52話 疲れたときは甘いものだよね。
ふぅ、まあ一応クローシュ君の告白も…間接的だけどシロエ君の告白もバッサリ断った訳だから、スゲー疲れたけど多少は肩の荷が降りたな?
「部屋に戻ったらお茶でも淹れよう…。そうだ、購買でケーキとか買って帰ろうかな?疲れたときは甘いものってよく言うし。」
勿論、一人の時は背後に気を付けていますよ。…女の子の嫉妬怖いですからね!本当に嫉妬心に身を任せたら何するか分からないからね女の子はっ!(私も女だけど、女だから分かるんです!…過激な真似はしなかったとしても、またリアマ嬢の時みたいに視線攻撃やってくるだろうな……嫌ぁあ。)
……それはさておき、何があるかな?時間的に売り切れとかの心配は大丈夫だとは思うけど…やっぱり苺を使ったケーキは外せないし、ガトーショコラも…チーズケーキはベイクドでもレアでも美味しいし、タルトとかもフルーツたくさん乗ってていいなぁ……あ、シュークリームも欠かせない。カスタードクリームでもホイップクリームでもいける。
「まぁ、お金の問題で余り買えなかったとしてもケーキ屋の色とりどりのケーキが並ぶショーウィンドウ見ているだけで幸せな気分になるからなぁ。ふふふ。」
もしケーキがダメだったら、もうこの際メロンパンとかの菓子パンでもいいや。すごく今甘いものが食べたい。何でも良いから甘いもの食べて、今日一日で疲れた心を癒やしたいよ。
「ほわぁ〜!」
私の目の前には、様々な種類のケーキが並んでいます。幸せ…ここは天国か何かですか!?(まあ、ショーウィンドウを凝視しているので当たり前なんですが。…ああ、至福。)
「クスクス…お客様、本日は何になさいますか?」
「はっ、(いかん、あまりの嬉しさに我を忘れて凝視し過ぎた!恥ずかしっ。)…えっと、苺のショートケーキを一つと、季節のフルーツタルトを一つ、後は…ガトーショコラを一つ…以上でお願いします。」
「かしこまりました。三点の合計で千三百円になります。」
「はい。」
「…千三百円丁度ですね。では、箱詰めしますので、あちらの方で少々待っていてくださいね。」
はうぅ、店員さんのお姉さんに笑われちゃった…穴があったら入りたいっ。
その場にしゃがみ込んで頭を抱えたい衝動を何とか理性で抑えて、気分転換にぼんやりと辺りを見回した。
平日にも関わらず、親子連れやカップルと言った一般客がちらほら見えた。(この購買でしか出店していないお店とか、この購買限定商品が目当てなのだろう。)
私が今居るお店は『四つ葉のclover』と言う、この学園の購買にしか店を出していないケーキを中心としたお菓子屋さんだ。(店名の由来が何となく気になって、とある店員さんに聞いたら『店長が店の名前決めるのに悩んでいた時に、近所の子供が贈ってくれた四つ葉のクローバーがヒントになった。』と言われた。…今更だけどさ店長さん、少しぐらい捻りを入れようよ。これでも十分可愛いけどさ。)
あ、私以外にお客さん来た。…アレはカップルかな?女の人の方がちょい背が高いところを見ると…安直に考えて女の人の方が年上か。男の人は…ん?あの顔教室で見た事があるぞ。…名も知らぬクラスメイトがリア充か。……頑張って青春を謳歌しろよ少年。
「ん~、どれも美味しそうだな。…ヴェール、何かオススメある?」
「オススメ?そうだな…このチョコレートケーキとかかな?口の中に入れたら舌の上で溶けてなくなってしまう様な食感がすごく旨いんだ。…でも、俺がお気に入りなだけで姉貴が気に入るかっていったら分からないな。」
「大丈夫だって、大体私達の味覚似てるから。…まあ、気に入るかどうかは私にも分からないな。でも、ヴェールがそんなに絶賛するんなら試しにこれ買ってみる。」
ありゃ、姉弟さんでしたんですか。…よく見たら、お二人ともそこはかとなく顔立ちとか似てるや。
「はい、お待たせしました。箱を斜めにしないように気を付けてくださいね。保冷剤は、一応三十分持つようにしときましたから。…当店のまたのご利用をお待ちしております。」
あの姉弟を観察していたら、どうやら私の頼んだケーキの箱詰めが終わったようだ。
少し店員さんに会釈をしてから、箱を抱えて帰った。
部屋に買えったら、ルナさんと由榎さんと一緒にケーキ食べよう。…どうせ今日の事聞かれるだろうし。




