表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学校日和  作者: めろん
43/102

第43回 悩み日和

朝がきて、目が覚めて、


「くぁ…っ」


むくり


欠伸をしながら起き上がるミント。


「うーん…」


(…うん?)


すると左側から考え込んでいるような声がしたので、目を擦りながら左を向くミント。


「うーん…」


声の主は、ミントの左隣のベッドの上で大きなブタさんのクッションを抱えているポトフ。


(あら珍しい)


とか思いながら


「おはよぉポトフ」


ミントはポトフに挨拶をした。


「お!おぱよ〜♪」


ミントの挨拶に気付き、考えを中止して笑顔で挨拶するポトフ。


「珍しく真剣に考え込んでどしたのさ?」


帽子を被りながらミントが尋ねると


「珍しくって…酷ェなミント〜 俺はいつでも真剣だぜェ?」


ぷーっと膨れながらポトフが言った。


「あははそだね」


愛想笑いするミント。


「…なァミント?」


「? 何?」


ポトフが先程より声のトーンを落としたので小首を傾げるミント。


「さっきまで考えてたコトなんだケド…」


ポトフがミントを真っ直ぐ見つめた。


「!」


(こっ…これは!!真剣なお話の合図デスネ?!)


とかミントが思っていると


「どうしてココアちゃんは俺にメロリンコにならないのだろうか…?」


ってポトフが言った。


(うっわ〜!なんかほざきやがったコイツ♪)


とか思うミント。


「…何言ってんのさ?」


そして溜め息をつくミント。


「だってさァ!?ほとんどいつも一緒にいるのに―…」


「…"軽くあしらわれる"か"平手打ちされる"?」


ポトフの言葉を引き受けるミント。


「そう!!」


大きく頷くポトフ。


「はは…君にメロリンコな女子は大勢いるんだから別に良いじゃないデスカ?」


失笑しながらミントが言うと


「…まァ…そォなんだけど…」


下を向いたポトフは、ブタさんのクッションをつんつんしながら呟いた。


(ホ〜ンマどうしてくれようかこの自己陶酔者♪)


思わずクスッと微笑んでしまうミント。


「…はっ!!」


すると何か閃いたポトフ。


「…まっ…まさか…ココアちゃんは…枕にっ?!」


カタカタ震えながらポトフが言った。


(…)


ミントはにこっと笑って


「ココアがよくプリンの髪の毛いじくるからカナ?」


って言った。


「その通り!!」


「ぐー。」


まだミントの右隣のベッドでぐうぐうと眠っているプリンを睨みつけるポトフ。


(ポトフって…プリンにライバル意識持ってんのか)


とか思うミント。


(…ん?)


何かに気が付いたミントは小首を傾げて


「ポトフってココアのコト好きなの?」


って今気が付いた事を尋ねてみた。


すると


「愚問!」


って答えるポトフ。


「…」


(…そう言えば女好きだったなコイツ…)


確かに愚問だったなと思うミント。


「…枕だけには負けたくねェ…!!」


メラメラとプリンに闘志を燃やすポトフ。


「あはは…そんな大丈夫だよポトフ?」


喧嘩になると面倒臭いので


「きっとココアはポトフのコト大好きだから?」


とか言ってみるミント。


「! 本当かァ!?」


コロッと表情が変わるポトフ。


「本当本当♪」


にこっと笑うミント。


「そっか…そしたらあの行動は…"照れ隠し"か!!」


目を輝かせるポトフ。


「あははっ!そうそう」


愛想笑いするミント。


彼は朝っぱらから、眼帯ナルシストのせいで、もう何もかもが面倒臭くなってしまったようです。


「あっはっはっ!そォだよなァ!そォに決まってるよなァ♪♪♪」


ポトフはブタさんのクッションを置くと


「よォし!あっさ飯だァ!!」


ドカ―――――――――ン


「ぴわ?!」


プリンのベッドを引っくり返した。


(て言うかあの可愛らしいブタさんクッションは何さ?)


細かい事は気にしないで下さいミントくん。


(…はい)


よろしい。


「…貴様…」


引っくり返ったベッドの下からプリンの声がした。


「テレポート」


ピュッ


シュパンっ


「おっと」


「「!」」


ドカ―――――――――ン


落ちてきたベッドを軽々と避けたポトフ。


「あっはっはっ!んなワンパターンな攻撃、いつまでも俺に通用すると―…」


「枕が代わってお仕置きよー!」


バシ―――――――――ン


「ガハッ!?」


余裕ぶっこいていたポトフは、プリンの第二波である枕攻撃でホームランされてしまった。


「ふふふ…ツメが甘いな」


枕を抱え直しながら不敵に笑うプリンと


「…ポトフがプリンに勝てる日はくるのかねぇ〜?」


ズズズとコーラをすするミントでした。









ミントとプリンとポトフが談話室に降りると


「あ!おはよー三人ともー!!」


談話室にいたココアが手を振って挨拶した。


「うむ。おはよう」


「おはようココ―…」


プリンとミントが挨拶した瞬間


ふわっ


「きゃ!?」


「「!?」」


ポトフがココアを抱き締めた。


「ななななな何すんのよポトフー?!」


顔を真っ赤にしながらポトフの腕の中で暴れるココア。


そんなココアにポトフが


「おはよォココアちゃん…今日も一段とキュートだね?」


って言った。


「はあ!?」


朝っぱらから何ほざいてんの!?的に聞き返すココア。


「今まで気付いてあげられなくて…ゴメン…」


申し訳無さそうにポトフが言った。


「気付く…って何に?」


ココアが聞くと


「でも…俺もココアちゃん大好きだから…!!」


ってポトフが言った。


「はあ?!!!」


顔が真っ赤になるココア。


「もう…照れなくてもいいんだぜェ?」


限りなく優しい声で囁くポトフ。


「ちょっとー?!!!いつにも増してポトフがヤバイよー!!!?」


つったってその様子を見ているミントとプリンに助けを求めるココア。


「…」


(…ごめんココア…)


申し訳無さそうに目を逸らすミント。


「ぷわ…ねむねむ」


立ったまま眠り始めるプリン。


「ちょっとー?!!!助けてよー!!!?」


泣き叫ぶココア。


「大好きだぜココアちゃ〜〜〜〜んっ!!!!!!」


暴走するポトフ。


「…煩い」


ドカ―――――――――ン


「ガハッ!?」


本日二度目の枕攻撃を受けるポトフ。


「プリーン!!ありがとー!!」


ポトフから解放されたココアは、プリンの元へと駆け寄っていった。


「…照れる」


枕で顔を隠すプリン。


「…ポトフ…なんか…ごめん…」


吹っ飛ばされたポトフの元へと移動して謝るミント。


「…やっぱ…」


するとポトフは起き上がりながら


「女の子って柔らかいV」


って目を輝かせながら言った。


「…」


どうしてくれようかこの変態…とか思うミントくんでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ