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学校日和  作者: めろん
13/102

第13回 新キャラ日和

日の光が届かない暗い道、一人の少年がそこに迷い込んでいた。


「…腹へったなァ〜」


少年は、ここ暫くまともな食事をとっていなかった。


「此処は何処なんだろなァ〜」


辺りを見回す少年。


「あれ?俺は誰だっけ?」


少年がふと考える。


「あれェ?あっはっはっ思い出せねェや〜」


少年が笑うとその場に座り込んだ。


「……腹へったなァ〜」


先程と同じ発言をすると


ドカアアアアアアアアアン


「うわぁ?!」


天井が爆発し、暗い道に光初めてが射し込んだと共に一人の少年が落ちてきた。


「…いったぁ〜…また浮遊魔法失敗しちゃった〜…」


落ちてきた少年、ミントが言った。


「おおっ!助かったァ〜」


座り込んでいた少年が立ち上がった。


「…お?あれ?あれ?!」


ミントが頭に手を当てて焦りだした。


「帽子っ?オレの帽子!?」


ミントの帽子がなくなっていた。よって、右と左が綺麗に緑と赤に分かれているのがよく分かる。


「ヤバイ!!目立つ!!ヤバイヤバイヤバイ!!」


「あのォ〜?」


少年が頭を押さえているミントに声をかけた。


「ぎゃあ!?人に見られた?!最悪!!マジショック!!」


少年の存在に驚くミント。


「ハジメマシテ。で、君なんか腹膨らむもん持ってない?腹へりすぎて死にそうなんだァ〜」


少年が微笑みながら言った。

少年は短い黒髪で、右目に黒い眼帯をしている。


「へ?!…あ、うん。あるよ」


ミントが右手を頭に乗せて出来るだけ髪を隠しながら左手でローブのポケットに入っていたコーラを差し出した。


「おお?始めてみるな」


少年がコーラを見ながら言った。


「マジで?!こんなに美味しいのにっ!?」


ミントが驚きながら言った。


「そうなのか?では有り難く頂こう!」


少年がコーラを受け取ると


ぐびー


って飲んだ。


「…ふゥ…サンキュ〜助かったよォ〜」


「どういたしまして〜美味しいかったでしょー?」


ミントが帽子を探しながら少年に聞くと


「あっはっはっ!不味かったぞ!」


少年が笑いながら言った。


「…え?」


酷く傷付いた様子でミントが少年を向く。


「コーラが……不味い?」


ミントが聞き返した。


「おお!」


少年が元気に返事をする。


「…そんな…そんなコトって…」


ミントが頭を抱えながら座り込んだ。


「おろ?悪ィ傷付いたか?」


少年が少し反省しながら聞いた。


「ううん…いいよ別に…」


ミントが体操座りしながら呟いた。


「あっはっはっ!元気出せよクリスマス!」


少年がミントの背中を叩いた。


「クリっ!?」


ミントが少年を振り向いた。


「いいい今…オレが一番気にしているコトをさらっと?!」


「おろ?気にしてたのか?」


少年が驚いたように聞き返した。


「あ、当たり前でしょ?!こんな生命の奇跡、誰が喜ぶのさ?!」


ミントが言った。


「愉快でいいと思うがなァ〜」


少年が呑気に言った。


「はあ…もういいや」


ミントが諦めたように溜め息をつくと


「オレはミント。君は何処の寮の人?」


少年を向きながら言った。


「俺は"ポトフ"。可愛いだろ?」


眼帯少年、ポトフが言った。


(…プリンに近いものを感じるのは何故だろう…)


とか思うミント。


「ちなみに寮は分からん!」


ポトフが言った。


「…は?」


ミントが聞き返した。


「いや実はさァ〜俺、入学式の日からずーと此処を探検してんだァ〜」


ポトフが言った。


「…素直に迷ったって言おう?」


ミントが突っ込むと


「あっはっはっ!バレた?」


ポトフが言った。


「…ってかよく生きてたね?もう二ヶ月経ってるけど?」


ミントが言った。


「あっはっはっ!もう少しで死ぬとこだったぞ!」


ポトフが笑いながら言うと


ごばあっ


「?」


豪快な音が鳴ったので辺りを見回すミント。


「あっはっはっ!俺の腹は元気だなァ〜」


ポトフの腹の音でした。


「…食堂でも行く?」


ミントが提案すると


「おおっ!ミントは親切だなァ〜あっはっはっ!腹へったァ〜」


ポトフが言った。


「じゃあ行こっか!」


ミントが立ち上がると


「帽子はいいのか?」


ポトフが言った。


「あ」









「うまァ〜!!俺は幸せだァ〜!!」


ポトフががつがつ食べ物を口の中に運んでいく。


「わー凄い食べるねポトフ」


帽子の代わりに頭にバンダナを巻いたミントが、その隣でコーラを飲みながらその食いっぷりを見ていた。


「この学校の飯は最高だなァ〜!!まず芋虫が入ってない!!」


「いや普通入ってないでしょ?!」


ミントが突っ込むと


「おろ?もしかして俺の家が特殊なだけなのか?」


ポトフが意外そうに言った。


「…恐らく…?」


ミントが自信無さげに言った。


「あっはっはっ!ミントは面白いなァ〜!」


「で、ポトフ」


ミントがポトフの目の前に積み上がった皿を見ながら言った。


「こんなにお金持ってるの?」


・・・



・・・・・・



「…え?これって買うもんなの?」


ポトフが尋ねた。


「うん」


ミントが答える。


「あっはっはっ!ヤバイなァ〜!俺、一銭も持ってねェぞ?」


ポトフが笑いながら言うと


「ゴホンッ」


レジのオバサンがミントを見た。


(え?何何これオレが払う雰囲気になってない?!)


不吉な予感がするミント。


「ちょっと待ってよ?!オレそんな金持ちじゃないよ?!」


ミントが小声で言った。


「あっはっはっ!じゃあ食い逃げでも一丁やるか?」


「逃げんなよ?!…あ。今のなんか格好良いな…」


二人がそんなコト言ってると


「…払えねぇなら、体で払ってもらうしかねぇな?」


「「!」」


料理長が二人の前に現れた。


「ってま、待って下さい!オレはちゃんとお金払ったでしょ?!」


ミントが慌てて言った。


「あっはっはっ!酷いなミント!俺を置いてく気かァ?」


ポトフが爪楊枝でシーハーしながら言うと


「そうだぞ坊主?それにこの独眼野郎一人だと、半年かかるしな」


料理長も言った。


「…なんでオレばっかり」


肩を落とすミント。


「おろ?肩落ちたぞ?」


「あ、ありがと…って馬鹿?!」









ゴッシゴッシゴッシゴッシ


力一杯厨房の床をブラシがけするミント。


「そこの彼女?俺とお茶しなァい?」


厨房に来る女の子をナンパするポトフ。


「…」


ゴッシゴッシゴッシゴッシ


ミントの心の中にどす黒いものが渦を巻く。


「きゃー!もっもちろんですぅ〜!!」


「わ、私もー!!」


「あ、ズルイ!私も〜」


ポトフはモテ男だった。


「あっはっはっ!なんならみィんなまとめてデートしちゃう?」


「「きゃー!!!」」


ゴッシゴッシゴッシゴッシ


「…」


ゴッシゴッシゴッシゴッシ


「あれれー?ミントそこで何してんのー?」


この声は、ココアだ。


「掃除」


ゴッシゴッシゴッシゴッシ


ブラシが壊れそうなくらい力一杯厨房の床をブラシがけするミント。


「ってあれ?プリンは?」


ミントがココアに尋ねた。


「ああ…ミントがいないから多分まだ寝てるよー?」


ココアが返すと


「おろ?そこのキュートな彼女はミントのか?」


ポトフが言った。


「え?違いますよー?」


「ココアは友達だよ」


ココアとミントが軽く返すと


「ふゥん?じゃあ…」


ぱしっ


「へ!?」


ポトフがココアの手をとり、


「君、俺とお茶しない?」


って言った。


ゴッシゴッシゴッシゴッシ


「…え?」


ココアの顔が赤くなる。


「よ、喜んで…!!」


ココアが答えた。


「いやったね!じゃあまた後で?」


ポトフが微笑むんでAセットをココアに差し出した。


「は、はいっ!」


ココアはAセットを受け取ると、幸せそうに席に戻っていった。


「いやァ〜この学校は可愛いコが多くていいなァ〜!」


と言ってドカッと椅子に座るポトフ。


ゴッシゴッシゴッシゴッシ


「あっはっはっ!大変そうだなァミント!」


ゴッシゴッシゴッシゴッシ


(…そろそろ本気で怒ってみようかな…)


ゴッシゴッシゴッシゴッシ


次の瞬間、ミントが琥珀色に輝き出した。









「やーと学校に着いたのね?ポトフくんっ!!」


紫髪のクー先生が言った。


「あっはっはっ!遅刻しましたァ〜!」


包帯だらけのポトフが言った。


「…何があったの?」


先生がポトフに尋ねると


「い、いやァ階段から転げ落ちちゃって!」


ポトフが頭を描きながら言った。


「あ、ミントくんありがとね?ポトフくんを連れてきてくれて」


クー先生がポトフの隣にいるミントを向きながら言った。


「いえいえ当然のコトをしたまでです!」


ミントが清々しい笑顔で言った。


「そっか!…じゃあポトフくんはしょうがないからウサギさん寮ね!!」


クー先生が言った。


「…え?」


「あっはっはっ!ウサギさん寮だって!」


ポトフが笑った。


「ちょっ!?でももう部屋が無いですよ?!」


ミントが聞き返した。


「それもしょうがないからミントくんとプリンくんの部屋に入れてあげて?」


先生がさらりと言った。


「拒絶します」


ミントが即座に答えた。


「ふふっ却下」


先生が即座に切り捨てる。


「あっはっはっ!よろしくな!!ミント!!」


こうして、ミントの部屋がさらに賑やかになりました。


「なんでこうなる?!」



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