表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学校日和  作者: めろん
82/102

第82回 食堂日和

「ふゥん 枕が歌ねェ?」


ポトフを食べ終わったポトフがフォークをぷらぷらさせながら言った。


「うん 凄い上手だったんだよ?」


珍しくコーラをストローでゆっくりと飲みながらミントが言うと


「へー?なんか想像つかないねー?」


チョコパフェを食べながらココアが言った。


「あはは まあいっつも寝てるからね」


ストローでくるくるとコーラを掻き混ぜながらミントが言うと


「あっはっはっ!俺も歌くらい歌えるぜェ?」


朗らかに笑いながらポトフが言った。


「へ?もしかしてポトフも歌上手なの!?」


尋ねると同時にストローを停止させるミント。


「はへー?これはまた想像つかないねー?」


スプーンを置きながらココアが言った。


「あはは まあいっつも食べてるからね」


笑いながらミントが言うと


「ん?なんか聞こえ悪ィぞミント?」


笑いながらミントに聞き返すポトフ。


「? じゃあ"まあいっつもタラシてるからね"?」


素早く言い換えるミント。


「更に聞こえ悪ィ上になんか汚ねェぞ?」


素早く突っ込むポトフ。


「あはは ポトフはどんな歌を歌うのー?」


そんな二人を見て笑いながらココアが尋ねると


「それはもちろん」


そっ…


ポトフはココアの手を取り


「ココアちゃんへの愛の歌―…」


ココアに胸キュンスマイル(ポトフ命名)を向けながら言うと


「キモイ」


暑かったのか、それとも彼に胸キュンしてしまったのか、顔を赤らめながらココアが言った。


スパァン!!


その発言と同時にポトフに渾身の平手打ちをかますココア。


よってポトフは吹っ飛び


「ぴわ!?」


ガシャ――――――――ン


デザートのプリンを持ってこちらに戻ってきたプリンに激突した。


「ったたた…」


頭を摩りながら起き上がるポトフ。


「くっ…貴様、吹っ飛ぶときは常に周囲の安全を確認してから吹っ飛べ」


同じように起き上がったプリンが言った。


「無茶言うな?!」


透かさず突っ込むポトフ。


「まったく…これで僕のプリンに何かあったらどう責任取って―…」


プリンは服についた汚れを叩いて落としている途中で固まった。


「?」


突然固まったプリンにポトフが小首を傾げると


「僕のプリン!!」


ポトフの足元を指差しながらプリンが叫んだ。


「へ?…あ、悪ィ」


片足を上げると、ポトフはプリンのプリンを見事に破壊していた。


「…貴様…」


彼の態度にぷるぷる震え始めるプリン。


「おっ…落ち着け枕?すぐに替え買ってきてやっからっ!」


ポトフは冷や汗を大量に掻きながらそう言うと、スタコラサッサとカウンターの方へと走って(逃げて)ゆきました。


「…ぐちゃぐちゃ…」


ぐちゃぐちゃになってしまったプリンを魔法で回収するプリン。


「…どちらかと言うとココアのせいだよね?」


そんなプリンを見て、ミントがさらりと言うと


「え?なっ何のことー?」


目を逸らしながらココアが言った。


「…本当はポトフに歌って欲しいとか?」


顔が赤いココアを見て、悪戯っぽく笑いながらミントが尋ねると


「飛んでみる?」


ココアは右手を構えた。


「冗談ッス」


恐怖によって冷や汗を掻くミント。


「…どろどろ…」


ぐちゃぐちゃのどろどろになったプリンをプリンが処分し終えると


「ほら 買ってきてやったぞ?」


戻ってきたポトフがプリンの前にプリンを置いた。


「・・・」


そのプリンを見て、再び固まるプリン。


「?」


ポトフが小首を傾げると


「…貴様…僕に喧嘩を売っているのか?」


ぷるぷる震えながらプリンが言った。


「は?ちゃんと買ってきただろ?」


ポトフが言うと


「ふざけるな!!これはどうみても焼きプリンだろう!?」


ポトフが買ってきたプリンを彼に突き付けながらプリンが怒鳴った。


「はァ?!焼かれてんのが嫌だったらそこだけ食わなきゃいいだろォ!?」


怯まずに透かさず怒鳴り返すポトフ。


「馬鹿か貴様は?!」


更に怒鳴り返すプリン。


「あんだとォ?!焼かれたのと焼かれてないのに何か違いでもあんのかよ!?」


ポトフが怒鳴りながらプリンに尋ねると


「なんかヤー」


ってプリンが言った。


「んだその漠然とした偏見は?!謝れ!!今すぐ焼きプリンに謝れ!!」


突き付けられた焼きプリンを奪い取って、逆にそれをプリンに突き付けながらポトフが怒鳴った。


「ふ…ふんっ!カスタードプリン以外のプリンはみんな滅びればいいんだっ!」


プイッとそっぽを向きながらプリンが言うと


「ならまずテメェから滅びろォ!!」


ポトフはそう叫びながらプリンを蹴り飛ばした。


「あはは…焼きプリンも美味しいと思うケド―…」


そんな微笑ましい?様子を遠い目で見ていたミントがそう言うと同時に


「きゃ〜!!おっはよ〜うミントきゅ〜〜〜んV」


「ゴハッ!?」


後方からどこか懐かしい声が聞こえてきた。


そのおかげで、ミントは危うくコーラを噴き出しそうになった。


「あ。チロル久しぶりー」


ココアが声の主にひらひらと手を振りながら挨拶すると


「! 邪魔よ!!邪魔者A邪魔者B邪魔者C!!」


チロルは目の色を変えて


「ライトニング×4!!」


四発の雷魔法を唱えた。


「ぴわ!?」


「きゃ?!」


「ぐは!?」


魔法によって一メートルくらい後方に吹っ飛ぶプリンとココアとポトフ。


ちなみに、ポトフだけ二発喰らいました。


「Why!?」


ポトフくんの疑問は置いといて。


「Wait!!」


しつこいですよ。


「やっと逢えたねミントきゅんVデートしよっ☆」


ミントの右腕に抱きつきながらチロルが言った。


「ゲホッゴホッ…何言って…ゴホッ!!」


驚いた拍子にコーラが気管の方に侵入してしまったミントは、まともに答えることが出来ませんでした。


「本当?!やった〜Vアタイ超嬉し〜い♪♪♪」


それをO.K.と勘違いしたチロルは、嬉しそうにぴょんぴょん飛び跳ねた。


「どんな勘違い?!」


透かさず突っ込むミント。


「…アタイ、今日は帰りたくないな…☆」


ミントの肩に頭を預けながらチロルが言うと


「いやココ全寮制だからね?」


さらりと答えるミント。


「きゃは♪じゃあ早速デートにレッツゴー☆」


「いやいやいやいや?!」


ミントの突っ込みなんか耳に入らないチロルは、有無を言わさず彼とのデートに繰り出した。


「…チロルって大胆さんなんだねー?」


体を起こしながらココアが言うと


ふわ…


「っ?!」


ココアを後ろから優しく抱き締めたポトフが


「…俺も今日はキミを帰したくないな?」


彼女の耳元で甘く囁いた。


「ななな何馬鹿なこと言ってんのよー?!!!」


真っ赤になったココアはそう叫びながら


ドスッッ


「おぐっ?!」


ポトフの腹に肘で渾身の一撃を喰らわし


「もう帰る!!」


ズカズカと食堂を出ていった。


「…貴様の病気は死んでも治らないのだろうな」


ココアによって更に吹っ飛んだポトフを哀れな生き物を見るような目で見ながらぽつりと呟くプリン。


「…聞こえてんぞ」


そんな彼に、倒れたままのポトフが言った。


「当たり前だ」


わざとでしたか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ