第一話
氷野八尋…この物語の主人公
二千十一年四月十二日の記憶を失った少年
何故か命の危険が迫った時の記憶がすべてない
俺は今、昼一時二十三分発の電車に乗ったところだ後にこんな電車に乗らなければと何度も後悔することになる。こんな電車に乗らなければ父が死ぬことはなかったのかもしれないから。
電車は利用客が少なくて人があまりいなくて席の半分以上が空席になっていた。俺は空いている席に腰かけて父を凝視していた。何故、俺がこんなことをしているのかそれは20分ほど前まで遡る。
俺の父親、氷野渡が自宅にあまり帰ってこないので、渡が浮気をしているのではないかと結論にたどり着いた俺は渡を今日一日だけつ尾けてみることにした。母親の千秋は人を疑うということを全くしない性格なので渡の帰りが日に日に遅くなっていったのにも気が付いてもいないだろうと俺は、勝手に思っていたがやはり千秋は気が付いていないようだった。俺は電車を利用するのだからお相手は遠い所なのだろうと渡を実ながら思っていた。だが違ったようだった。渡はすぐに次の駅で降りてしまった。渡が降りた場所は――――駅だった。商店街を歩いていき渡は突然、右にぐるりと道を曲がった渡を見失なわないように急いで渡を追うと渡は警察署の中に入っていきました。警察官に渡は声を掛けていた。初めは、落し物でも届けにいったのだろうと驚きもしなかったが自身の考えていたことが全然違っていたことを思い知らされた。警察官に「やっぱり氷野―――は違うな」「さすが氷野―――」
とか言われているのだ。俺の耳が正しければ、今、あの警察官はケイジといった。
処女作なのでよろしくお願いします。
誤字脱字を気軽に教えて頂けると大変助かります。
短いですがよろしくお願いします。