第3話 研究対象のお誘い
思考が一瞬止まった。
父も母も、神父様も、みんな私の反応を見ている。
新手の詐欺だろうか…そんなことを考えてしまう。
「そんな怪訝な顔しないで、大丈夫だから。」
おっと、顔に出ていたか。
「あのー、唐突でよく分からないんですけど…。
先程の指輪の件なら、あれはただ人より勘が鋭いだけです。」
「順番に話すよ。
まず、魔法について。
この世界には、大きくわけて魔法が使える人間と、使えない人間がいる。
使える人間は更に4つのタイプに大別できる。
“生理系″″創造系″″念力系″″回復促進″この4つだ。
でも僕は、この4つ以外の、第5の基礎魔術があるのではないかと研究しているんだ。
君には学院の生徒として、研究対象になって欲しい。」
「私には魔法は使えません。
7歳の頃受けた魔力確認も無いに等しいと言われました。 」
「それらについても研究させて欲しい。
学院にいる間はたくさんの事が学べる。
君の能力についても君自身、新たに気づくべきことがあるかもしれない。」
「…どうして、魔法だと思うのですか?」
「普通の人間は、君のようにあんな詳細に物から情報は得られないんだよ。
あとは、私の研究に対する勘だ。」
「私もね、メルの能力は1度調べてもらった方が良いと思うの。」
「お母さん」
「メルには魔法を使う適正があるかもしれないし、無いかもしれない。
これをはっきりさせるだけでも価値はあると思う。
それに、学院では魔術以外の勉強もあると聞いているわ。
きっとメルの力になると思うの。」
気乗りはしない。
でも確かに学院で学べば得られる物はあるかもしれない。
父も知識は奪われることの無い財だとよく言っている。
知識を持てば…私に本当に魔法があるのなら…
両親の手伝いも、村のためにも、もっとできることがあるかもしれない。
…よし!!
「わかりました。私、魔術学院に行きます。」




