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学校日和  作者: めろん
90/102

第90回 七夕日和

おはようございます。


ミントです。


久しぶりのナレーター、頑張りたいと思います。


「ミントミント!」


おっと。

早速プリンがやって来ました。


「何プリン?」


…この発言、一度"何"で切って下さいね?


別にプリンの種類を聞いているワケではありませんよ?


ちなみにオレは焼きプリンが好きです。


「ふふふ 今日なんの日か知ってる?」


…はい。脱線事故が発生してましたね。すみません。


プリンが尋ねてきたので


「…?今日なんかあったっけ?」


特に何も思い付かなかったオレは、プリンに聞き返しました。


「今日は"たなぼた"だ!」


…"たなぼた"?

棚からボタモチのショートカットバージョンですか?


「あー…うん"七夕"ね?」


プリンが間違いに気付けるように、オレは七夕の"ば"強調して言ってみました。


「うむ。それだ」


頷いてます。

きっと間違いに気付いたんですね。


「…で、七夕がどうかしたの?」


オレが首を傾げながら尋ねると


「うむ。七夕とは何をするんだ?」


・・・。


「…え?知ってて七夕って言ったんじゃないの?」


更に尋ねてみます。


「ううむ。さっきわんわんから聞いた」


・・・。


「…わんわんって…犬から聞いたの?」


プリンは犬の言語が分かるんですか。スゲーです。


「うむ。眼帯つけた馬鹿犬に」


はい。明らかにポトフのコトですね。


…と言いますか、プリンはポトフのコトを"わんわん"って呼ぶんですね。


「だァれが馬鹿犬だ?」


おっと。

噂をすればなんとやら。


お風呂場からポトフが出てきました。


…朝風呂ですか?


「む?この部屋に馬鹿は一人しかいないだろう?」


「ああそうだなテメェしかいねェよな」


・・・。


馬鹿はこの部屋に一人…


…成績で考えると、間違いなくオレですね。


「馬鹿は自分が馬鹿ということも分からないらしいな?」


「だからテメェのコトだろ?」


…この調子だと、もうそろそろ手が出ますね。


もちろん、ポトフから。


「…七夕は、笹にお願い事書いた短冊やら何やらを飾るんだよ!」


喧嘩もよくありませんが、暴力はもっとよくありませんよね。


だからオレはそれを止めるべく、無理矢理話を戻してみました。


「「どうして?」」


わぁ簡単に止まった。


綺麗にハモって二人が尋ねてきました。


…と言いますか、ポトフは何をもってプリンに七夕を教えたんでしょうか?


「…さあ?そうすればお願い事が叶うんじゃない?」


いつものコトですが、この二人は仲が良いんだか悪いんだか…


「! ほんとう?!」


「スッゲェなそれ!?」


わぁノリノリだ。


大丈夫です。

短冊に願い事書いたくらいで夢が叶ったら人間誰も苦労しねぇよ、なんて夢もへったくれも無い言葉、オレは間違っても思ったりしませんし、口にもしません。


「じゃ、早速竹を取りに行こォぜミントォV」


ガバッ!!


「…あはは…そだね?」


…ポトフのこの抱きつき癖は、どうにかならないんですかね?


「僕のーっ!」


…ついでにプリンのこの癖も。










「♪笹の葉し〜ぱしぱ〜軒並み切〜れ〜る〜♪」


何やら痛々しい替歌を歌っているのはプリンです。


素敵な歌声が台無しです。


「えぐえぐ ミント〜」


!?


本当に切っちゃったんですか?!


「大丈夫プリン?!」


「うむ。ヒール」


・・・。


オレをおちょくってるんですか?


「♪筒の中きィらきらァ何かが居ィてェるゥ♪」


?!


ポトフが続き歌った!?


なんか凄くかっこいい歌声です!


でも替歌のせいで台無しです!


…と、言いますか…


「スゲェぞミント!!なんかこの竹光ってるぜ!?」


「わー!ぴかぴか!」


竹取物語?!


「本当に光ってる…?!」


オレはあやしがりて、寄りて見ました。


気分は竹取の翁です。


すると


フッ…


あれ?竹の光が消え─…


「あっはっはっ!驚いたかミントォ?」


「ふふふ "ピカピカ"だ」


・・・。


オレをおちょくってるんですね。


「シャー!!」


「あっはっはっ!ミントが怒ったァ!」


「ふふふ わー」


フハハ!!余裕かましてられるのも今のうちさ!!


「ツインホイップ!!」


シュシュ


『『ジェララララ!!』』


「「?! ヤー!!?」」


ローズホイップとマッドホイップを見た二人は、顔を蒼白にしてオレから逃げてゆきました。


「紫陽花!!」


もちろん、逃がしません♪










「うーん…」


「むー…」


ポトフとプリンが真剣に悩んでおります。


短冊に何を書こうか、と。


「…あはは♪なんでそんなに悩んでんの?」


そんな真剣な二人を見て、オレは思わず笑ってしまいました。


「えェ?だってミント」


「お願い事いっぱいある」


わぁ会話分担してきましたよこの二人。


「ふぅん…例えば?」


二人の願い事がなんとなく気になったので、オレは二人に聞いてみました。


「「コンプリート」」


・・・。


…何を?


「…他には?」


「「オールデイズ」」


・・・。


…何が?


「……他には?」


「「リセット」」


・・・。


?!


何があったの!?


「うん…やっぱよぉく考えた方が良いよ?」


「うむ!」


「おゥ♪」


て言うか、なんで英単語?












「出来たァ!!」


「僕も!」


・・・。


…はっ?!あんまり遅いもんだから寝ちゃってた!!


「で…出来たの─…?」


オレは顔を上げた瞬間


「「・・・」」


二人がオレの短冊を見ているコトに気が付きました。


「って何してんの?!」


バッ!!


オレは慌てて二人から自分の短冊を奪還しました。


今更隠してももう遅いんですけど、やっぱり恥ずかしいのです。


「「…ミント…」」


う…そんなぽかんとした顔でオレを見ないで下さい…


あぁあ…穴があったら飛び越えたい!!じゃない!!飛び込みたい!!


「「ミント…」」


じわり


?!


奇跡の同時涙目!?


って言うか泣かないで!?


「どどどどうしたのさ二人とも?!」


お願いだから涙ヤメテ?!


「っ…ミントが俺らのコトこんなに思ってくれてたなんて…っ!!」


「えぐえぐ ミントぉ!」


ひしひしっ


「わわっ?!」


まさかの両サイド抱き締め攻撃?!


「「大好きミントー!」」


「ええい!暑苦しい!!」


だってもう夏ですもの。


オレは、二人の涙を見ないように目を瞑ってその腕から無理矢理脱出すると


「早く飾るよ!!」


って二人に言いました。


「「はーい♪」」


うん!いい返事!


身長を利用してそんな高いところにくくりつけても無駄さ!!後で捨てるときにキミらの短冊もしっかり見させてもらうからね!!


「ふふふ 出来た」


「よォし!ミントも一緒に歌うぞV」


「はいは─…いぃい!?」


何故歌う必要が?!


「や…オレは遠慮しとくよ?」


もちろん、オレは断りました。


「男に二言はねェぜェ!」


「ぜー!」


こんなところで無駄な男気見せんでよし!!


「ってェか歌わねェと襲うぞォ!!」


「ぞー!!」


この変態!!


でも怖い!!


「さぁ歌いまショウ☆」


そんなこんなで、オレは仕方なく二人と一緒に歌うコトになりました。


「さんはいっ」


「「♪笹の葉し〜ぱしぱ〜軒並み切〜れ〜る〜筒の中き〜らきら〜何かが居〜て〜る〜♪」」


…なんなんだこの歌は?


こうして、オレたちは謎の歌を合唱しながら七夕の夜を楽しく?過ごしました。

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