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最後の恋を見つけよう  作者: ほたるいか
2/9

2 新郎の友達


 新郎の友達は、はっきり言って、そこそこのイケメン。本イケメンではない。

 名前は全く覚えていないので、新郎友人Aとしておこう。


 Aとは結婚式の2次会の会場を決めるときに会ったくらいで、あとは電話やメールでやり取りをしていた。当時はまだラインなんてなく、メールもポチポチ打つタイプだった。

 子持ちがそうそう家をあけられるわけもなく、私がアイデアを出して向こうが手配をするというやり取りを、ひたすら繰り返した。

 「一日くらいでてこれない?会って準備したら早いと思うんだけど。」

と言われたが、「むり!」の一言で終わらせていた。今から考えてもなんてかわいげのない・・・。


 自分の中では、2次会の会場を決めるために、仕方なく1日付き合ったのだから、あとは在宅で済ませたい。結婚式当日も家を空けることになるのだから、そうやすやすと出かける必要性はないと思っていた。


 母は「息抜きも必要なんだから、たまには外にでてきたら?」と言ってはくれてはいたが、自分の都合で片親にしてしまった手前、子供を置いて出る気にはならなかった。

 ママ友同士の飲み会なんて別にいかなくてもいいし、大体、子供置いてまで飲みたいという気持ちが分からなかった。職場の付き合いも歓送迎会と忘年会に顔を出せば十分。友達と出かけたいときは「子供も連れて行っていいかなあ?」か「うちで飲まない?」という必殺技が使えたから、子供を置いてどこかに出かけたいという気持ちもなかった。


 実際、電話やメールのやり取りだけで、結婚式の2次会はとてもうまくいったし、何の問題もなかった。


 2次会中、やたら、新郎友人がべらべら話しかけてくるのがうざかったが・・・。


「話しかける暇があれば、受付ちゃんとやれや!」

と怒鳴ってやりたかったが、友達のおめでたい門出を邪魔したくはない。そこで、さっきからちらちらとAのことを見ていた独身の新婦友人2人組に声をかけ、受付を途中で変わってもらった。


 自由になった私は、ポラロイドカメラで来場者の写真を撮り、せっせとアルバムに入れて回った。笑いをとり盛り上げ、私は大満足で2次会を終えた。

 最後の支払いをして、「時間でーす」とみんなを追い出し、酔っぱらいをタクシーに突っ込んで、結婚式は終わった。 

 1次会の幹事と2次会の幹事でもう一軒飲みに行こうとなったが、「子供がまってるから行かない」とサクッと帰ることにした。


 まさか、翌日Aから電話が来るとは思っていなかった。


「なに?なんか不備でもあった?」

そう尋ねると

「いや、あのさ、今度さ。一緒に出掛けない?」

との返答。

「なんで?もう結婚式終わったじゃん?会場にはなんの問題もなかったんでしょ?」


「あの・・・。デートの誘いなんだけどな。」


・・・ああああああ!そういうことおおお?


 断じていうが、しらばっくれているわけではない。あまりにも恋愛から縁遠くなっていると、こうなるのだ。


「あ、ああ。・・・まあ、ひと月先でよければ。」

 昨日出かけたから、次に会えるのは一か月後になるけどいいかとたずねると、Aは快諾してくれた。


 時間は後日決めることにした。


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