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3話 朝ごはんを食べよう。

ようやく、琴波とユリナ(と猫モドキ)以外の登場人物が出ます。


…かなり少しだけだけど。




「ねー、何で机に頭突きしてたのさぁ~。何々?恋のお悩みとか~?」


なんだか、とっても愉快そうにニヤニヤと口角を上げながら、ユリナさんは私に聞いてきた。


「あ、そこら辺はご心配なく。恋煩いするほどの年でもないですし、尚且つ相手がいませんから。…あと、ユリナさん。おっさんみたいな発言でしたよ、さっき。」


「アハハ~、私はおっさんで結構だよ~。つか随分サッパリキッパリ切り捨てたね…。前々から思ってたんだけどさ…コトハお嬢って、本当に6歳?それとも、“先天的加護(ギフト)持ち”って、皆そうなの?」


「さあ?私、自分以外の先天的加護(ギフト)持ち見たことないですし。」


そもそも、前世(わぁ、凄く中二臭いなぁ…嘘ではないんだけど)の記憶がある辺り、最早私にとっては大層な贈り物だよ、神様。


先天的加護(ギフト)持ちとは――それは、生まれながらに精霊や、神々に特殊な力を与えられる人たちの事です。……ま、私はそれに該当するってだけなんだけど。能力に、私が名前をつけていないので、地味にどう呼べば良いのやら……後で決めよ。


あ、先天的があるなら後天的もある。それが俗に言う“魔法”体内にある魔力を使って、現実に現象を具現化する力の事だ。


でもぶっちゃけた話、体内魔力は生まれながらにしてその量を決められてるみたい。しかも、無理やり自らの中に膨大な魔力を入れると、人は存在できなくなり、『精霊化』と呼ばれる現象が起こる。


分かりやすく言えば、風船(人の身体)に、入りきらない量の空気(魔力)を入れ、風船が耐えきれなくなって、パンッ……と弾けるという感じだ。(当たり前と言えば、当たり前なのだが。人体で考えた場合、少しグロい方の想像してしまった…これから朝ご飯食べるってのに…。)


話を戻そう。精霊化が起きた人は、森に、川に、海に…っと、とにかく自然に還る。自然界に既に居る精霊の仲間入りってやつだ。


って、何だか偉そうに語っているが……この内容、実は全部父様(と父様の書斎の本…え、文字?何故か余裕…って程ではないが、何とか普通に読めた…新聞ちょくちょく読んでいるからなのか、単にそういうものだからなのかは、良く分からない)の受け売りだったりする。


父様は貴族家業の合間に、精霊化について研究をしていて、その筋の人なら知らない人はいないと豪語できるぐらい凄いらしい。(いや、何やってるんだ父様。合間ってレベルでそこまで行くのか!?…まぁ、貴族家業と言っても、特に何かあるわけでもないから暇だったんだよね?)


この家にも、父様の研究室(コレある時点で、最早趣味じゃねぇ。)はあが……少し前に、研究室の扉が開いていたので、好奇心に駆られて中を覗いたが、まるでリアル魔界のよう……いや、私は何も見ていない。カタカタ二足歩行で動く骸骨や、真っ黒い頭が三つある犬なんて見ていないんだっ。


とにかく、父様の研究室には二度と近づかない……多分。


「…お嬢~。コトハお嬢ってばッ!!朝ごはん食べないのー!!早く行かないと冷めちゃうよー?」


はっ、つい思考の渦に呑まれてしまった。


つか、声かけられて初めて気づいたけど……。


「ユリナさん、耳元で大声出さないで下さい…。」


「だって、こうでもしないとコトハお嬢考え込んだままなんだもん。」


うぐ…自覚があるから反論出来ない。


「じゃあ、ダイニング行こっか。」


「……はーい。」


私が軽く言いよどんでいたら、ユリナさんは私に向かって明るい声を出してダイニング(『私』の記憶的考えからは、どちらかと言ったら食堂って言った方が正しいように思える広さ)に行くようにと促した。…うん、父様の研究室の事は、暫く考えないようにしておこう。疲れるから。




「おはようございます、父様。おはようございます、母様。」


「おはよう、琴波。」


「おはよう、琴波ちゃん。……あら?おでこのタンコブどうしたの?大丈夫?」


そこは触れないで母様…。


「少し、ぶつけてしまいまして。大したことないので、余りお気に為さらないで下さい。」


あ、ヤバ!また6歳児に有るまじき言動をしてしまった…うーん、存外難しいなぁ……。


「そうなの…無理はしちゃダメよ?」


ああ、母様。母様の、その菩薩様のような笑顔で、私は今日一日頑張れる気がする。


くぅ~


うっ……朝ごはん食べたら、もっと頑張れる気がする!!



……お腹空いた←

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