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1話 まさか、ここまで王道とは…

ギャグ…のはず。


すいません、説明文が多いかもしれません。


意識がハッキリしてくると、強烈な光と


「オギャア、オギャア!!」


自分が発しているか、それとも他人の声なのか、いまいち分からない声を聞いた。




其から数年後。


「コトハお嬢、起きてる?」


「はい、ユリナさん。お早うございます。」


「お〜、お早う。…つーか、相変わらず年寄り張りに早起きだね。まだ六ノ刻ちょい前だよ」


「この早起きは、もう癖みたいなものですから…。それに、ユリナさんに起こされるのは、なかなかの危険行為だそうですし…」


「アハハ…因みに聞くけど、それ誰情報?」


ピクッと“三角形の耳”と“先端部分が灰色のしっぽ”を振るわせて、少し探るような目でユリナさんは聞いてきた。心なしか、顔に黒い影みたいなモノが掛かっているように見える…。


「父様と母様ですよ?」


「旦那様と奥方様かぁ……こりゃ、仕方ないねー。」


にこやかに呟くユリナさんは、何処と無くばつが悪い感じに見えた。


結局、私の必死の祈りも虚しく、私はこうして“夜風・ヴェヒター・琴波”という少女に転生していた。(ヴェヒターとは、ミドルネームみたいなものらしい。詳しくは知らない。)


見た目は子供、頭脳は大人の名探偵の状況リアル体験中。意外と辛いものがある。某名探偵の辛さが、少し解った。


まあ、もう一度授かった人生だ。『私』の時みたいに、生きるのが嫌になったらその時は、その時。今を楽しもう。


頭脳は大人――と言っても、『私』であった(せいぜい16~17歳までの)記憶を思い出したのは、極々最近の事。1歳そこらの時に記憶の矛盾に気付き、困惑。3歳辺りではっきりと2つの――琴波になってからの記憶と、『私』だった頃の記憶の存在に気付いた。


記憶について分かる事は、成長していくにつれ、少しずつ思い出していく…今のところはこれだけだ。と言っても、現段階で大方の事を思い出しているので…この仮説はもしかしたら間違っているのかもしれないけど。


「んじゃ、着替えようか。今日はどの服にする?」


「ユリナさんに任せます。」




「着物も良いけど、ふわっとした薄紫のワンピースもいいな~。でも、カジュアルなチェック柄ワイシャツも、花柄のチュニックもいいな〜……ああ、全部捨てがたい…タイツ、レギンス、ニーソ、ハイソックス…あー迷う〜。」


結局ユリナさんは小一時間ほど悩み(私が着る服ですよね?)、薄桃色のブラウスに深緑のリボンを付け、グレーのチェック柄のスカート(膝上丈)黒のタイツというので落ち着いた。(因みにルームシューズは、ショート丈の布製のブーツ。色は明るい茶色。)


ついでに髪(背中が3/4ぐらい隠れる長さ)も、ツインテールに結われた。何でまた…


「こっちの方が、この服装と合うからよ。」


……まあいいや、深くは考えないでおこう。


「じゃあ、朝ごはん出来たら、また呼びに来るね~。……髪、そのままでいてね!もし下ろしてたら、また結い直すからね!絶対だよ!」


本当に何がしたいんだろ、あの人。


ユリナさんが言った“お嬢”


そう、実は私、貴族だったりします。分家だけど、一般家庭から見たらそれなりに裕福な家庭だ。


朝ごはんが出来上がるまで、まだ時間があるようだから、絵でも描いてるか。


一人の時は『思い立ったら即行動!』、複数人がいる場合は『話の流れに身を任せ、適当に相槌を打つ』をモットーにしているので(我ながら…ダメ人間だ…)、机の引き出しからスケッチブックを取り出し、ガリガリ描き始めた。


んー、結構上手く描けた……気がする。


描いたものは、なんの変鉄もない(?)猫の絵。


『……ミー、ミー』


なんの変鉄もない、ハズなんだけど…。


グググッ……ポンッ!


「あー、またか…」


『ミャー、ミャオーン!』


本物にしては至るとこ簡略化された不恰好な猫の絵が、スケッチブックの中から“出てきた”


「(いつ見てもシュールだな…。自分が描いた絵が、立体の形をとって…況してやホンモノのように動いたり、鳴き声を挙げるなんて…)」


……神様。


人の想像で作り上げた偶像でなく、真面目に。


神様、アンタ…私に私に何か恨みでもあるんか!


コレじゃ、普通に絵描けないじゃない!



琴波にとって、絵を描くことは、ストレス発散でもあるので、その度に色々『モノ』が増えたらイラッとする訳です。



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