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最後の恋を見つけよう  作者: ほたるいか
8/16

8.下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる

こんばんは。ほたるいかです。


7のエピソードで、彼女が主催するグルメ会で浮気をしようとした男の話をしたけれど、その会は色々あったわ~。

クズ男エピソードいっぱいある。

早くみんなに言いたい~♪クズ男あるある~早く言いたい~♪


さーて、今日のいかさんは、

「下手な鉄砲を撃ちすぎて自滅した男の話」

一本でお送りします。

くっわっくっくっ(古い方)


鉄砲男と私は、同じ日にグルメ会デビュー。

同じ初回なのに、彼はすぐ中心メンバーに入り込んで場を盛り上げていた。


「いかさん、ドリンク注文して。」

「いかさん、お皿そっちに下げてくれる?」


私はお前の部下じゃねえ。

けど、動いてしまう。動かざるを得ない。

私、男性には強く出れるんだけど、女性には嫌われやすいんで、女性が多い会では元気よく動くしかないんですわ。


「人の男に色目使ってんじゃねえよ。」

今までの人生、何度呼び出されたことか。

使ってません。むしろ、あなたのような女性を彼女にするような男に好かれるなんて鳥肌ものです。

そうはっきり言えればいいけれど、こういうタイプに何言っても無駄なんだよなあ。

女性からの悪意には慣れてますからね、どうやったら生き残れるかは心得てます。そのためには、せっせと下働きするしかないんですわ。


見かねた派手めの男性が手伝ってくれて、鉄砲男にもはっきり言ってくれた。

「おいおい!新しく入った子働かせすぎだぞ!次から来てくれなくなったらどうすんだよ!」


ありがとう、派手な兄さん!あんたかっこいいよ!


「あれ?わすれてません?俺も初参加メンバーっすよ。俺にも優しくお願いします!」

すかさずおちゃらける鉄砲男。

はい、みんな笑う―。

場が和むー。

こいつほんと嫌い。


そんなこんなで、次に私が参加した会では、こいつ、飲み会の主幹事を任されてた。くやしー!!

「俺、めっちゃ彼女欲しいんですよ~。2年も彼女いないから!」

これがこいつの口癖だった。


私は私でなんとか三人の常連女子と仲良くなることに成功!

女子会に参加できるまでに!

やった!がんばったわ、私。


ある日のこと、鉄砲男がやっている趣味が、私がずっとやりたかった趣味と同じだということがわかる。

「これ、めっちゃやってみたいと思ってた!」

そういうと、その趣味のサークルのトップの人を紹介してくれた。鉄砲男、意外といい奴じゃん。

そしてサークルトップとわたしが意気投合。なんか今までとは違う楽しい居場所ができた。サークルトップは鉄砲男の職場の先輩らしい。


はじめた趣味はとっても楽しかった。ただ、私にはその趣味をやりこなすためのセンスが圧倒的になかった。

練習しても練習しても、私だけできない・・・。ヘタクソ。

まあ、会わないスポーツってあるからね。もうここまで上達しないとなると、素質がないとあきらめるしかないよね。


私の友達もやりたいと言っていたので一緒に参加していたのだが、友達はぐんぐん上達していき、私はどんどん置いて行かれる。

うまく風に乗れないから、自然と地上で過ごす時間が増える。

で、鉄砲男も実は超下手だったんだわ。

みんながいつまでもいつまでも空を舞う中、私たちは地上で話すことが増えた。


「いかさんの友達、上達早いね。」

「私を差し置いて、自分たちだけ楽しむなんてないよね。」

ヘタクソ二人組の傷のなめ合い。

そのうちに悩みを相談しあう仲にまでなった。


彼氏が既婚者であることが分かったこと、別れようと思っていることも相談していた。


その時に奴が言ったの。

「俺じゃダメか?」


きれいな夕焼け空の前で言われて、私もちょっとその気になってしまった。

「次に会ったときにすっぱり別れてくるから、そのあと、もう一回告ってよ!」

なーんて答えた自分を、ぶん殴ってやりてえ!!

あの、ロマンチックに見つめあった時間を返せ―――――!!




既婚者彼氏と別れたあと、女子会のお姉さまたちは、飲み会を開いてくれた。

「新しい出会いに向けてカンパーイ!!」

明るくスタートした飲み会。お姉さま方は私が既婚者とすっぱり別れたことをめちゃくちゃほめてくれた。


鉄砲男とのことがなかなか言い出せなくて、ちょっと酔っぱらおうと必死に飲んでいたら、話題がグルメ会の話になった。


「●●くん、✕✕ちゃんのこと好きだったじゃない?電話で告白して振られちゃったんだって。」

「あー、でも●●ってすごいいい奴だから、すぐ違う彼女できるよ!」

「でもね、✕✕ちゃん最近飲み会に来ないじゃん?その理由を泣きながら話してくれたらしいけど、なんか飲み会メンバーに二股かけられてたんだって。」

「えー!誰?誰?」


「あの鉄砲男よ!しかも二股相手は、□□ちゃん!!」

「え~~~最低!だから✕✕ちゃんも□□ちゃんも、最近飲み会に来ないのね!!」


がーーーーーーーーーーーーーん!!


私の動きがピタッとたまったのを見て、

お姉さまたち焦る。

「いかちゃんどうした?飲みすぎた?気持ち悪い?吐く?」

背中を優しくさすってくれる。。。


「わたし・・・鉄砲男と、、、元彼と別れたら、、、付き合う予定でした・・・。」


「えええええええええええ!!!」


そこからは大騒ぎ。

お姉さま方に根掘り葉掘り聞かれ、全部話しました。


「追放だね。」

一人のお姉さまがぽそりとつぶやき、鉄砲男はそのまま出禁となりました。


話によると、出禁を言い渡された鉄砲男は、「どちらとも付き合ってない。」と言い張り、ほかの人たちには、「よくわからない悪意で出禁になった。」と言い訳をしたらしい。


そして、私が全てを趣味サークルのトップに告げ口したため、趣味サークルからも出禁を言い渡された鉄砲男。


サークルトップ曰く、奴は以前、サークルの一人の女の子にしつこく言い寄っていたらしい。

「一見、好青年に見えるから厄介だよな。あいつ。」

女の子が相談しに来るまで、サークルメンバーもまったく気づかなかったらしい。


ちなみにその話を一緒に空を舞っていた私の友達に言うと、

「私も結構デートに誘われたよ。好きなタイプじゃないから断ったけど。」


ほんとに鉄砲を撃ちまくっていたんだな。

彼は今、どうしているんだろう?念願の彼女はできたかしら?







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