表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

えりまきねぅの童話集

タイムマシン

大分前ですがBlogに書いたものです。

記事を整理していたら見つけました。

ある夏の日の学校からの帰り道、歩道橋の下でおじさんがタイムマシンを売っていた。


2850円だった。


やっぱり結構するんだな、タイムマシンだからな。


お年玉と、貯金箱のお金と、今月のお小遣いを足して何とか足りそうだ。


ボクはおじさんの居る、歩道橋の下へと走った。


売れてないといいな。



あれ?


タイムマシンを買ったらどうしよう。


何故か足取りが急に重くなり、やがてボクは立ち止まった。


結局ボクはおじさんの居た歩道橋には行かず帰ってしまった。


ちょっともったいなかったかな。



それから20年後、ボクはタイムマシンを作り上げた。


とても巨大で、原子力発電所がいくつも必要な3秒後の世界に行けるタイムマシンだった。


あのおじさんのタイムマシン、やっぱり買っておけばよかったな。


いつか絶対に買いに行こうとボクは思った。




その50年後、ボクはやっと過去の世界に行けるタイムマシンを作り上げた。


サイズもかなり小さくなった。


ボクはあの日の歩道橋へ行く。


歩道橋の下には懐かしいあのおじさんが椅子に座ってタイムマシンを売っていた。


ダンボールに手書きで書かれた値札は2850円だ。


そのタイムマシンはブリキ缶にペンキで丁寧に塗装された、このおじさんのお手製のものだった。


ボクは2850円でおじさんからタイムマシンを買った。


おじさんが「おみやげですか?」と聞いたので、ボクは「はい」と答えた。


幼い日の想い出は、思わぬ原動力になったりする事があるかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 起承転結がしっかりしていて、このまま絵本になりそうな作品ですね。短い中できれいにまとまっていて感心しました。 [一言] 実はタイムマシンを売っていたおじさんがボクだったというオチを予想しま…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ