさん????」

ムゲンは目を白黒させながら疑問を投げかける、が。

「…これ以上は追加料金ってヤツだ。一文字につき50000Gな」

「クソ!これだから大人ってヤツは!!!!」

あっさり逃げられ、ムゲン達は大人しく店からツカツカと出て行かしかなかった。

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