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まぁ、頑張りましょうか。【学生編】  作者: 和水 璃雨
四章 学園編 高等部
931/2202

927話 それは…少し予定外だった。


授業が中止になったので、他の子達より早く部活に顔を出す事は可能なのだが…私と同じ武術の授業を取っていた大半の人達が、普通に寮に帰っていっていた。…まぁ、何やかんや言っても早めに終わったし…確かに早く帰りたい気持ちは分かる。


気持ちは分かるし、何より最近余り部活に顔を出していない私が言うのも何なんだけど…それでも出来れば、それぞれが所属してる部活に顔を出しましょうよ…後輩の為に、そして何より自分の為にさぁ…。


「でも、この時間ってイリス先輩もカルム先輩も来ないから、本当に暇なんだよね…相手が居ないと私…素振りするか舞うぐらいしかやる事ないし。」


基礎は大切だし、素振りや魅せる為の演舞は有酸素運動になるから、運動不足の私からしてみたら…いや、これ以上は自分に来るダメージが大きすぎる。黙っていよう…元々声なんて出てないけど。


「…筋トレするか。」


素振りや演舞だけが棒術でもないし…どんなスポーツにおいても、体を作るための筋トレや柔軟体操は大切だ。


腹筋、背筋、腕立て伏せとかとか…意外と棒術部で行われている筋トレって多いし、それプラス柔軟体操もあるからね。素振りや演舞をするよか、良い時間潰しになると思う。準備体操とかを先にしとけば…今日ぐらい、不意討ちとは言えイリス先輩に一撃喰らわせれそうだし。(何故不意討ちって…正攻法でイリス先輩に一撃入れれる気が、全くもってしないから。)


地味だけど大切な、素振りと筋トレと柔軟体操(…やる順番逆じゃない?ってツッコミはなしの方向で)をしていたら…何か、視線を感じた。


今は一人だからか知らないけど、いつも皆でグダグダしている時より感覚が鋭くなって、その鋭くなった状態で、やっと引っ掛かるぐらいの弱い視線。


…悪意ある視線には感じないけど…何だろう。こう…悪意も好意も、何も感じさせない視線が、下手したら一番不気味かもしれない…ん、不気味?


「もしかして…影の精霊ですか?」


「何かは分からんけど、取り敢えず登場してみた影の精霊やでっ!!」


ふむ…色々な意味で素直な影の精霊が、何かは分からないと言うぐらいだから…視線の正体は、影の精霊ではないか。つか、もし仮に影の精霊だったとしても、こんなに分かりやすく視線を感じさせる訳がない。(影の精霊だけに、影の中に入ってステルスとか出来るヤツだし。)


「それでは影の精霊…先程から感じる視線の正体、何だか知っていますか?」


「あん、ちょっと待ってな?…えっとな、お嬢さんのストーカーになり掛けとる子やね。」


…聞き捨てならなさすぎるぞそれぇっ!?


「私のストーカーになりかけって、どうしてまた……あ、そのストーカー手前の人は、女性ですか?」


「うんにゃ、男の子やね。お嬢さんのお母さんみたいな所に、その子は惹かれてしもたみたいやで。」


お母さんみたいな所に惹かれる?…おっと、またダメージきたぞ〜?


「こっから距離あるのと、年の割りに上手い事気配消しとるから、お嬢さんも今まで気がつかなかったんやなぁ…あ、この角度で頑張れば、そのストーカー手前君の姿が見れるで。向こうさんは…コッチを偶然見ているって感じる程度かなぁ?」


「マジですか……ま、確かに怖いって気持ちもありますが、今はその人の顔を見ない事には仕方ないですし。」


何と言うか、程よく影の精霊からもたらされる非常識で非日常な出来事を受け入れ…って言うか、慣れてきた…って言うか、諦めてきた自分が居て、少しだけ怖くなってきた。


「つーか、私に母性を感じなくても、保健の先生や先輩方の方が絶対それっぽいだろうに…つか、私自分の価値を自ら陥れるタイプなんですけど…。」


「大丈夫やで、お嬢さん!!今回は、向こうさんが持っとるデジカメん中にも、ウチらが居るからな。下手な事したら、ウチがお嬢さんに伝えるで!!」


…一瞬、カメラの中にギッシリ詰まっている影の精霊を思い浮かべてしまったけど、黙っていたらどうにかるでしょう!!




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