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学校日和  作者: めろん
72/102

第72回 激闘日和

すっかり暗くなった森の中で、サバイバルバトルはまだまだ続きます。


「キェェェェェェェ!!」


大鎌を振り回しながら奇声をあげるチロル。


「変な奇声あげないでよー?!」


その無茶苦茶な攻撃を紙一重で避けてゆくココア。


「黙りなさい邪魔者B!!アタイは憎い!!あんたが憎いのよ〜っ!!」


自分の手足のように大鎌を軽やかに暴れさせながら叫ぶチロル。


「私があんたに何したって言うのよーっ!?」


チロルの下を取ったココアが足払いをしながら言い返すと


「白々しいわ!!」


上に跳んだチロルがココアに杖を向けた。


バチィン!!


直後、断頭台に固定されるココア。


「させないわ!!」


ココアは杖を振ると


ぽわんっ


断頭台を豚の貯金箱に変身させた。


「シイィット!!!避けやがったぜあの野郎お!!」


着地したチロルが怒鳴ると


「私は"野郎"じゃないわよーっ!!」


そう叫びながら豚の貯金箱をチロルに投げつけるココア。


すると


「女郎ぉお〜〜!!!!」


パリ―――――――ン!!


大鎌で豚の貯金箱を一刀両断しながらチロルが叫んだ。


「確かに対義語っぽいけど多分意味違うわよー?!」


そう叫びながら振り下ろされた大鎌を避けるココア。


「デスクイーン!!」


チロルはそう言って今度は巨斧を呼び出し、それをココアに振り下ろした。


「! アームアーム!!」


ガキィン!!


腕をチェーンソーに変身させてその攻撃を受け止めるココア。


「ひっひひひ…なかなかやるじゃない?」


素早く距離を取ったチロルが言うと


「ふふっ…あんたこそ…!!」


腕のチェーンソーを起動させながらココアが言った。


「でも!!この勝負とミントきゅんだけは譲らないわあ!!」


チロルはそう叫びながら再びココアに突っ込んでいった。


「はあ?!」


その言葉に驚くココア。


「貰ったああ!!」


しかし、それが隙となってしまった。


ガキィン!!


「ちょ…ちょっとなんか勘違いしてない?!」


首を狙った攻撃を辛うじて受け止めたココアがチロルに言うと


「ひひ…ひひひ!!恋敵との会話は無用おぉお!!」


再び巨斧をふりかざしながらチロルが言った。


「いやいや私とミントとは友だ―…」


ココアが言ってる途中で三度巨斧が迫ってくる。


ガキィン!!


「っだからあ!!私が好きなのはポ―…」


それも防いだココアがそこまで言いかけると


「って何言わせてんのよー!!」


真っ赤になって斧ごとチロルを吹っ飛ばした。


「ひひひひひひひひひ!!ポジティブなミントきゅんは渡さないわあああ!!」


器用に着地したチロルが斧を投げつけながら叫んだ。


「どんな解釈してんのよー?!」


飛んできた斧を避けるココア。


すると


「わー楽しそうですねー」


戦場にアロエが現れた。


「ひひひ?」


首を傾げるチロル。


「アロエ?!」


目を見開くココア。


「アロエも交ぜて下さい」


アロエはそう言うと、ピンッと口で手榴弾の栓を抜いて二人に投げつけた。


「「! 手榴弾?!」」


ドッカ――――――ン!!


その場に激しい爆発が起こる。


「ひひ…ひひひひひ!!やってくれるじゃない?」


大鎌で爆煙を切り裂きながらチロルが言った。


「手榴弾なんて…一体何処で手に入れたのよー?」


服についた汚れを叩いて落としながらココアが続く。


「へえ?避けられたんですね?」


アロエは無事だった二人を意外そうに見ると


「では…お次はこれです」


スッと両手を前に出して


「裁きの業火!!ジャッジメントフレア!!」


叫んだ。


「紫電の断罪!サンドラルエクセキューション!!」


それと同時に右手を上に挙げて叫ぶチロル。


「終焉の闇!!ダークネスサクリファイス!!」


ほぼ同時にココアも叫んだ。


ちゅっっどおぉぉおおおおおおおおおおおおぉん!!


この激しすぎる戦いは、誰にも止められませんね。










「狼男…?!」


ミントが聞き返すと


「…」


無言で頷くポトフ。


「…って…何?」


そんなポトフにミントが尋ねた。


「っええ?!」


思わずズッコケるポトフ。


「ほ…本気で言ってんのかミント?!」


ポトフが尋ねると


「え…うん」


真顔で頷くミント。


「…満月が放つ特殊な魔力に異常反応し、本能のままに行動する狼に変身してしまう混合種が狼男だ」


そんなミントにプリンが説明した。


「混合種?」


小首を傾げて聞き返すミント。


「…簡単に言うと、ルポ族と普通の人間とのハーフのことだ」


抑揚のない声で答えるプリン。


「「へえ〜」」


そうなんだと頷くミントとポトフ。


「ちなみに、ルポ族とは、サラダのように動物と人間が混ざったような人のことをさします」


「? 誰に向かって説明してんだミント?」


画面に向かって説明したミントにポトフが突っ込んだ。


「…貴様も知らなかったのか?」


そんなポトフを見てプリンが尋ねると


「本当の親のコトはさっぱり覚えてねェからな」


肩をすくめながらポトフが言った。


「…それにしても」


ポトフはそう言うと


「どうして俺が狼男だって知ってたんだ枕?」


と、満月の光を閉ざしてくれた時のことを思い出しながらプリンに尋ねた。


「…ふっ」


プリンは鼻で笑うと


「やはり憶えていないのだな」


じわり


涙目になった。


「「っ?!」」


仰天するミントとポトフ。


「わんわんの嘘つきー!」


バシ―――――――――ン


「うご?!」


プリンは抱えていた枕をポトフに投げつけると、部屋から出ていってしまった。


「え?え!?プリン!?」


「ま…枕ァ?!」


そんなプリンの行動に慌てふためくミントとポトフ。


「い…一体プリンに何したのさポトフ!?」


ミントが尋ねると


「ええ?!俺、枕を泣かせるようなコトは―…」


そう言ってる途中で


「…いっぱいしたな…」


ボソッと呟くポトフ。


「…プリン…"嘘つき"とか言ってたね?」


ミントが先程のプリンの発言を思い返しながら


「何か以前にプリンと約束でもしたんじゃないポトフ?」


って言った。


「約束…?」


ミントにそう言われて、ポトフは過去の記憶を遡っていった。

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