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学校日和  作者: めろん
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第61回 遊日和

春休み最後の日、ミントの家にお友達がやって来ました。


「…そうするとこうなる」


プリンがノートを指さしながら言うと


「わあ!本当だ!!プリン天才?!」


目を輝かせながら問題集に答えを書き込むミント。


「…照れる」


枕で顔を隠すプリン。


「あっはっはっ!これで宿題終了だなミントォ♪」


プリンの反対側で、朗らかに笑いながらポトフが言った。


「うん!!ありがとう二人とも!!」


ミントがにこっと笑いながらお礼を言うと


「どォいたしましてェ♪」


「てー」


微笑み返すポトフとプリン。


「じゃあミントっ!遊ぼうぜェ!!」


目を爛々と光らせながらポトフが言った。


「う―…」


ミントが頷こうとした瞬間


ガチャ


と部屋のドアが開き


「ナメクジ買ってきてミント?」


って言いながらミントママが部屋に入ってきた。


「うおい?!」


バシ―――――――――ン


ミントはすぐさまドアを勢いよく閉めて、ミントママを部屋から追い出した。


「「…ナメクジ?」」


小首を傾げるプリンとポトフ。


「きっ気にしないで!!?さあ遊びに行こう!!窓から!!!!」


ミントは冷や汗を掻きながら、小首を傾げている二人を窓の方へと押す。


「「窓から?!」」


驚いて聞き返す二人。


ちなみに此処は二階。


その直後


「そうそ…ってうわ?!」


バタンっ


ミントが転んだ。


「「ミント!?」」


慌ててミントを起こす二人。


ミントの足には、薔薇の鞭が絡まっていた。


その先を辿ると


「ドアは静かに閉めなさい?」


ミントママが不敵に笑いながら立っていた。


「くっ…!!」


悔しそうに薔薇の鞭を振りほどくミント。


「あ。それとパン粉も頼むわ」


すると、思い出したようにミントママが言った。


((今晩のおかずはナメクジフライ?!))


とか思いながら顔を青くするプリンとポトフ。


「自分で買って来ればいいだろ?!」


ミントが怒ったように言うと


「悪いわね。今、手がねじ切れちゃって」


と言いながら、ミントママが手の無い腕を振った。


「「?!」」


信じられない状況に目を見開くプリンとポトフ。


「どんな状況だよ?!」


ミントが突っ込むと


「まったくあやとりって難しいわね。完敗だわ」


溜め息をつきながらミントママが言った。


「あやとり!?どうすればあやとりでそんな状況になるんだよ?!」


ミントが再び突っ込むと


「究極のメルヘンを表現しようと思って」


ってミントママが言った。


「絶対無理だよ!?究極のメルヘン嘗めんなよ?!」


ミントが更に突っ込むと


「あと八歩のところまでいったんだけどね」


やれやれと首を左右に振りながらミントママが言った。


「おっしい!!!!今度はあともうちょっとだけ頑張ってみて!!!?」


ミントはそう言うと


「…―はっ!!」


後ろにプリンとポトフがいる事を思い出した。


バッとお友達の方を向くミント。


「「・・・」」


プリンとポトフは、奇異なものを見るような目でミントを見ていた。


「ちっ違うよ二人とも?!い…今のは―…」


明らかに引いてる二人にミントが慌てていると


「あとゴキブリヘイヘイもよろしく」


ってミントママが言った。


「なんでノリノリなんだよ?!」


透かさず突っ込むミント。


「…あ」


そしてハッと再びお友達の方を向く。


「「…ミント…」」


プリンとポトフは、可哀想な生き物を見るような目でミントを見ていた。


「いっ行ってきま〜す☆」


これ以上この変人に関わっているとマズイと判断したミントは、慌てて二人を引っ張っていった。


「ゲヘヘ♪…あ。治った」


何故か無事に両手が治ったミントママでした。










「…ごめん」


申し訳無さそうに下を向いて二人に謝るミント。


「? なんで謝んだよミントォ?」


ポトフが首を傾げると


「…変な母親でごめん」


震える声でミントが更に謝った。


「あ…あっはっはっ…別にミントが謝るコトじゃねェだろォ?」


困ったように笑いながらポトフが言った。


「でも―…」


ミントが口を開くと同時に


「ミント」


プリンがミントに話し掛けた。


「? 何?」


ミントがプリンの方を向くと


「…ナメクジって、何処に売ってる?」


小首を傾げながらプリンが尋ねた。


「…うん…日当たりの悪いじめじめした場所にたあくさん売ってるんだよ?」


お使いを思い出してガックリと肩を落とすミント。


「へー!」


目を輝かせるプリン。


「…売ってるって言うのかそれは?」


そんなプリンの隣でポトフが静かに突っ込んだ。


「…はあ…何故オレは無意識に突っ込んでしまうのだろうか…?」


頭を抱えながらミントが言うと


「…あの家庭なら仕方ねェんじゃねェか?」


ポトフが気の毒そうにそう言った後


「む?そういう設定だからではないのか?」


小首を傾げながらプリンが言った。


「…プリン?あんまりそういう裏事情的な発言はしない方がよろしいと思いますよ?」


ミントが言うと


「うむ。分かった」


コクンと頷くプリン。


(…俺はボケとツッコミで言うとどっちに属するんだ?)


その隣で疑問を浮かべるポトフくん。


「…まあ…夕食までまだ時間あるし」


ミントはそう言うと


「遊ぼっか!」


にこっと笑いながら二人に言った。


「おゥ!」


「うむ!」


にこっと笑って頷くポトフとプリン。


その後ポトフは白いボールを呼び出しました。


こうして、ミント達の春休み最後の一日が穏やかに過ぎてゆくのでした。


「「ミント、ナメクジって美味しいの?」」


「…食べてみる?」



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