第7回 謝罪日和
緑の間をすり抜けて、桜色と水色が走る走る。
「もー…!!何処なのミントー?!」
ココアが言った。
「走るの苦手…」
プリンが枕を抱えながら言った。
「もうちょっと頑張ってよプリンー?」
「う、うむ…」
そして茂みを抜けると、帽子を被った少年が立っていた。
「「ミント!!」」
そしてミントの目の前には熊の様な恐ろしい魔物が立っていた。しかしその魔物は戸惑っていた。
「「?」」
首を傾げる二人。すると
「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!マジでごめんなさい!!」
ミントが魔物に謝りまくっていた。
「「…」」
無言になる二人。
「本当ごめんなさい!マジとかタメ口利いてごめんなさい!本当ごめんなさい!ごめんなさい!すみません!申し訳ありません!ごめんなさい!」
頭を下げたまま兎に角謝り続けるミント。
「ごめんなさい!見逃して下さい!何もしません!いえむしろ何も出来ません!オレ、何も出来ないちっぽけな人間なんです!だから見逃して下さい!本当お願いします!」
『ぐ…ぐばぁ…』
魔物が気の毒そうにミントに声をかけた。
「本当お願いしますごめんなさいお願いしますごめんなさいお願いしますごめんなさいお願いしますごめんなさいお願いしますごめんなさいお願いしますごめんなさいお願いしますごめんなさい!!」
『…ぐばぐば』
ミントの肩をポンポンと優しく叩くと、熊の魔物は森の奥へと帰っていった。
「あっ…ありがとうございます!!」
深々と頭を下げたミントが言った。
「「…」」
なんか悲しくなってきた二人。
「…ミント?」
ココアが声をかけた。
「!!っココアっ!!プリンも!!」
泣きそうな顔でミントが二人に駆け寄った。
「マジ怖かったよぉぉ〜!いきなりあんなデカいのがガーって!!ゴーって来たんだよ!?有り得ない有り得ない有り得ない有り得ない!!!」
「ミント…」
プリンが名前を呼んだ。
「マジ助かったよぉ!マジ怖かったよぉ!二人が来てくれてマジよかったよぉ!オレマジ何も出来ないんだよぉ!マジ死ぬかと思ったよぉ!!」
ミントは壊れていた。
「お、落ち着いてミント?少しおかしいよ?」
ココアが言った。
「え?」
深呼吸するミント。
「…あ」
そして我に帰る。
「………………………オレ…なんて情けないんだろ」
その後、悲しみの涙を光らすミント。
「…ミント…ごめん…私、なんて言えば良いか分かんない…」
ココアが気の毒そうに言った。
「……………………いいよ…暫く…そっとしといて」
ミントが後ろを向いて体操座りをした。
「う…うん…」
ココアが頷いた。
「「…」」
小さくなったミントの背中を見て、切なくなってくる二人。
「…ミント…魔法の特訓しよう?」
プリンが言った。
「…え?」
ミントが小さく反応した。
「そう…ね!ミント、特訓しようよ!!」
ココアも言った。
「…特訓?」
ミントがよろよろと立ち上がった。
「それで…オレも魔法使えるようになるかな…?」
ゆっくり二人の方を向くミント。
「「うん!」」
二人が微笑んだ。
がささっ
「「!」」
すると再び茂みが動いた。
「…まさか…?」
ココアが言った。
「さっきのクマさんか?」
プリンが小首を傾げた。
「そっ…そんなっ!?約束と違うじゃないですか!?見逃してくれるって言ったじゃないですかあああああああああああ!!!!?」
ミントが叫ぶと
「そっ…その声は…ミントくん…ですかっ?」
「「!?」」
魔物が喋った。
「ちっ…違いますっ!!ぼっ…ぼく…魔物ではありませんっ!!」
茂みから猫少年、サラダが飛び出した。
「! サラダ!?」
「なんでそんなところに隠れてたのー?」
「ねむねむ」
眠ってしまったプリンは置いといて、サラダの突然の登場に驚く二人。
「ぼっぼく…その…こっ…怖くて…」
自分の尻尾にしがみつきながらサラダが言った。
(…こいつもか…)
ココアが呆れていると
「そーだよね!?怖いよね!?有り得ないよね?!」
「!」
ミントがサラダの手をとったので驚くサラダ。
「魔物とかいっぱい出てくるし…やっぱ怖いよね?!」
「は…はいっ!!」
サラダがミントに同意した。
「…サラダは魔法使えるハズでしょー?」
ココアが呆れながら尋ねた。
「そっ…そんなことっ」
サラダはびくびくしてる。
「そうなのか?!じゃあサラダもオレに魔法を教えてよ!!」
「あ…あう…」
という感じで飛び入り参加でサラダも特訓に付き合うことになりました。
「でっ…ではまず…杖を利き手で持って下さい」
「どんだけ基本なコト言ってんのサラダー?!」
ココアがツッコミを入れると
「そっそうなんだ…!」
ミントが杖を左手に持ち変えた。
「ええ?!知らなかったのミント!?」
ココアが呆れかえりながら言った。
「だ、だってみんな右手で持ってるんだもん!!」
ミントが反論する。
「あのねぇ…右利きの方が多いのは、当たり前に決まってるでしょー?ってかミントが左利きだったコトにびっくりだよー?」
ココアが言った。
「そっ…そっか…」
納得するミント。
「ぐー。」
プリンはぐうぐう眠っている。
「そっ…そしたら…杖を軽く振ってみて下さい…」
サラダが言った。
「うっ…うん!」
ふんっ
ミントが杖を軽く振った。
・・・
・・・・・・
しかし何も起こらない。
「…やっぱ…オレって…」
「さっ…最初は…仕方ありませんよっ…!」
「そ、そうだよー?もう一回やってみなよー!!」
慌ててミントの体操座りを止めに入った二人。
「ぐー。」
そんな中プリンの鼾が聞こえてきた。
((…))
ココアとミントの心の中にどす黒い何かが渦を巻く。
「ぷっプリンさんっ!?」
サラダが飛び上がった。
「?どした?サラダ?」
ミントがサラダに言った。
ぱちっ
その時プリンが目を覚ました。
「ひいっ!!!!!けっ…消さないで下さいっ!!」
尻尾にしがみつきながらサラダが言った。
「消す?」
プリンが言った。
「…サラダ?」
何故サラダがこんなに脅えているのかさっぱり分からないミント。
「大丈夫だよーサラダ?此処にはミントがいるんだからー!」
何故サラダがこんなに脅えているのかすっかり理解できたココア。
「はっ!そっ…そうでした…!」
サラダが胸を撫で下ろした。
「?オレがどうしたの?」
「僕がどうした?」
ミントとプリンが聞いた。
「な、なんでもないよー?さ!特訓特訓!!」
「そっ…そうですよっ!では…もう一度やってみましょう!」
サラダが言った。
「…うん!」
ミントが再度杖を軽く振った。
ふんっ
・・・
・・・・・・
やはり何も起こらない。
「…フハハ」
ミントが自嘲気味に笑った。
「フハっ!フハハハハハハハハ!」
「おっ、落ち着いてよミントー?!もう一回やってみなよー?」
ココアが慌てて慰めると
「んー…変ですね…」
サラダが呟いた。
「ちょっ!?サラダ?!」
「しーっ!!」
慌ててサラダの口を押さえ込むココアとプリン。
「フハハ!やっぱ?やっぱオレって変だよね!?初級魔法も使えないなんてフハハ!!」
ミントが再び壊れた。
「いっいえ!…ミントくんが変なのではなくて…」
サラダがココアとプリンの手から逃れながら慌てて訂正した。
「ミントくんは…異常なぐらいMPが高いのに…どうして魔法が使えないんでしょうか?…ってコトです」
サラダが言った。
・・・
・・・・・・
「そうなのっ?!凄い凄いミントー!!」
ココアが驚いた。
「うむ。羨ましいな」
プリンが言った。
「ごめん…MPって何?」
・・・
・・・・・・
「ええ?!知らないのミント!?」
ココアが驚いた。何も言わないが、この時プリンも驚いていた。
「うん」
ミントが答えた。
「えっ…MP…って言うのはですね…魔法を使うための…バッテリー…みたいなものです…」
サラダが説明した。
「これが高ければ高いほど、たくさんの魔法が休まず使えるんだよー?」
ココアが付け足した。
「そっそうなの!?」
ミントが驚いた。
「うむ。そうなの」
プリンが言った。
「…それなのに魔法がひとつも使えないんて…」
肩を落とすミント。
「げ、元気出してよミントー!!」
「出して出してー」
ココアとプリンが慰めると
「…もしかしたら」
サラダが呟いた。
「「?」」
サラダを向く三人。
「ミントくんは…"召喚魔法"の使い手…なのかもしれませんね」
ミントに向かってサラダが言った。
・・・
・・・・・・
「「召喚魔法?!!!」」