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最後の恋を見つけよう  作者: ほたるいか
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4 職場の男は恋愛対象になるか?ならないか?

 職場恋愛をする人って多いけど、同じ職場の男性が恋愛対象に見えるっていいなあと思う。正直うらやましい。

 私は、職場の男性のことは「一緒に戦う仲間」だと思っているので、全く異性として見れない。

 自分の周りはどうかというと、職場恋愛をしているカップルは結構いた。結婚する人も多くて、結婚式に呼ばれるとうれしいし喜んで参加させていただくけれど、自分も職場恋愛をしたいとは思わない。


 付き合うのはいいのだけど、甘えて馴れ馴れしくなるカップルや、別れてギスギスする元カップルを見ると、「仕事に恋愛を持ち込むのはマジで勘弁して」と言いたくなってしまう。

 一番困るのは不倫カップル。付き合うのはいいけれど、隠してほしいなあ。本人たちは隠しているつもりなのかもしれないけれど、バレバレだから・・・。

 

 とはいえ私は基本人にあまり興味がないので、仕事をしっかりやってくれるのであれば何も思わないし、あれこれ聞くこともしない。

 人のことを聞いても興味がないのですぐ忘れるし、世間話をするのも面倒くさいと思ってしまうタイプ。でも、仕事のことを面白おかしく話して、ひと笑いとるのは大好き。おしゃべりは大好きだけど、人の話はあんまり聞きたくないというわがままばばあである。

 結構、悪口も言う。悪口を言わないようにしようと啓発本には書いてあるが、悪口は言ったほうがいいと思っている。悪口を言わないと女性同士は仲良くなりにくいし、自分だけいい子ぶるのも好きじゃない。

 でも文句を言う人は徹底的に選ぶ。一番いいのは上司の悪口を言うこと。それも、仕事が出来ないくせに威張り散らす上司ならなおよし!同じ敵を見つけて団結するのだ。これが結構面白い。

 初めは悪口を言わない子から悪口を引き出せたら上々!そして、悪口を一緒に言う仲間は絶対に売らない。これは絶対に守ったほうがいい。で、文句を陰で言うならば、面と向かっても言わないと。信頼を勝ち得るには陰で言うだけじゃなく、みんなの前で上司にはっきり言わないといけない。

 残念ながら上には嫌われるけど、他からは好かれるのでまあいいかと思っている。子供が巣立った今もたくさんの人に誘ってもらえる楽しい人生が遅れているので、わが人生に悔いなしだ。


 職場の男性が恋愛対象として見られない私に、よりによってアプローチしてきたかわいそうな男性がいた。職場に入ってきた少し年下の男性。割と早めにロックオンされてしまう。初めての職場で緊張しているだろうと、あれこれ世話を焼いたのがよくなかった。

 好意には気づいていたが、面倒くさいので気づかないふりをした。わかりやすいアプローチは徹底的に全部無視し、半年間は何とか逃げ切った。

 逃げ切れたのは彼の仕事ぶりが軌道に乗らなかったことが大きい。


 彼はとにかく仕事ができない人だったので、「この業界からは足を洗って、違う職種についたほうがいい」と、半年間みんなでやんわり伝えていた。

 特にボスは必死だった。自分の営業所にはいらないからなんとか一年で異動させたいが、かれをひき受け入れてくれる営業所はなかなか見つからなかった。とにかく円満に退社してほしかったボスは、優しくやんわりと彼ができそうな職種をお薦めしていた。

 仕事がができないことをなかなか自覚できない彼であったが、顧客からのクレームが相次いだことで、やっと自分が仕事ができないことを自覚し始めた。その中で、徐々に私へのアプローチも減ってきたのである。彼はどのみちあと半年でいなくなるし、色々誘われなくなったので私は安心しきっていた。

 

 彼がいなくなるまであと2か月というところで。一人の熱い馬鹿が「努力で人は変われる、君はここでやめて悔しくないのか!!」と励ましてしまい、彼は再びやる気モードになってしまった。みんなが「余計なことをしやがって!」と思ったのは言うまでもあるまい。

 この手の男性は、なぜか一つうまくいくと(実際は仕事はできるようにはなっていないができるようになったと思い込んでいる)すべてのことがうまくいくと思い込みやすく、最後の最後で私へのアプローチが復活してきてしまうのである。


 あと2か月だったのに・・・。


 明らかに向いてない仕事を選んでしまう人というのは存在する。

 励ました馬鹿は一見優しいようであるが、すごく罪作りなことをしたと思う。早めに違う道を示すほうが実は優しいのだ。

 

結局彼は、1年でうちから出され、別の営業所に行かされたが、そこでもうまくいかず営業所を転々としていた。聞くところによると、かなりいい年になってからこの業界を離れそうだ。


 彼は最後の最後にデートを申し込んできた。

  きっぱり断った自分はわるくないと今でも思っている。

「次のところでも頑張ってくださいね。」

 そう言って彼とはすっぱり縁を切った。 


 中途半端な優しさは余計に相手を傷つけるものだ。当時を知る人からは「冷たい」と言われるけれど、私はそうは思わないから、平気。

 

 


 






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