精霊の(為に)守り人
蒼天、咆哮、三人組の人間。
「ムゲン!頼むぜ!」
「応!」
空から飛竜が駆け下りてくる。
すると、ムゲンとタクウは二手に分かれて走り出した。
「な、何をするつもりなのさ?!」
走りながらガンバが問う。
するとムゲンは・・・
「ちょいと本気、出すぜ!」
誰もが『今まで何してたんだ』とツッコミたくなるセリフを言いやがった。
「お、動きが変わったナァ」
キリュー、未だ高みの見物。
眼下ではムゲン達が二手に分かれて、何かをおっぱじめようとしていた。
「マァ、せいぜい楽しませてくれヨ」
ムゲンは唐突に地面に剣を突き刺す。
「よし、ココでいいか」
「で?どうするの?」
地面に突き刺した剣を握りしめながらムゲンは一言。
「このままここに突っ込ませる」
「・・・え?」
すると、タクウがこちらに駆けてきた。
「おおおお!ムゲェェン!!」
そして、その背後に現れた巨影。
滑空してタクウを追いかけている飛竜が、こちらに翔けてくる。
「・・・3」
しっかり、柄を握りしめる。
「・・・2」
衝撃に耐える為に、姿勢を整える。
「・・・1」
風圧を強く感じたーー!
「・・・マァ、ソノ・・・スゴイネ」
辺りには、鉄線が張り巡らせてある。
さらにバラバラの肉片。
そして・・・
「スゴイヤ」
「ソーダナー」
「ウン、スゴイ」
物の見事にへばったムゲン達が寝転んでいた。
「流石にあの戦法は疲れて当然だぁ・・・」
ムゲンは己の剣を鉄線に変換、そこにドラゴンを突っ込ませ、ゆで卵切り機の原理でバラバラにした訳だが、前にも触れた通り、ムゲンの剣は無限鉱石で出来ており、剣から鉄線というサイズ差が大きい変換をした為、魔力を一気に消費したのだ。
因みに、タクウがへばっているのは純粋に全力疾走したためで、ガンバがへばっているのは精神的緊張感が解けた為である。
「・・・マァ、流石に認めざるを得ないネ、ウン、君達のネ、実力をネ、ウン」
かくして、『龍の精霊 キリュー』を仲間に加えることにムゲン達は成功したのだった。
・・・こいつ、ムゲン達が勝てると思ってなかっただろ。
ある洞窟。青緑の髪の少女が結界魔法陣に向けて魔力を込めつつ、祈祷を捧げていた。
「・・・」
目には光は無く、さながら機械の様に祈っていた。
彼女こそ、ムゲンの幼馴染『マクナ・メリッツ』である。





