934話 最終決戦…の、前に。
某日某所(強いて日時を言うなら、休日の午前中)ある程度覚悟していたとは言え…始まりはかなり唐突に、しかも凄い衝撃でやってきた…あ、言わずもがな魔法少女モドキ的な意味です。
…ただ、この衝撃が物理的じゃないのが面倒な点なんだよね…。
「ここで、アナタ達は終わりよ!!」
相変わらず露出過多な衣装を身に纏った女性と、シンプルながらファンタジー仕様の服に身を包んだ男性が、こちらかはちょっと首を上げたら見える上空に現れて…女性の方が、が人によったら死刑宣告さながらの言葉を投げ付けられた。
いやまぁ、それ自体は予想できたから大した衝撃じゃなかったんだけど…問題は、その女性が身に纏っていた衣装。
結構コロコロ変わるタイプだとは思っていたけど、今日はよりにもよって下がミニスカート(しかもフレア)タイプで…そんな衣装で、風荒れ狂うこの場所、しかも上空に居るとその…察してください。
場違いな感想かもしれませんが…そこは普通、王道の水色と白の横縞柄のパターンじゃないんですか…中々大人っぽ過ぎるのを穿いていますね…黒か。…いや、私だって似たようなの持っていますが…私が着けるのと、この人が着けるのでは訳が違うと言いますか…あの女性、雰囲気的には清楚可愛い系な人なんで…どちらかと言ったら、白とかの方が似合うと思うんだよね…。(ふっ…こんなんでも、長年寮の大浴場に行ってないからな…女子の下着姿とかにゃ耐性あるよ!!)
「…あの、すみません。」
「ふふん…敵に命を乞うなんて無様ね、ムーン・ナイト。」
「いやその……こ、個人的には、アナタにはもう少し大人しめの方が、似合うと思いますよ?」
ううん〜、この言葉でこの人分かってくれたかなぁ?ああもう、マルコシアス王子はポーカーフェイス過ぎてイマイチ分かりませんが、コクマー王子は赤くなる時間すら与えずに固まっちゃってるし…コクマー王子って、意外とウブなんですねぇ…じゃなくって。
「あら、人に私の趣味をとやかく言われたくないのだけど?」
「服装じゃなくてですね…いや、『装い』ってカテゴリーだと、間違いないんですけど…。」
「いやにハッキリしないわね…ムーン・ナイト、言いたい事があるのならさっさと言ってくれない?」
ハッキリさせたくもないよこんな話題っ!!何、あんなプライド高そうな人に、パンチラしてると伝えろと!?パンチラって言うか…アングルの関係で、ほぼモロに見えちゃってるのですが…物凄く気まずい。しかも、身に付けてる下着が中々にアダルト路線だから余計に…ルナさん含めた女性陣も、微妙に居心地悪そうだ。
ああ…これが魔女っ娘モノだったら、下から見上げるのは女の子だけだから、堂々と指摘してもギリギリセーフだったんだけどなぁ…。
「…ミユウ。」
「何かしら、アガレス…って、何アナタの上着を腰に巻こうとしているのよ!!そうしちゃったら、この完璧な装いが…。」
「下からは、見えているのだろう。」
「だから、何が……っ!?」
あ、やっと気付いたっぽい…やんわり伝える辺り、そのアガレスさんって紳士だねぇ…で、全ての元凶はミユウさんって言うのかぁ…何と言うか、魔王を自称する割りには可愛い名前だな。漢字に直したら、ミユウにはどんな漢字が当てられるんだろうか…まぁ、今気にする事じゃないか。
「だから言ったのだ。今日は風が強いから、その様な短い丈のモノは危ないと。」
「だ、だって…最後ぐらい、可愛く着飾りたいじゃない!!」
「君と私に限っては、厳密にはまだ最後ではないのだがな…。」
うわぉ…然り気無くアガレスさんの口から、私達ブッ倒す的な発言が聞こえてきたぞ〜?直接的に表現しないのは紳士だけど…逆に、分かってしまったらこっちの神経逆撫でするとんでも仕様だな…流石、個人的に裏魔王っぽい感じに見えた人だ…油断も隙もない。




