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魔法使いの捜査官  作者: ハチワレ
学院編
10/17

第10話 採血


研究室での気まずい沈黙を破ったのは、アルトだった。


「さっき、どうやって依頼者を言い当てた?

あんた、何者?」


「…別に、特別なことはしてないよ。ただの勘が良い庶民。

ソルベール先生は魔法だっていうけど、私の魔力は無いに等しいし。

だから研究対象として調べて貰ってるの。

ってな訳で、愛人じゃない。

…ねぇ、その…大丈夫、なの?」


馬乗りになるほど腹が立っていたのに…さっきの後だと、余り責め立てられなくなる。


「別に、貴族なら珍しくもないさ。

巻き込んで悪かった。」


そう言い残して彼は研究室から出ていった。



====================



「いやー。巻き込まれて不運だったね。」


ソルベール先生は笑いながら、私の腕に針を刺す。

口は動いても、手元は安定している。痛みもほとんど無かった。


「珍しいね。目を逸らす人がほとんどなのに。」


「父は医者でしたから。

診療所の手伝いで血を見るのは慣れてます。」


採血管の中を新鮮で温かい血が登ってく。

——もしあの時、先生が来てくれなかったら…

私が見ていた景色は、一面この色だったのだろう。


「アルトさんってどんな生徒なんですか?

どうしてあんなのに狙われているんです?」


「彼はアルト・テュームモンク。

君のクラスメートだよ。」


「答えになってません。」


「僕は研究者であり教員でもある。

おいそれと生徒の個人情報は話せない。

なによりアルト君が望んでいない。」


「じゃあ、あの不審者はどうなったんですか?」


「警備隊に渡してきたよ。

きっと騎士科の授業で教材にされるんじゃないかな?」


「教材?」


「この学院には、魔法科の他に騎士科があるからね。

警備を担っているのも騎士科の上級生たちだよ。」


確かに。警備兵がいるのは知っていたが、貴族が通っているからだと思っていた。

授業と兼ねていたんだね。


「本物の不審者なんて、警備が厳重な学院には滅多に出ない。

きっと、騎士科の生徒相手に尋問の実践授業に使われるよ。

そこで見事依頼者の情報が引き出せたら、この件もきっと防げるよ。」


私の突拍子もない話では、証拠にならない。証言にも信憑性なんてない。

そもそも…私が間違っているかもしれない。


「さぁ、今日は採血だけで終わりだ。

明後日には結果が出るよ。

いろんなことに巻き込まれた上、血を抜いたんだ。

今日明日はゆっくり休みなさい。」


「はい。」


「…私はさっき、研究員で教員だといった。

…これはえこ贔屓と取られても仕方ない私情だけれど、アルト君を勘違いしないでやってほしい。

守るためには、突き放すしかないと考えてる不器用な子なんだ。」


インフルA型に感染しました。。。。

友人数人も感染したらしくて、マスクの重要性とA型の感染力の強さに慄いてます。


でも、お昼ご飯時は…どうしようもねーよ。。。勘弁してくれ、インフルさん。。。。

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