6.一時期仲良くなった人たちの話
旦那から家をぶんどったものの、あまりゲンのいい家ではなさそうと思い、家を売って新しく中古マンションを購入することにした。調停中に上の子が小学校に上がっていたので、同じ学区内でマンション探し。これがまあ大変。
あまり場所は変わらないものの、55歳で完済できる4LDKを手に入れた。
さあ、これから頑張ろう!
当時、MIXIというSNSで知り合ったマイミクさんたちと遊びに行くことが多かった私。MIXIがオワコン化して、LINEが急速にはやってきた時期だったから、マイミクさんたちとLINEグループでやり取りをするというのが主流となった。
既婚者に騙された騒動を経て、しばらくは恋愛はいいやと思っていたので、友達と出かけることに命を懸けていた私にとって、LINEの流行は神だった!
マイミクグループLINEの中でも、「自分と同じ誕生日の人を見つけよう」というコミュニティーで仲良くなった人たちとは頻繁にやり取りをしていた。全員3月1日生まれ。
その中の一人の男性とは、生まれ年も同じで家が超近いこともあり、リアルで行動することが多かった。同じくらいの子供がいることもあり、家同士での交流も始まった。
ある日、男友達が学生時代の後輩たちを連れてきた。
後輩くんの中の一人は、なんとうちから歩いて5分のところに住んでいることがわかり、意気投合!ガテン系の見た目はいかつい子だが、仲良くなった人に対してはしっぽを振ってどこにでもついてくる忠犬という感じだった。忠犬君とは、仕事帰りに時間を合わせ、よく立ち話をした。だんだん、自分の後輩のような気にさえなってきていて、そのうち男友達よりも親しくなっていった。
後輩君たちはみんないかついけどいい子たちだったので、うちの子供たちはすぐに懐いた。
男友達家族とうちの家族、後輩君たちと私の職場の女子を加え、海に行ったりBBQをしたり、それはそれは毎日楽しく過ごしていた。
そのうち、下の娘が「あの中の誰がパパになるの?」とキラキラした目で言うようになってきた。
ああ、そうか。私は頼れる人が近所にできてありがたいなあと思っていたが、子供には変な期待を持たせていたんだなと反省をしたことを覚えている。
そのうち、近所のママたちから変な噂を流され始めた。
「たくさんの男性がマンションの前にいた。どれか、彼氏なんじゃないの?」
いや、女性も子供もたくさんいたよね?
子どもたちうきゃうきゃ団子になって遊んでたし、金髪ショート美人も、ロング黒髪のかわいい女子もいたよね?みんなであそびにいったってわかんない?
暇人がっ!!と思いつつ、子供のために、変な噂は早く払しょくしたいとも考えていた。
自分は何を言われても平気だけど、ああいう馬鹿親は子供を巻き込むからね。
同時期、私には悩みがあった。男友達が、自分の家族よりもこちらを優先するそぶりを見せることだ。
自分の家族は家において、うちの子供と遊ぼうとやってくる。
「奥さんから変な誤解をされたくないからやめてほしい。」
そう言っても、
「自分の家族は別日にちゃんとお出かけをしているから平気。父親がいないと力遊びなどできないだろうから俺が遊んでやるよ。」
と言ってきかない。
「父親役は、後輩君たちがやってくれているから大丈夫だよ。」
「そっすよ、先輩。姐さんのとこの二人は、俺たちがめちゃかわいがってるっす。」
私だけでなく後輩君たちもやんわり伝えてくれたが、一向に改善されなかったのだ。
もちろん本当に優しい気持ちで言ってくれているのかもしれないが、奥さんからしたら絶対にいい気はしないだろう。数少ないママ友から嫌われるのは嫌だった。
男友達には、
「近所の嫌なママが変な噂を流すから、みんなと出かけるのはいったんやめるよ。また噂が立たなくなったらみんなで遊ぼうね!」
と宣言し、こちらからは全く連絡をせず、誘いも全て断るようにした。
後輩君たちにも、
「君たちの先輩とはいったん距離を置いたほうがいいと思うから、みんなとも遊びに行かないようにするね。」
と話し、理解してもらった。
忠犬君とだけは仲良くしていたかったが、先輩を切るからには忠犬君とも距離をとらなければなるまい。久しぶりにどストライクな男性に出会ったのになあ。もったいないなあ・・・。
忠犬君からは
「姐さん、さみしいっす。また会いたいっす。」
とラインがきたが、
「まだ会えないよねー。」
と返すしかなかった。
忠犬君から連絡が来なくなり、しつこかった男友達からも連絡も途絶えたころ、LINEをやっとブロック。
彼らとは結局そのままとなった。あの人たちは元気かな?