7話 出会いは突然に。
ラブロマンスはありません。(このネタ、わかる人いるかな…)
「コトハお嬢〜、水筒持ってきたよ。」
少し、自分の身体と精神の年齢差に遠い目を(ギリギリ涙は出してない。)していたら、ユリナさんが水筒を持ってきてくれた。…良かった。ユリナさんナイスタイミングです。
「ありがとうございます。……中身は何ですか?」
「えーとね、温かい玄米茶。」
玄米茶、嫌いじゃない。寧ろ大好きだが……えっと、ユリナさん、年頃の女性としては、選択が渋いです。
「そうですか。玄米茶好きなので…重ね重ねありがとうございます。」
一応フォロー入れつつお礼を言う。…子供らしさなんて、もう気にしない。後で気にするとしても、今は気にしない。…気にしたら負け…気にしたら、負けなんだ。
「コトハお嬢、渋い趣味してるねぇ。」
……自分がやらかした自覚があるのもあって言えないけど、その玄米茶をセレクトしたユリナさんには言われたくないデス。…いつかのタイミングで、玄米茶が好きって言ったっけなぁ?
仄かな理不尽さと疑問を感じなくはなかったけど、気を取り直して持ち物確認をすることにした。ええっと…鞄の中には、スケッチブックに筆箱、色鉛筆に水筒に、念のための携帯…よし、全部ある。忘れ物なし。
玄関でも一応確認してから、私はスケッチへ向かった。
「では、行ってきます。」
「行ってらっしゃい。余り遅くならないようにね〜。」
屋敷の正門から外に出る。…別に、正門以外から出たことないんだけどさ。
少し首を動かせば見える庭には、柔らかい彩りの花が咲いていた。
…この見事な庭の手入れ、実はリベルタさんがやってるんだよね。
クールなインテリ系な見た目なのに…人は見掛けによらないな、本当に。
「(って、噂をしたらリベルタさん茂みの中にいたし。作業服のツナギと軍手、麦わら帽子まで被ったら……あら、意外と似合ってるな。…アレか、カッコいい人は、基本何をやっても様になるって法則か。)」
リベルタさんをジーっと見ていたら、散歩に出掛ける事を思いだし、邪魔にならないようにそーっとその場を離れた。
「ここの公園、綺麗に整備されているし、人も適度に居るから穴場なんだよな。」
商店街からそこそこ近い公園。
その公園にある池の近くに座って、水筒のお茶片手にぼんやりと辺りを見回した。地面に直接座ってるけど、あんまり冷たくないから良いか。
少し離れたベンチに座って奥様方が井戸端会議してたり、幼馴染みであろう少年少女が公園内を走り回っていたり、のんびりと手を繋いで歩いているカップルがいたり…。
「はぁー、平和だ…。」
うん、とてつもなく平和だ。こう言う平和な時は、お茶が一段と美味しく感じる。…って、子供らしさを気にしなくなったら、一気に老けてきた気が…楽だけど、あんまり気を抜きすぎるのもアレだな…ほどほどにしておこう。
さてっと、程よく和んだところで、目的の絵を描きますか。
「っても、風景画苦手だから…適当にババッと描いて、色々誤魔化させるか。ん~…じゃあ、久しぶりに色鉛筆使おう。」
え、何でって?…単色より、色彩ある方が絵の誤魔化しが聞くと思っただけで、それ以外は特に意味はないです。
カリカリカリ――
ジー
カリカリカリ――
ジー
カリカリカリ――
ジー
…描き始めたは良いんだけど、隣にいるであろう人物のせいで絵に全く集中出来ないのだが…。
え、この人は何がしたいんだろう?私の絵を見てるわけでは無さそうだし……。
……面倒そうだが、放置しても面倒だろうし、声かけてみるか。
「……あの、私に何か用ですか?」
「ふぇ?」
さっきから、あなたの視線が気になって仕方がないんですが…とは、相手を傷つけるだろうし…と言うか、案外見ていた人が近かったので、言葉に詰まったのが正確なんだけど。
「僕の名前はルナ。ルナ・レッヒェルン・ヘミニス。道に迷って、この公園の中をグルグル回っていたら、池の近くにいた君を見つけて、何してるのか覗いたら、君の絵に見いっちゃったんだ。」
ニパッっと可愛らしく笑う割りに、やけにお世話の上手い子供だなぁ。…捻くれてんなぁ、我ながら。
「はあ…。私は、琴波。夜風・ヴェヒター・琴波と言います。お世辞でも、私の絵を誉めていただいて、ありがとうございます。…あの、道に迷っていらっしゃるなら、私でよければ、道を案内をしましょうか?」
そう言うと、ルナさんはパァァアっと効果音が聞こえそうなほど、顔を綻ばせました。
…こ、子犬みたいで可愛いっ。何、この子は天使か何かなのか!?
中途半端に切れます。ごめんなさい。




