937話 なんて逆転現象…。
「そもそも、君があんな格好をしてこなければ話は早かったんだが…。」
「も、もうその話は良いでしょ!?今はあの人達を倒す事が第一目標!!私は、絶対ムーン・ナイトとサン・フラワーをやりたいから、アガレスは王子達担当ね。」
私と影の精霊の会話と、ミユウさんとアガレスさんの…痴話喧嘩みたいな会話も終わった所で、ミユウさんが気を取り直す様に場を仕切りだした。(因みに、二人は小声で話しています。私が、コッソリ聴力強化して聞いてるだけです。)
…何で、一番後に来た上に、この場の空気を一番掻き回した人が仕切れるんだろう…って疑問は、私は仄かに感じたけど…まぁ、そこは人が持っている気質とかが関係しているのだろう。(それに、敵ながら仕切る人が居るのは有難い事だしね。)
「ムーン・ナイト!!貴女は、私が直々に相手してあげるわっ!!アガレスは、王子や王女達をお願い!!」
「…了解した。」
改めて、ミユウさんが大きな声で響かすように、私達に聞かせる為の様な感じでアガレスさんに命令した。…聴力強化を切るのが少しでも遅かったら、鼓膜がヤバかったかもしれない…あ、危なかった。
にしても…表の魔王が裏ボスを命令している…いや、別にあり得ない話ではないですけど…王子達、ドンマイです。後から、出来たら加勢に行きますから。
「さぁ、ムーン・ナイトっ!!サン・フラワーと一緒に掛かってきなさいっ!!」
「…はぁ、分かりました。サン・フラワー…申し訳ないですが、援護お願いします。」
「任せてっ!!この日の為に見つけた、超高威力の魔力砲を「後にも戦いが控えている場合もありますから、砲撃の威力は抑え目にお願いします。」ぶぅ…分かったよ。」
「その代わり、私に当たらなかったら弾幕張っても良いですから…。」
いや、本当はこれっぽっちも良くないけど…このぐらい言わないと、ルナさんのやる気なくなりそうで…ルナさんの援護なしでミユウさんに突っ込んでいくのは、ちょっと避けたかったし…。
「マジで!?うん、僕頑張る!!」
「あ、アハハ…頑張って下さい。」
まだ戦いは始まってすらいないのに…既にミユウさんに同情し始めた自分が居てビックリ…ルナさんの魔力コントロール、尋常じゃないからなぁ…そこそこの威力の砲撃で作られた弾幕でも、相当な密度になる可能性が高いしなぁ…本当に、ルナさんが敵じゃなくて良かったぁ…。
「咲き乱れ、舞い踊れ…チェリーブロッサム・ストリーム!!」
呪文にしてはやけに短い言葉(でも、普通に中二くさい)の後に…桜色の、それこそ桜の花びらサイズの魔力の塊が…桜吹雪より酷い密度と速さでミユウさんに襲いかかっていた。
流石ルナさん!!貴女も、こう言う時は期待を裏切りませんよね!!
「きゃっ!?こ、こんな高密度な弾幕を張れるなんて、聞いてないわよ!!」
「ふふん…避けたって無駄だよ!!貴女の顔や魔力は、さっきので登録したから…バッチリ追尾しちゃうよ!!」
味方ながら、スゲェ仕様ですね…思わずドン引きするぐらい。
「ウチの演算機能があって、初めて実現する技なんやけどなぁ…お嬢ちゃんが素で使おう思ったら、これの十分の一が限界や。」
「十分の一でも、私からしてみたら十分凄いですけどね…。」
「『十分の一』だけにか!!」
「その二つを掛けた気もないわバカヤロウ。」
まぁ、ルナさんだけに頑張らせるのも何か違いますし…私も陰ながら、お手伝いしませんと。
「この…きゃっ!?」
「逃げないで下さいよ、ミユウさん…私を倒すんでしょう?」
飛行魔法でミユウさんの所に行って、ルナさんの弾幕が当たらないのを良い事に…私は、ミユウさんに近距離戦を挑む事にした。…先天性加護を使うにも、ある程度集中しないといけませんから、集中させる暇を与えなかったら大丈夫かなぁ…って、さっき思いまして。
…言わせてもらえば、どっちが悪役か分からないなぁ。




