8話 探し物は何ですか?
見付けにくいモノですか?
サブタイが完全にネタですね…。自重します。
ある意味社交辞令とも取れる言葉に、天の助けと言わんばかりに食い付く…えっと、ルナさん。(何となくさん付けしたけど…まぁ、良いか。)
「本当に良いの?ありがとう!!コトハは優しい人だね!」
道案内をするだけなのに…パァァアって幻聴が聞こえてきそうな、弾けんばかりの笑顔をこちらに向けるルナさん。
……まぁ、今更なんだけどさ?
そんなピュアな瞳で私を見ないでくれっ…。私自身がどれだけ色々と汚れちゃってるかが分かっちゃうから!
ごめんよ、ルナさん。実は声かけるの若干躊躇った上に、声掛けるの面倒だなぁとか思ってました…うう、自業自得とは言え、心が痛い…。
「(うう、罪悪感が心を抉ってくる…)あはは、どういたしまして。……んで、目的地は何処なんですか?一応地元なんで、大抵の所は案内出来ますよ。」
「分かんない!」
…何ですと?
「え、じゃあ、何で自分がここに来たか分かりますか?」
「むぅ~、コトハ、何か僕の事バカにしてない?目的は一応あるんだよ?けど、それがどこにあるかが分かんないんだよね~。困った困った。」
あ、そゆこと。
焦ったぁ。ルナさん良い人だし、さっきの事もあったから、さっきは罪滅ぼし的な気分だったんだけど…一瞬、残念な子かと思ってしまったよ。
「その目的、聞いても大丈夫ですか?」
「ん~、確か、すっごい有名な魔法について研究する人…あ、そうだ。魔法学者って人のお屋敷に行きたいの。僕、お母さんからその魔法学者さん宛のお届け物を渡すように頼まれてたんだけど、家に地図忘れたのをさっき思い出して…ここら辺グルグルしてたらコトハに会ったって訳なんだ。」
魔法学者……研究者って事?で、お屋敷に住んでいる人、か……。
……わぁ、そのキーワードで、私の中で該当する人が一名居るんだけど。と言うか、恐らく父様…の事だよな。この街に、父様以外の魔法学者の存在を知らないから、断定は出来ないけど。
私の名前…と言うか、私の名字で気付かなかった辺り、そもそもその魔法学者の名前は知らされてないか、ルナさんが地図と一緒に忘れたのであろう。…後者の考え、我ながら酷ェな…。
あの、っと声を掛けようとした時、『くぅ~』っと、ルナさんのお腹が、可愛らしく悲鳴をあげた。
「「……」」
私はただただポカーンとして、ルナさんはカァァッと顔が赤く染まって、互いに声を掛けるタイミングを逃し、長い様な短い様な沈黙を破ったのは、意外にも私だった。
「ぷっ、あははははは!!」
不意打ちだったのと、本当に可笑しすぎて笑いを噛み殺せなかったから、そりゃもう盛大に大笑いした。
「わ、笑うなっ!!」
いや、不意打ちで腹の音聞かされちゃ笑うでしょ?しかも、腹の音出したときのルナさんのポカーンとした顔が……ぷぷっ。多分私も似たような顔をしていただろうけど…プフッ!!
「あはは…ひー、お腹いたい。」
「むうっ…!!コトハの笑いのツボ分かんない…。」
顔を真っ赤にして不貞腐れているルナさん…可愛いだけだからソレ。私の中で、笑いを増幅するだけだから!
「あははははは!!…ゲホッゴホッ」
「え、ちょ!?大丈夫?」
「ハアハア、ッゴホ…大丈夫です…。」
ふぅ、面白かったけど、笑いすぎて軽く呼吸困難になったわ。唾が器官に入らなくて良かったぁ…。
「ふぅ……あの、ルナさん。その魔法学者の人、恐らく私の父様ですよ…。」
「とうさま?……ええっ、コトハのお父さんなの、その魔法学者って!?」
ナイスリアクションありがとう、ルナさん。
ふう…可愛らしい迷子さん一名、我が家にご案内決定だな。もし仮に父様でなくても、父様なら色々知ってるだろう。他力本願だけど、私にはどうしようもないし。
「でも、ただ連れて帰るだけ…だと面白味皆無ですから…。」
「面白くないから……何?」
こう言うときは、お約束。決まってます。……お約束じゃなくても、私が今決めました。
「美味しい物を、食べ歩きしながら行きましょうか。」
「…!!うん、そうしよっ!」
「私も小腹が好きましたしね。人前でお腹なるのは勘弁したいですし。」
「もー、その事はもういいでしょー!!」
おお、これが世に言うガールズトークってやつか。……なんか感動。『私』の時は、こんな可愛い会話してなかった気がする。
つか財布、この鞄の中に入れっぱなし良かったー。
何となく財布の中身を確認していたら、何やら自分で書いたメモを発見した。
何々…『私へ。使いすぎ、食べ過ぎに注意しろよ。』
…過去の私へ。……一応善処する。
ルナは、一人称が僕の女の子……僕っ娘ってやつです。




