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寒いけれどそう身に沁みない寒さを感じ、朝の静けさの中にバスを降りると一呼吸於いて七種はバッグを持ちキャリーケースを轢き吊った。会社に行くで有ろう人波に呑まれて電車に乗り込むと、満員の電車に両脚で鞄を挟む。目的地近くの駅に到着緋して改札を出ると、人の波から外れたところに緋人が手を上げた。
「眠そうな顔だなー、寮に寄ってから集合だってさ」
「腰痛いー、辛いー、布団入りたい」
泣きそうな声で言うと、緋人はキャリーケースを持ってくれた。あたしはにゃーと挨拶するとわんと聞こえハイタッチをする。二人で人の波に逆らいながら歩くと、途中のギャストに入り、朝ご飯を食べて寮に向かった。
寮では階違いに女子と男子が岐れていて、荷物を置きベッドに弾むように沈んでから下に降りていく。寮母さんに挨拶をして、緋人と一緒に会社に向かった。
到着すると、先輩の後について入り口の扉を開ける。
「真似して、研修生でいいから。第二期生、牧 智也が入ります!」
大きな声で叫びながら、牧先輩が礼をして靴を脱ぎ入って行く。
「第二研修生、芝山緋人!入ります!」
「同じく第二研修生、増内七種!入ります」
と、続いて靴を脱いで入る。挨拶も早々に輪を作ると、事務机から上司が立った。お願いしますの声に大きな声で上司は言った。
「社事、社訓!」
全員で唱和する。二人はマニュアルを見ながら、小さな声で唱和した。
「我故に我有りで、ほれ、お前たちは壁になれ」
一瞬騒わついたが静まり、丁寧に礼をする。
「以上、解散!」
上司が叫ぶと共に輪の波が崩れ、牧先輩が言った。
「昼飯行こうぜー、バーガーと立ち食いどっちがいい?」
「俺、そば喰いたいっす」
「私カレー」
「じゃ、行こうか」
牧先輩の背後がゆらりと揺れたが、3人で入り口を抜け近くの立ち食い所に入り注文する。これから大丈夫かと牧先輩に聞かれ2人とも頑張りますと胸を張ると無理なくといい注文した品を持って座席に向かう。すこし背後が揺れながら、ちゅるりとそばを食べた。