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学校日和  作者: めろん
18/102

第18回 スキー日和

見渡す限り一面の白白白。周りは白すぎるのに、自分の心が黒すぎて…

なんて詩人チックに言ってみましたが、この話には全く関係無くて。


「うっはァ!!見ろ見ろミント!!デカくねェ?!俺の雪太郎!!」


ポトフが言った。


「いや確かにびっくりするほど大きいけど、雪だるまに名前つけるのやめようポトフ?」


かまくらに入っているミントが言った。


「いやァ〜楽しいなァ!!俺は雪が大好きだ!!あっはっは!!」


かまくらに戻りながらポトフが言った。


「もちろんミントも大好きだぜェ?」


「いらないいらない」


ミントが軽く流した。


「あっはっは!ミントはノリが悪ィなァ!!」


ポトフが笑いながら言った。


(…なんでプリンとはこんな風に仲良く出来ないのかなぁ?)


ミントがそんなことを思うと


「そう言えば、俺らスキーしに来たんだよな?」


ポトフが言った。


「うん。遭難したケドね」


ミントが返す。


「でさァミント?」


ポトフが言った。


「ん?何?」


ミントが返す。


「あれってスキー場じゃね?」


ポトフが外を指さした。


「んー?」


ミントが外を見ると、颯爽とゲレンデをスキー板をつけて滑る人人人。


「…わはー!本当だー」


ミントが言った。


「だよなァ!スキーしてるよな?!」


ポトフがはしゃぐ。


「でさァポトフ?」


ミントがポトフを向いた。


「ん?」


ポトフがミントを向いた。


「いつから気付いてた?」


ミントが尋ねた。


「ん?昨日」


ポトフが答える。


「ははは。………そう?」







「あ!ミント!ポトフもー!!」


スキー場にあるホテルのロビーに入ると、ココアの声が聞こえてきた。


「ココアちゃ〜ん!…と、チッ…枕もいんのかよ…」


ポトフが言った。


「ぐー。」


しかしプリンは眠っていた。


「ココア!大丈夫だったの?」


ミントが尋ねた。


「うん!プリンと一緒だったから、一瞬でスキー場に来れたのー!!」


ココアが微笑みながら言った。


(テレポートって…便利だなぁ…)


なんて思うミント。


「…これでウサギさん寮、全員集合ですわね!」


どこからともなく現れたレモンが言った。


「え?オレらが最後なの?」


ミントがレモンに聞いた。


「ええ!さぁ始めますわよ!!」


レモンが言うと、ウサギさん寮の皆さんがゲレンデに出始めた。


「ポトフくんポトフくん教えてー!!」


「私もー!!」


「オッケェ行っちゃうゥ?」


「「きゃー!!」」


賑やかに女子達と外に出るポトフ。


「さっきまで雪食ってたヤツとは思えないモテっぷりだな…」


ミントが呟いた。


「じゃあ私もブドウと行ってくるねー!!」


ココアが紫色の髪にウェーブをかけた女の子の手を引っ張って外に出ていった。


残ったのは、ミントとプリン。


「ぐー。」


「ふぅ…まだ寝てる…」


ミントがプリンの前に行って


「起きて〜プリン〜?」


「ぐー。」


「…たく」


溜め息をつくと、手慣れた手付きでミントはプリンの枕をひったくった。


「枕っ!!」


飛び起きるプリン。


「おはよ」


ミントはそう言うと、プリンに枕を返した。


「うむ。おはよう」


枕が返ってきて安心するプリン。


「もうみんなスキー行っちゃったよ?早く行こう?」


ミントがプリンに言った。


「僕、運動苦手」


プリンが呟いた。


「オレが教えちゃる!」


「わ!」


ミントはそう言うと、プリンの手を引っ張っていった。







「「きゃー!!」」


ズザーッ


と、格好良く滑るポトフ。


「で、こう。…まずはイチゴちゃんがやってごらん?」


そして女子達の前で止まるとポトフがいった。


「で、出来るかな…」


女の子、イチゴが恐る恐る滑り出す。

すると


ズリッ


「きゃっ?!」


イチゴがコケそうになったところを


ふわっ


「…大丈夫?」


ポトフが爽やかに微笑みながらお姫様だっこして助けた。


「「きゃー!!」」


「はっ…はいっ!!」


羨ましそうな声をあげる女子達と幸せそうな顔をするイチゴ。


「いいなー!!あたしもコケるー!!」


「私もー!!」


「あっはっは、コラコラ?」


ポトフが爽やかに注意した。




「「…サムイ」」


そこから少し離れたとこにいる男子諸君がポトフを見ながら言った。


「で、でも…ぼくもやったことありませんよ?」


猫耳少年のサラダが言った。


「そやな〜ワイも出来ん」


その隣にいたソバカス少年のタマゴが言った。


「でもヤツには教わりたくないよな」


その隣にいたライスが言った。


「「うんうん」」


同意する男子諸君。


「じゃあオレが教えたるよ!!」


ライスの隣にいたミントが言った。


「へ?ミントは出来んのか?」


タマゴが尋ねた。


「うん!」


ミントが頷いた。


「よぉし、じゃあミントに教えてもらお!!」


「「おー!!」」


こうして男子諸君はミントに教えてもらうことになりました。

普通はインストラクターという人がいる筈なんですが、そこら辺は突っ込まないようにしましょうね。









「そうそうそう!上手いよライス!!」


ミントが言った。


「うんうん!上手上手キムチとスイカ!!」


今度は反対側を向きながらミントが言った。


ウサギさん寮の男子達は、つかみが早いようで、颯爽とゲレンデを滑ってゆく。


「そうそう!そんな感じそんな感じ!!トマト!!」


そんななか


「えいっ」


ズリッ


コテン


全く滑れない哀れな男子が一人。


「…痛い」


「大丈夫プリン?」


ミントがプリンに滑り寄ると


「わ!」


コロコロコロコロコロコロ


ドシィン


ドサドサドサ


「プリンーっ!?」


プリンが転がり落ち、木にぶつかり、木から大量の雪が落ちてきて見えなくなった。


「大丈夫?!」


ミントが慌ててプリンの元へ滑っていくと


「ぷあっ」


プリンが雪の中から顔を出した。


「…寒い」


「捕まってプリン?!」


ミントが手を差し延べた。


「う、うむ。」


ミントの手に捕まるプリン。


((あんな格好良い顔してんのになぁ…))


なんか不憫そうにプリンを見る男子諸君。


「大丈夫?」


ミントが引き抜いたプリンについた雪を叩きながら言った。


「…スキー怖い」


プリンが返した。


「もぅ…枕なんて持ってるからだよ?」


ミントが言った。

そう。彼が運動が苦手な理由は"常に枕を持っているから"。


「ぶぅ…放さないもん」


プリンが膨れながら言った。


「…っ…そう?」


ミントが何かを諦めたように言うと


「じゃあソリに乗ってみようかプリン?」


と提案した。


「うむ。」


プリンが微笑みながら返事をした。


「そっか!じゃあソリ借りてくるから、此処で待っててね?」


「うむ!」


((なんか保護者みたいだな…凄いよミント))


微笑ましく二人を見ていた男子諸君が思った。







「わー!」


赤いソリが斜面を滑ってゆく。


「どお?!楽しいプリン?」


ミントが言った。


「うむ!」


珍しく楽しそうな顔をするプリン。


「はははっよかったぁ!」


そう言うと、再びミントはソリの紐を引っ張りながら走り出した。

それに伴いソリが斜面を滑ってゆく。


「わー!」


「まだまだぁ!!」


プリンが楽しそうなのでスピードをあげるミント。


「わー!」


((プリン可愛い…!!))


その光景を見て、ウサギさん寮の女子と男子が思った。

彼らはもう、暗黒プリンなんか忘れ去っている。


「…」


皆がプリンとミントを見て和んでいるなか、詰まらなそうな顔をする男子が一人。


「…おもんねェ」


ポトフはそう呟くと、一人その場から離れていった。

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